勉強戦略

電験三種は配点で受かる|B問題から逆算する最短得点戦略マップ

😣 こんなふうに思っていませんか?
  • 範囲が広すぎて、何から手をつければいいのか分からない
  • 「全部完璧にしないと受からない」と思うと、勉強する前に心が折れる
  • 過去問を解いても、どの問題を優先すべきか判断できない
  • 仕事や家庭で時間がない。ムダな勉強はしたくない
✅ この記事でわかること
  • 電験三種の「配点の地図」と、どこに点が集まっているか
  • 満点ではなく「60点」を取るための逆算の考え方
  • B問題(応用計算)が合否を分ける本当の理由
  • 限られた時間で点を最大化する、科目別の優先順位
✅ 結論(まず30秒でわかる答え)

電験三種(電気主任技術者の入門資格)は、各科目100点満点で、合格ラインは原則60点です(問題が難しい年は55点前後まで下がることもあります)。つまり40点ぶんは間違えてもいい試験です。点が集まっているのは、配点30点を占める「B問題(じっくり考える応用計算)」と、頻出分野に集中したA問題。だから「全部やる」のではなく、配点の地図を見て「60点の取り方」を先に決めるのが、いちばんの近道です。

そもそも「配点で受かる」とはどういうことか

電験三種でいちばん多い失敗は、「範囲が広いから、とにかく全部やろう」とすることです。これは、マラソンでスタート直後から全力疾走するようなもの。たいてい途中でガス欠になります。

そこで発想を変えます。この試験は100点を取る試験ではなく、60点を取る試験です。言いかえると、4割は捨ててもいい。だったら最初に「どの40点を捨てるか」を決めてしまえば、勉強する範囲はぐっと狭くなります。

🚰 たとえると
テスト勉強を「お金の使い方」で考えてみてください。手持ちは「時間」というお金。やみくもに全分野へバラまくと、どの分野も中途半端で点になりません。配点の高いところ=「リターンの大きい投資先」に時間を集中させる。これが「配点で受かる」という考え方です。

つまり、配点表は「どこにお金(時間)を置けば、いちばん点が返ってくるか」を示した地図なのです。次の章で、その地図を実際に開いていきます。

電験三種の配点の全体像|A問題とB問題

電験三種は、理論・電力・機械・法規の4科目。各科目100点満点で、それぞれ独立して合否が決まります(4科目そろえば合格)。

そして、問題は大きく2種類に分かれます。A問題(短めの問題を1問ずつ解く)と、B問題(1つのテーマに小問が2つぶら下がる、じっくり考える応用問題)です。

理論・電力・機械の配点(共通)

種類 問題数 1問の配点 小計
A問題 14問 各5点 70点
B問題 3問(うち1問は選択)
=小問は計6つ
小問各5点 30点
⚠️ ここで間違えやすい
B問題は「3問」と聞くと少なく感じますが、1問が小問2つに分かれていて、小問1つが5点(大問で10点)。合計30点ぶんあります。法規だけは試験時間も配点バランスも他科目と異なり、A問題6点・B問題の小問が6〜7点など、1問の重みがさらに大きくなります。最新の配点は受験する年の公式案内で必ず確認してください。

つまり、点の大部分はA問題(70点ぶん)にありますが、1問あたりの「重さ」が2倍なのはB問題。ここが戦略の分かれ目です。次でくわしく見ます。

なぜB問題が合否を分けるのか

A問題は1問5点。B問題は小問1つで5点ですが、大問1つで10点。同じ1テーマでも、B問題のほうが取れる点が大きいのです。

しかも、B問題には合格者だけが知っている「おいしい構造」があります。小問(1)で出した答えを、小問(2)で使って解くという流れになっていることが多いのです。

🚰 たとえると
B問題は「2階建ての家」です。1階(小問1)をきちんと建てれば、その上に2階(小問2)が乗ります。1階さえ正しく作れれば、2階も自然と組み上がる。逆にA問題は「平屋が14軒バラバラに並んでいる」状態で、1軒解けても次の軒のヒントにはなりません。

だから、ひとつのテーマをしっかり理解しておけば、B問題は10点をまとめて取れる可能性があります。1問1問が独立しているA問題で10点取るには、別々の2分野を当てる必要があります。

💡 ポイント
頻出テーマのB問題を数パターン解けるようにしておくと、コスパよく得点が伸びます。「広く浅く」より「狭く深く、頻出テーマだけ確実に」が、B問題攻略の合言葉です。

つまり、B問題は怖がる相手ではなく、うまく使えばまとめ取りできるボーナスステージ。次の章で、A問題とB問題への時間の配り方を考えます。

60点を取るための得点シミュレーション

ここからが本題です。理論科目(A問題14問×5点=70点、B問題小問6つ×5点=30点)を例に、「どう60点を組み立てるか」を実際に計算してみましょう。途中の足し算も全部見せます。

STEP 1

A問題14問のうち、得意・頻出分野の9問を確実に当てる。
5点 × 9問 = 45点

STEP 2

B問題のうち、頻出テーマの大問1問(小問2つ)を完答する。
5点 × 2小問 = 10点

STEP 3

残りのA問題やB問題の小問で、1問だけ拾う。
5点 × 1問 = 5点

合計

45点 + 10点 + 5点 = 60点(合格ライン)

注目してほしいのは、残りのA問題5問とB問題の一部は、最初から捨てているという点です。それでも60点に届きます。「全部解かなきゃ」という思い込みが、いかにムダだったかが見えてきます。

⚠️ ここで間違えやすい
「ギリギリ60点ねらい」だと、1問のミスで不合格になります。本番では緊張やケアレスミスがあるので、目標は65〜70点に設定し、上の計算より2〜3問ぶん余裕を持たせて勉強するのが安全です。合格ラインが55点に下がる年もありますが、それは「結果として助かる」ものであって、最初から狙うものではありません。

つまり、合格は「頻出A問題+頻出B問題1テーマ」で十分に手が届きます。次は、この戦略を4科目それぞれにどう当てはめるかです。

科目別の「得点の要地」マップ

同じ「配点で受かる」でも、科目ごとに点の取りやすい場所=要地(ようち)は違います。要地とは「ここを押さえれば点が安定する重要拠点」のこと。ざっくり整理すると次のとおりです。

科目 得点の要地(優先して固める所) 戦い方
理論 直流回路・交流回路・静電気・電磁気 全科目の土台。計算が中心なので、最初に着手し公式を「使える」状態に
機械 変圧器・誘導機・同期機・直流機の「4機」 範囲が広い。4機に集中し、照明・電熱などは余力で
電力 発電方式・送電・変電 暗記と計算の半々。理論の知識が効く。比較的得点しやすい
法規 電気事業法・電技解釈、そしてB問題の計算 B問題(計算)の配点比率が高い。暗記+頻出計算で押さえる
💡 ポイント
学ぶ順番は「理論 → 機械・電力 → 法規」がおすすめです。理論は他の3科目すべての土台。ここを先に固めると、後の科目の計算問題がぐっと楽になります。法規は知識が安定してきた後半に回すと、覚えた内容が他科目とつながって定着します。

つまり、4科目を「同じ重さ」で見ないこと。理論という土台にまず投資し、各科目の要地だけを確実に取る。これが配点戦略の全体像です。

科目合格制度を「3年契約」で味方につける

配点戦略をさらに強くするのが、電験三種ならではの科目合格制度です。これは「1科目でも合格すれば、その合格が一定期間キープされる」仕組みのこと。

具体的には、ある科目に合格すると、その回を含めて3年間(最大で次・次々回まで)、その科目の受験が免除されます。4科目すべてを1回でそろえる必要はありません。

🚰 たとえると
科目合格は「3年間有効のスタンプカード」です。1回の試験で全部のスタンプを集めなくていい。今回は理論と電力、次回は機械、その次は法規——と、3年かけて4つのスタンプをそろえれば合格です。1回に詰め込みすぎないことが、社会人にはむしろ近道になります。

さらに、試験は年2回(上期・下期)あります。たとえば2026年なら、上期はCBT方式が7月16日〜8月9日、筆記方式が8月30日。下期はCBT方式が2027年2月4日〜2月28日の予定です(最新日程は必ず公式の試験案内で確認してください)。

💡 ポイント
年2回×科目合格を組み合わせれば、「1回の試験で2科目ずつ確実に取る」という現実的な計画が立てられます。たとえば上期で理論+電力、下期で機械、翌年上期で法規。1回あたりの負担を半分にしながら、配点戦略で確実に60点を積み上げる——これが社会人の王道です。

つまり、配点戦略(1科目をどう60点取るか)と科目合格制度(4科目をどの順で集めるか)はセットで使う武器。次は、よくある質問にまとめて答えます。

よくある間違い・つまずきポイント

配点戦略でつまずく人には、共通のパターンがあります。先回りして注意しておきます。

❌ やりがちな勉強

  • テキストを1ページ目から全部読もうとする
  • 難しいB問題を最初から完璧に狙う
  • 4科目を均等に少しずつ進める
  • 過去問は「最後の仕上げ」と思っている

✅ 合格する勉強

  • 頻出分野から先に手をつける
  • 頻出テーマのB問題だけ確実に解けるようにする
  • 理論を土台として先に固める
  • 過去問を「最初」に解き、出る所を知る
⚠️ ここで間違えやすい
「捨て問を決める」と聞くと、サボりのように感じて罪悪感を持つ人がいます。でも、これは戦略です。限られた時間で60点に最短で届くために、あえて手を出さない範囲を決める。むしろ計画的で前向きな選択だと考えてください。はじめは戸惑って当然ですが、慣れると一気にラクになります。

つまり、つまずきの正体は「全部やろうとする真面目さ」。その真面目さを、配点の高い場所へ集中させれば、それがそのまま合格力になります。

よくある質問

Q. 電験三種の合格点は何点ですか?

A. 各科目100点満点で、合格ラインは原則60点です。問題が難しい年は55点前後まで下がることもあります。

Q. B問題は捨ててもいいですか?

A. 全部は不要ですが、頻出テーマの1問は狙いましょう。1問で10点まとめて取れるからです。

Q. どの科目から勉強すべきですか?

A. 理論からです。他の3科目の計算の土台になるため、最初に固めると後がぐっと楽になります。

Q. 一度に4科目受からないとダメですか?

A. いいえ。科目合格は3年間有効なので、数回に分けて4科目をそろえれば合格になります。

Q. 試験は年に何回ありますか?

A. 年2回(上期・下期)です。CBT方式と筆記方式から選べます。最新日程は公式案内で確認しましょう。

📝 この記事のまとめ
  • 電験三種は各科目100点満点、合格ラインは原則60点(難しい年は55点前後まで調整あり)
  • 満点ではなく「60点の取り方」を先に設計するのが最短ルート
  • A問題14問で70点、B問題3問で30点。B問題は1問の重みが2倍
  • 頻出A問題9問+頻出B問題1テーマで、十分に60点へ届く
  • 科目合格(3年有効)+年2回受験を組み合わせ、1回の負担を半分に
👣 次の一歩

配点の地図が分かったら、次は「いつ・何をやるか」の計画づくりです。下の関連記事で、勉強計画と科目別の時間配分を具体的に決めていきましょう。

S
シラス
電験三種 / QC検定1級 / パワエレ設計・品質保証 実務10年

自動車部品メーカーで電気設計・品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて電気を学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

📚 次に読むべき記事

📘 電験三種 勉強計画|1年で合格する学習ロードマップ|2回受験で勝つ戦略とは? →

配点戦略を「1年のスケジュール」に落とし込みたい人へ。年2回受験を前提にした計画の立て方がわかります。

📘 電験三種の勉強時間はどのくらい?|科目別の目安と効率的な学習法まとめ →

「結局どれくらい時間がいるの?」という疑問に。科目別の時間の目安と、ムダを省く学習法を解説しています。

📘 【完全ガイド】電験三種の科目合格制度|3年ルールを味方につけて確実に合格する方法 →

本記事で触れた「3年スタンプカード」をさらに深掘り。免除のしくみと最適な科目の組み合わせがわかります。

タグ

-勉強戦略