因子と水準とは何か？

実験計画法を理解するうえで、絶対に押さえておくべき基本用語が
「因子」と「水準」です。

これらをきちんと区別してイメージできるかどうかが、
実験設計の成否を分けると言っても過言ではありません。

この記事では、因子と水準の意味をたくさんの例や図を使って、丁寧に解説していきます。

因子（Factor）とは、結果に影響を与える可能性がある要素のこと。

もっとやさしく言うと、
「これを変えたら結果も変わるかも」という項目です。

実験では、
この「因子」がどのように結果に影響するかを確かめるのが目的です。

水準（Level）とは、因子の取りうる具体的な設定値や状態のこと。

たとえば、「肉の種類」という因子に対して、

という2つの選択肢があるなら、それぞれが「水準」です。

実験では「因子」単独では意味がありません。
因子 × 水準の組み合わせで初めて、実際に試す条件が決まります。

因子	水準1	水準2
肉の種類	牛肉	鶏肉
スパイスの量	少なめ	多め

これだけでも
2 × 2 = 4通りの実験条件
が生まれます。

もし因子と水準がきちんと整理されていないと、
途中で「あれ、結局何を試してたんだっけ？」となってしまい、
実験の信頼性が大きく下がってしまいます。

あなたがオムライスの新レシピを開発したいとします。
試したい条件は次の通りです。

これをきちんと整理して表にしておくことで、

が一目でわかるようになります。

因子とは、
結果に影響を与えるかもしれない要素のこと。
水準とは、
その因子ごとの具体的な設定のこと。

実験を始める前に、
この「因子」と「水準」をしっかり整理しておくことが、
効率的で確実な結果につながる第一歩です。

次の記事では、
「繰返しとは何か？」「なぜ同じ実験を何度もやる必要があるのか？」
について、カレー作りを例にしながらさらに詳しく解説します。

ここを理解すると、実験結果の信頼性を飛躍的に高めることができるようになります！
ぜひ続けて読んでください！