「アクティブだね」「行動力があるね」と人から言われる。
でも、家に帰った瞬間、泥のように動けなくなる。
「新しい場所に行きたい!」「刺激が欲しい!」と予定を詰め込む。
でも、当日になると「なんでこんな予定入れたんだろう…行きたくない」と絶望する。
あなたは、そんな自分を「気分屋」だとか「情緒不安定」だと責めていませんか?
違います。あなたは病気でも、性格が悪いわけでもありません。
あなたは、全人口の6%しかいないと言われる「HSS型HSP」。
「アクセル」と「ブレーキ」を同時に踏み続けている、愛すべき矛盾の持ち主なのです。
目次
HSS型HSPとは? エンジニア的視点で解剖する
この気質を理解するには、従来の心理学用語よりも、システムとして捉えたほうがしっくりきます。
HSS型HSPは、相反する2つのOSを同時に搭載した「ハイブリッド人間」です。
光、音、他人の感情など、あらゆる外部刺激を拾いまくる繊細な受信機。基本戦略は「守り・慎重・内省」。
新しい刺激、変化、冒険を渇望するエンジン。基本戦略は「攻め・好奇心・衝動」。
普通はどちらか片方です。
しかし、あなたの中では「外に出たいエンジン」と「傷つきたくないセンサー」が常に殴り合っています。
だから、誰よりも行動できるのに、誰よりも傷つき、誰よりも疲れるのです。
「私だけじゃなかった」HSS型HSPのあるある現象
もしあなたが以下の項目に深く頷くなら、あなたは間違いなくこちらの住人です。
なぜ、HSS型HSPは「生きづらい」のか?
最大の苦しみは、「誰にも理解されない孤独」にあります。
純粋なHSPの人からは「あなたは行動力があっていいわね(私とは違う)」と言われ、
非HSPの人からは「なんでそんな細かいことを気にするの?(面倒くさい)」と言われる。
外向的に振る舞える「擬態スキル」が高いため、周囲はあなたの繊細さに気づきません。
結果、幹事やリーダーを任され、期待に応えようと完璧にこなし、家に帰って一人で再起不能になるまでバッテリーを使い果たす。
この「見えない消耗」こそが、生きづらさの正体です。
この矛盾を「才能」に変える生存戦略
では、どうすれば楽に生きられるのか。
「普通のフリ」をするのはもうやめましょう。この厄介なOSを乗りこなすための、具体的なマニュアルを授けます。
1. 「戦略的引きこもり」をスケジュールに入れる
あなたはフェラーリのエンジンを積んだ軽自動車です。
爆走(活動)した後は、必ずエンジンの冷却期間が必要です。
予定を入れる時は、「イベントの翌日は必ず空白にする」ことを鉄の掟にしてください。
「疲れたから休む」のではなく、「休むために予定をブロックする」のです。
2. 情報を「断捨離」する
好奇心が旺盛なため、スマホを見続けると脳が情報過多(オーバーフロー)でパンクします。
特にSNSは「刺激」と「他人の感情」の濁流です。
意識的にスマホを手放し、「インプットをゼロにする時間」を作ってください。お風呂やサウナが最適な避難所です。
3. クリエイティブな「出力」先を持つ
HSS型HSPの最大の強みは、その感受性と行動力から生まれる「創造性」です。
ブログ、写真、プログラミング、料理。
内側に溜まった複雑な感情やエネルギーを、外側に「作品」として出すことで、驚くほど精神が安定します。
あなたのその複雑さは、表現者としての最強の武器になります。
「多才」なだけだ。
アクセルとブレーキを同時に踏む人生は、確かに疲れます。
でも、だからこそ見える景色があります。
行動力と繊細さ。
この2つを併せ持つあなただからこそ、
人の痛みに寄り添いながら、新しい道を切り拓けるのです。
その矛盾を愛してください。
それは、神様がくれたギフトなのですから。