- ペルトン、フランシス、カプラン...水車の名前が多すぎて混乱する...
- どの水車がどの落差で使われるのか覚えられない...
- 試験で「この水車の特徴は?」と聞かれても答えられない...
結論から言うと、水車の種類は「落差の高さ」で選ぶだけです。
なぜなら、高いところから落とすか、低いところで大量に流すかによって、最適な水車の形が決まるから。この単純なルールさえ押さえれば、4種類の水車を迷わず選べるようになります。
この記事では、電験三種を一発合格した筆者が、4種類の水車を「身近なもの」に例えながら図解し、試験で狙われるポイントまで完全解説します。
- 4種類の水車の仕組みと違い(初心者でもイメージできる比喩付き)
- 落差と流量で水車を選ぶ基準(試験で問われる選択肢)
- 各水車の効率と用途(正誤問題の頻出ポイント)
目次
💧 水車とは?|水力発電の心臓部
水車とは、水の力を受けて回転し、その回転力を発電機に伝える装置です。
イメージしやすい例で言うと、「川に水車小屋があって、水の流れで水車が回っている」というあの仕組みですね。あれの超巨大版が水力発電所にあるわけです。
電力科目ではほぼ毎年出題されます。特に「落差と水車の種類の対応関係」と「各水車の特徴」は選択肢で頻出です。
つまり、この記事の内容を押さえるだけで、電力科目で確実に3〜5点は獲得できるということです。
🏔️ 水車の選び方|落差で決まる!
水車選びのたった1つのルールがこれです:
落差が高い → 少ない水で効率よく発電
落差が低い → 大量の水で発電
これを理解すれば、4種類の水車が一発で覚えられます!
| 水車の種類 | 適した落差 | 流量 | 覚え方 |
|---|---|---|---|
| ペルトン水車 | 200m以上(高) | 小 | 滝のように高いところから落とす |
| フランシス水車 | 50〜200m(中) | 中 | ダムの定番(最も普及) |
| カプラン水車 | 10〜50m(低) | 大 | 羽根の角度を調整できる |
| プロペラ水車 | 10m以下(極低) | 大 | 川の流れをそのまま使う |
では、それぞれの水車を詳しく見ていきましょう!
1️⃣ ペルトン水車|高落差の王様
ペルトン水車は、高いところから水を噴射して、スプーンのような形の羽根(バケット)に当てて回転させる水車です。

イメージは「消防士のホースで水を噴射して、バケツリレーの要領で回す」という感じですね。水の勢いで回すので、少ない水量でも高い出力が得られます。
📌 ペルトン水車の特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 適した落差 | 200m以上(高落差) |
| 流量 | 小(少ない水で効率よく発電) |
| 形状 | スプーン型のバケット(椀型羽根)が円周上に並ぶ |
| 回転の仕組み | 水の勢い(運動エネルギー)で回転 |
| 効率 | 85〜90%(高効率) |
| 使用場所 | 高い山のダム式発電所 |
「ペルトン水車は高落差・低流量に適している」という特徴が選択肢で問われます。「水の勢いで回転する」という仕組みも頻出です。
ペルトン水車 = 水鉄砲で風車を回すイメージ
高いところから勢いよく水を噴射して、スプーンのような羽根に当てる。水の勢いが強いので、少ない水でもグルグル回る!
2️⃣ フランシス水車|最も普及している万能型
フランシス水車は、渦巻き状のケーシング(外側の筒)の中で水を回転させて、中心の羽根を回す水車です。

イメージは「カタツムリの殻のような渦巻きの中で、水がグルグル回りながら中心に流れ込む」という感じ。水の圧力と流れの両方を使うので、効率が非常に高いんです。
📌 フランシス水車の特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 適した落差 | 50〜200m(中落差) |
| 流量 | 中(バランスが良い) |
| 形状 | 渦巻きケーシングの中に曲がった羽根 |
| 回転の仕組み | 水が径方向から入って軸方向に抜ける(反動水車) |
| 効率 | 90〜95%(最高効率!) |
| 使用場所 | 一般的なダム式発電所(最も普及) |
「フランシス水車は最も普及している」「中落差・中流量に適している」という特徴が選択肢で頻出。効率90〜95%という数字も覚えておきましょう!
フランシス水車 = 渦巻き滑り台のイメージ
カタツムリの殻のような渦巻きの中を水が回りながら進み、中心で羽根を回す。ダムの定番水車で、「迷ったらフランシス!」と覚えてOK。
3️⃣ カプラン水車|羽根の角度を変えられる優れもの
カプラン水車は、プロペラ型の羽根の角度を水量に応じて自動調整できる水車です。

イメージは「扇風機の羽根の角度を変えて、風量を調整する」という感じ。水量が多い時は羽根を大きく開き、少ない時は閉じることで、常に高効率を保てます。
📌 カプラン水車の特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 適した落差 | 10〜50m(低落差) |
| 流量 | 大(大量の水を処理できる) |
| 形状 | プロペラ型の可変ピッチ羽根(角度調整可能) |
| 回転の仕組み | 水が軸方向に流れる(軸流水車) |
| 効率 | 90%以上(羽根角度調整で高効率維持) |
| 使用場所 | 低落差のダム式・流れ込み式発電所 |
「カプラン水車は羽根角度を調整できる」「低落差・大流量に適している」という特徴が選択肢で頻出。プロペラ水車との違い(可変 vs 固定)も問われます!
カプラン水車 = 扇風機の風量調整のイメージ
プロペラの羽根の角度を変えることで、水量が変わっても効率を保てる。低い場所でも大量の水を処理できる優れもの!
4️⃣ プロペラ水車|シンプルで低コスト
プロペラ水車は、カプラン水車と似ているけど、羽根の角度が固定されている水車です。
イメージは「船のスクリューと同じ」。構造がシンプルなので、コストが安く、小規模な発電所でよく使われます。
📌 プロペラ水車の特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 適した落差 | 10m以下(極低落差) |
| 流量 | 大(大量の水を処理) |
| 形状 | プロペラ型の固定ピッチ羽根(角度固定) |
| 回転の仕組み | 水が軸方向に流れる(軸流水車) |
| 効率 | 80〜85%(カプランより低い) |
| 使用場所 | 流れ込み式の小規模発電所 |
「プロペラ水車は羽根角度が固定」「極低落差・大流量に適している」という特徴が選択肢で問われます。カプラン水車との違いを明確に!
プロペラ水車 = 船のスクリューのイメージ
羽根の角度は固定で、シンプルな構造。小規模な川の発電所で活躍する、コスパ重視の水車!
【電験三種】効率的な勉強法|科目別の攻略順序 →
📊 4種類の水車を一覧比較|試験直前チェックリスト
4種類の水車の違いを、試験直前に見直せる一覧表でまとめました。この表を暗記すれば、選択肢で迷うことはありません!

| 水車の種類 | 落差 | 流量 | 形状 | 効率 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| ペルトン | 200m以上 | 小 | バケット型 | 85〜90% | 水の勢いで回転 |
| フランシス | 50〜200m | 中 | 渦巻き型 | 90〜95% | 最も普及 |
| カプラン | 10〜50m | 大 | プロペラ(可変) | 90%以上 | 羽根角度調整可能 |
| プロペラ | 10m以下 | 大 | プロペラ(固定) | 80〜85% | 構造シンプル |
- カプランとプロペラを混同しない! → カプランは「可変」、プロペラは「固定」
- フランシスが最も普及 → 「中落差・中流量」で万能だから
- ペルトンは高落差専用 → 「200m以上」という数字を覚える
🎯 試験で出る!選択肢パターン
実際の試験では、こんな感じで選択肢が出ます。練習してみましょう!
問: 落差200m以上の高落差発電所で使用される水車はどれか?
(1) フランシス水車
(2) カプラン水車
(3) ペルトン水車
(4) プロペラ水車
理由: ペルトン水車は「高落差(200m以上)・低流量」に最適。選択肢の中で唯一、高落差に対応できるのはペルトンだけです!
問: 羽根の角度を流量に応じて調整できる水車はどれか?
(1) フランシス水車
(2) カプラン水車
(3) ペルトン水車
(4) プロペラ水車
理由: カプラン水車だけが「可変ピッチ羽根」を持っています。プロペラ水車は「固定ピッチ」なので注意!
📌 覚え方のコツ|落差で一発暗記!
最後に、4種類の水車を一発で覚えられる語呂合わせを紹介します!
「ペル(200m)→フラン(50〜200m)→カプラ(10〜50m)→プロペ(10m以下)」
落差が高い順に並べて、「ペ・フ・カ・プ」と覚えましょう!
- ペルトン = 滝(高いところから水が落ちる)
- フランシス = ダム(中くらいの高さ、最も普及)
- カプラン = 堰(せき)(低いけど羽根で調整できる)
- プロペラ = 川(ほぼ平らな川、船のスクリュー)
✅ まとめ|水車は「落差」で選ぶだけ!
この記事では、電験三種の電力科目で頻出の4種類の水車を徹底解説しました。
- ペルトン水車 → 高落差(200m以上)・低流量。水の勢いで回転
- フランシス水車 → 中落差(50〜200m)・中流量。最も普及、効率90〜95%
- カプラン水車 → 低落差(10〜50m)・大流量。羽根角度調整可能
- プロペラ水車 → 極低落差(10m以下)・大流量。羽根角度固定
- 選び方は「落差」だけ! → 高い順に「ペ・フ・カ・プ」
水車の種類は電力科目で確実に得点できる分野です。落差と水車の対応関係を覚えれば、ほぼ確実に正解できます。
次は火力発電や送電線の勉強に進みましょう。水力発電の基礎がしっかりしていれば、他の発電方式も理解しやすくなりますよ!📘
【電験三種とは】資格の全体像と合格までのロードマップ →
あなたの合格を心から応援しています!💪⚡