目次
1. はじめに
理系の資格は「難しそうだけど年収が上がる」というイメージがあります。ところが実際には、難易度が中くらいでも転職で強い資格や、オンライン学習で取りやすい資格も多数あります。この記事では
- どの理系資格が今人気なのか
- 年収アップや求人の多さとどうつながっているか
- 年代や性別で人気がどう変わるか
をわかりやすく紹介します。
2. 調査方法と使ったデータ
指標 | 使ったデータ | 取得時期 |
---|---|---|
資格ごとの検索数 | Google トレンドの月間平均値(日本) | 2024年5月〜2025年4月 |
求人件数 | doda・マイナビ転職・indeed に掲載された求人数 | 2025年5月1日時点 |
受験者数 | 各資格の公式統計 | 最新公表年 |
平均年収 | 厚労省 賃金構造基本統計+doda「平均年収ランキング」 | 2024年版 |
検索数・求人件数・受験者数を偏差化し、合計100点で人気スコアを決定。年収は参考値として掲載。
(参照元:https://trends.google.com)
(参照元:https://doda.jp/guide/qualification/)
(参照元:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkozou.html)
3. 人気理系資格ランキング TOP30
1〜15 位
位 | 資格 | 主な活躍分野 | 平均年収 | 求人伸び率 | 検索伸び率 | 人気スコア |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 応用情報技術者 | IT全般 | 600万円 | +42% | +35% | 92 |
2 | 技術士(機械) | 製造・設計 | 750万円 | +38% | +22% | 89 |
3 | 臨床検査技師 | 医療 | 520万円 | +40% | +18% | 85 |
4 | 電験三種 | 発電・ビル管理 | 680万円 | +28% | +30% | 83 |
5 | エンベデッドシステムスペシャリスト | 自動車・家電 | 700万円 | +31% | +26% | 82 |
6 | 危険物取扱者 乙四 | 化学・エネルギー | 450万円 | +36% | +20% | 80 |
7 | 技術士補 | 建設・インフラ | 600万円 | +25% | +27% | 78 |
8 | 臨床工学技士 | 医療機器 | 500万円 | +29% | +18% | 76 |
9 | 基本情報技術者 | IT初級 | 540万円 | +22% | +31% | 74 |
10 | 第一種衛生管理者 | 工場・建設 | 520万円 | +24% | +23% | 72 |
11 | CAD利用技術者1級 | 図面設計 | 490万円 | +26% | +20% | 71 |
12 | 放射線取扱主任者 | 原子力・医療 | 650万円 | +18% | +24% | 69 |
13 | 施工管理技士(電気) | 建設工事 | 620万円 | +21% | +20% | 68 |
14 | 知的財産管理技能士2級 | 研究・法務 | 580万円 | +19% | +22% | 66 |
15 | データサイエンティスト検定 | IT・金融 | 730万円 | +23% | +17% | 65 |
求人伸び率=2023年同時期比。検索伸び率=Googleトレンド前年同月比。
・電験三種は求人伸び率こそ中位ですが、検索数が底堅く総合で4位。
・臨床系資格が医療人材不足で順位を上げています。
・AI関連ではデータサイエンティスト検定が新登場。
このブログでは4位の電験三種を推しており、勉強方法やキャリアについても解説してます。ぜひ電験三種がどんな資格か見ていってください!!
16〜30 位
位 | 資格 | 主な活躍分野 | 平均年収 | 求人伸び率 | 検索伸び率 | 人気スコア |
---|---|---|---|---|---|---|
16 | エネルギー管理士 | 発電・省エネ | 700万円 | +17% | +18% | 64 |
17 | 臨床検査技師(細胞検査) | 医療 | 530万円 | +20% | +15% | 62 |
18 | 施工管理技士(管工事) | 建設 | 610万円 | +21% | +14% | 60 |
19 | 気象予報士 | メディア・防災 | 560万円 | +15% | +20% | 58 |
20 | バイオ技術者認定試験上級 | 食品・化学 | 540万円 | +17% | +16% | 57 |
21 | 高度電子情報処理(セキュリティ) | ITセキュリティ | 720万円 | +18% | +14% | 56 |
22 | 作業環境測定士 | 環境・安全 | 510万円 | +16% | +15% | 55 |
23 | 計装士 | プラント制御 | 630万円 | +14% | +17% | 54 |
24 | 臨床心理技術者 | 医療・福祉 | 500万円 | +15% | +16% | 53 |
25 | 第一種放射線取扱主任者 | 研究・医療 | 650万円 | +12% | +18% | 52 |
26 | 応用無線技士 | 通信インフラ | 570万円 | +13% | +16% | 51 |
27 | 技能検定(機械保全一級) | 製造工場 | 520万円 | +14% | +15% | 50 |
28 | 公害防止管理者(水質) | 化学・環境 | 600万円 | +11% | +17% | 49 |
29 | 上級ウェブ解析士 | デジタルマーケ | 560万円 | +12% | +15% | 48 |
30 | 建築設備士 | 設計・ゼネコン | 600万円 | +10% | +16% | 47 |
(参照元:Googleトレンド https://trends.google.com)
(参照元:doda求人検索 https://doda.jp)
5. 年代と性別で人気が違う理由
5‑1 20代
- 選ばれる資格
- 基本情報技術者
- 応用情報技術者
- データサイエンティスト検定
- 理由
- 就活や転職で「ポテンシャル」を示したい
- オンライン勉強だけで挑戦しやすい
- IT業界の求人が伸びているから
5‑2 30代
- 選ばれる資格
- 電験三種
- 技術士補
- 施工管理技士
- 理由
- 管理職候補になる時期で肩書きが武器になる
- 家庭を持ち、安定収入を上げたい
- 会社の資格手当が出やすい
5‑3 40代
- 選ばれる資格
- 技術士
- エネルギー管理士
- 衛生管理者
- 理由
- 長く働ける専門領域を強化したい
- 体力より知識・経験を評価される資格を重視
5‑4 50代以降
- 選ばれる資格
- 放射線取扱主任者
- 計装士
- 公害防止管理者
- 理由
- 定年後の再就職や顧問業を見すえ、設備管理や安全管理の資格が強い
- 試験が年1回で計画を立てやすい
性別の違い
性別 | 傾向 |
---|---|
男性 | 電気・建設・機械など設備系が人気。現場の昇進要件になる例が多い |
女性 | 医療・バイオ・IT分野の資格が伸びている。オンライン学習で取得できる点を重視 |
(参照元:マイナビ転職 資格人気調査 https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/qa/)
6. 今の時代 背景にある3つの流れ
- 人手不足とDX(デジタル化)の加速
- 製造や建設の現場ではベテランが大量に定年を迎え、資格を持つ若手にチャンスが回っている
- ITではセキュリティとデータ分析の求人が急増(参照元:総務省 情報通信白書)
- リスキリング補助が拡大
- 国や自治体の給付金で、講座費用の7割が戻る制度も登場
- 会社独自の学習支援も増え、費用のハードルが下がった
- 副業解禁で資格の売り場が広がった
- 電験三種や技術士は「副業で設備点検」「技術コンサル」の案件が伸びている
- ウェブ解析士やデータサイエンス系はフリーランス案件が多い
7. 年収との関係は本当にある?
資格区分 | 資格なし平均 | 資格あり平均 | 差額 |
---|---|---|---|
ITエンジニア | 540万円 | 605万円 | +65万円 |
電気・設備 | 500万円 | 630万円 | +130万円 |
医療技術職 | 480万円 | 520万円 | +40万円 |
(参照元:doda 平均年収ランキング 2024 https://doda.jp/guide/heikin/)
- 電気・設備系は差が大きい
- ITは差額より求人通過率が変わる(書類選考通過率1.5倍)
8. 資格取得の注意点
- 難易度を見極める
- 技術士は筆記+口頭で数年計画が必要
- 危険物乙四は1か月集中でも合格者が多い
- 更新費用や実務要件を確認
- 技術士は実務CPDが必要
- 会社の手当と業界の相場
- 月3,000円の手当でも5年で18万円。費用を回収できるか試算しよう
9. これから伸びる注目資格
資格 | 伸びそうな理由 |
---|---|
データサイエンティスト検定 | あらゆる業界がデータ人材を募集 |
高度情報処理 セキュリティ | サイバー攻撃が年々増加 |
知的財産管理技能士 | AI開発で特許トラブル対策が重要 |
気象予報士 | 気候変動リスク評価の需要アップ |
公害防止管理者 | ESG投資で環境対応企業が増加 |
10. まとめ
- 人気1位は応用情報技術者。広い業界で使えるから
- 検索数が高い資格は、受験者も求人も伸びやすい
- 年代別に「ポテンシャル証明」「昇進」「再就職」で選ばれる資格が変わる
- 取得前に「費用・難易度・会社の手当」を確認すると失敗しにくい
資格はゴールではなくスタートです。
自分の仕事や生活に合う一枚を選んで、新しいステージに進みましょう。