- 「方針展開」と「すり合わせ」の違いがわからない
- 「キャッチボール」って具体的に何をするの?
- 上位方針と下位方針の関係がイメージできない
- 目標と方策の違いが曖昧でモヤモヤする
- 方針展開の仕組みを「滝」のイメージで完全理解
- すり合わせ(キャッチボール)の具体的なやり方
- 目標と方策の違いを「ゴール」と「道順」で整理
- QC検定1級で問われるポイントを総まとめ
「社長が決めた方針を、現場までどうやって届けるの?」
これが方針の展開です。でも、ただ上から下に流すだけではうまくいきません。現場の声を聞いて調整する「すり合わせ」が必要なのです。
この記事では、方針展開とすり合わせの仕組みを、「滝」と「キャッチボール」というイメージで徹底解説します。一度理解すれば、QC検定1級の問題も怖くありません。
目次
方針展開とは?|滝のように上から下へ流す
方針展開の基本イメージ
方針展開とは、トップ(社長)が決めた方針を、部長→課長→現場へと段階的に落とし込んでいくことです。
イメージは「滝」です。山の頂上(社長)から流れ出た水が、途中の岩(部長・課長)を経由しながら、麓(現場)まで届きます。
方針展開 = 上位方針を、下位の部門・階層に具体化して落とし込むこと
上位方針と下位方針の関係
滝の水が途中で枝分かれするように、方針も階層ごとに具体化されていきます。
| 階層 | 方針の例 | 抽象度 |
|---|---|---|
| 社長(トップ) | 「品質No.1企業になる」 | 抽象的 |
| 部長 | 「製造部の不良率を1%以下にする」 | ↓ |
| 課長 | 「A工程の不良率を0.5%以下にする」 | ↓ |
| 現場リーダー | 「設備点検を毎日実施する」 | 具体的 |
上から下に行くほど、方針はより具体的になります。これが「展開」の本質です。
上位方針の「目標」が、下位方針の「方策」になることがある。これを「目標と方策の連鎖」と呼ぶ。

すり合わせ(キャッチボール)とは?|双方向のコミュニケーション
一方通行では失敗する
方針を「滝」のように上から流すだけでは、実はうまくいきません。なぜなら、現場の実情を無視した目標になりがちだからです。
たとえば、社長が「不良率0.1%にしろ!」と言っても、現場からすれば「今の設備じゃ無理です…」となることがあります。
トップダウンの一方通行 → 現場がついてこない → 目標未達成
キャッチボールで調整する
そこで必要なのが「すり合わせ」です。別名「キャッチボール」とも呼ばれます。
野球のキャッチボールをイメージしてください。ボール(方針)を投げたら、相手から投げ返してもらう。この往復のやりとりが大切なのです。
①上司→部下:「この目標でどうだろう?」
②部下→上司:「この方策なら達成できます」または「この目標は厳しいです」
③調整:目標や方策を修正して合意
④決定:両者が納得した状態で確定
すり合わせで確認する3つのこと
キャッチボールでは、以下の3点を確認・調整します。
| 確認項目 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 目標の妥当性 | 達成可能か?高すぎ・低すぎではないか? | 不良率1%→0.8%に修正 |
| 方策の実現性 | その方法で本当に達成できるか? | 教育だけでなく設備投資も必要 |
| 資源の確保 | 人・モノ・金・時間は足りるか? | 追加人員2名を配置 |

目標と方策の違い|「ゴール」と「道順」
目標=どこを目指すか(ゴール)
目標とは、「何を」「いつまでに」「どのレベルまで」達成するかを示したものです。
カーナビで言えば「目的地」です。「東京駅に17時までに着く」というのが目標にあたります。
①何を(管理項目):不良率
②どのレベルまで(目標値):1%以下
③いつまでに(期限):今年度末まで
方策=どうやって達成するか(道順)
方策とは、目標を達成するための具体的な手段・方法です。
カーナビで言えば「ルート」です。「高速道路を使う」「一般道で行く」など、目的地に着くための道順を決めます。
| 項目 | 目標 | 方策 |
|---|---|---|
| 意味 | どこを目指すか | どうやって達成するか |
| 例え | 目的地(東京駅) | ルート(高速道路) |
| 品質管理の例 | 不良率1%以下 | 検査強化、教育実施 |
目標と方策の連鎖|上の方策が下の目標になる
方針展開で重要なのは、「上位の方策が、下位の目標になる」という連鎖関係です。
【部長レベル】
目標:不良率1%以下
方策:検査体制の強化
【課長レベル】
目標:検査体制の強化(←上の方策がそのまま目標に)
方策:検査員を2名増員、検査マニュアル改訂
このように、上位の「方策」が下位の「目標」となり、さらにその達成方法を具体化していきます。これが方針展開の本質です。
「上位の方策=下位の目標」という関係を問う問題が頻出。階層間のつながりを理解しておくこと。

方針展開表の作り方|見える化のツール
方針展開表とは?
方針展開を「見える化」するためのツールが方針展開表です。誰が、何を、どうやって達成するかを一覧にまとめます。
以下は方針展開表のシンプルな例です。
| 部門 | 目標 | 方策 | 管理項目 | 担当 |
|---|---|---|---|---|
| 製造部 | 不良率1%以下 | 設備点検の強化 | 月次不良率 | 山田課長 |
| 品質管理部 | クレーム件数50%削減 | 出荷検査の厳格化 | 月次クレーム件数 | 佐藤課長 |
| 営業部 | 顧客満足度90%以上 | アフターフォロー強化 | 四半期満足度調査 | 鈴木課長 |
方針展開表の5つの項目
方針展開表には、以下の項目を含めるのが一般的です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部門・担当 | 誰が責任を持つか |
| 目標 | 何を達成するか(数値目標) |
| 方策 | どうやって達成するか |
| 管理項目 | 進捗を測る指標 |
| 期限 | いつまでに達成するか |

QC検定1級で問われるポイント|まとめ
試験で狙われる5つのポイント
方針展開とすり合わせに関して、QC検定1級で特に問われやすいポイントを整理します。
| No. | ポイント | 覚え方 |
|---|---|---|
| 1 | 方針展開は上から下への「具体化」 | 滝のイメージ |
| 2 | すり合わせは「双方向」のコミュニケーション | キャッチボール |
| 3 | 上位の「方策」=下位の「目標」 | 目標と方策の連鎖 |
| 4 | 目標は「何を・どのレベルまで・いつまでに」 | 目的地(カーナビ) |
| 5 | 方策は目標達成の「手段・方法」 | ルート(カーナビ) |
この記事のまとめ
- 方針展開=トップの方針を段階的に具体化して現場に落とし込む(滝のイメージ)
- すり合わせ=上司と部下が双方向で調整する(キャッチボール)
- 目標と方策=「どこを目指すか」と「どうやって達成するか」の違いを明確に
方針管理の成功は、「展開」と「すり合わせ」のバランスにかかっています。一方通行ではなく、現場の声を反映した方針を作ることで、全員が同じ方向を向いて進めるのです。
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