「今年こそは、英語をマスターする」
「今年こそは、ジムに通う」
「今年こそは、副業で稼ぐ」
新年になると、誰もが輝かしい「抱負(To Do)」を掲げます。
しかし、断言します。その目標は、1ヶ月後には綺麗な文字のまま手帳の中で死んでいます。
なぜでしょうか?
それは、あなたの人生のメモリ(時間と気力)が、すでに「無駄な習慣」でパンパンに埋まっているからです。
空き容量のないハードディスクに、新しいアプリケーションをインストールしようとしているようなものです。当然、エラーが出ます。
必要なのは「足し算」ではありません。「引き算」です。
今回は、合理的なエンジニア思考で人生を最適化する、最強のタイムマネジメント手法「Not To Doリスト(やらないことリスト)」について解説します。
― スティーブ・ジョブズ
目次
なぜ「やらないこと」を決めると人生が加速するのか
意志の力(ウィルパワー)は消耗品です。
「やるべきこと」を積み上げると、常に「やらなきゃ…でもできない」という葛藤で意志力を浪費します。
逆に「やらない」と決めてしまえば、脳の処理リソースが劇的に解放されます。
無駄な行動を捨てるだけで、1日2時間は簡単に捻出できます。その時間こそが、新しい挑戦へのチケットです。
「行こうかな、どうしようかな」と迷う時間をゼロにします。選択肢を最初から消去しておくことで、脳のCPUを守ります。
「できなかった」という失敗体験ではなく、「やらなかった」という成功体験を積み重ねることで、自己肯定感が上がります。
30代独身エンジニアが捨てるべき「10の無駄」
では、具体的に何を捨てるべきか。
私(30代・独身・HSP・エンジニア)が実践し、効果を実感している「鉄の掟リスト」を公開します。
【人間関係】コストとストレスをカットする
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1. 義理の飲み会に行かない
「とりあえず」の参加はやめます。一次会5,000円と2時間があれば、専門書が2冊買えて読めます。行きたくない飲み会への参加は、自分の人生への裏切り行為です。
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2. 二次会には絶対に行かない
もし百歩譲って一次会に出たとしても、二次会はNGです。酔っ払いの愚痴を聞く時間は、生産性ゼロどころかマイナスです。「21時には帰って勉強するキャラ」を確立しましょう。
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3. 「でも」「だって」と言わない
言い訳は思考停止のサインです。できない理由を探す暇があるなら、どうすればできるか(あるいは、潔く諦めるか)を考える癖をつけます。
【デジタル・脳】ノイズを物理的に遮断する
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4. SNSで他人と比較しない
SNS上の他人の幸福は「編集されたハイライト」です。自分の日常と比較するのは、映画の予告編と自分の寝起きを比べるようなもの。無意味です。見ないのが一番です。
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5. 目的のないネットサーフィンをしない
「なんとなくスマホを見る」は脳のアイドリング空転です。調べたいことがある時だけブラウザを開く。それ以外はスマホを裏返しておきましょう。
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6. 休日に仕事のメールを見ない
HSPは一度メールを見ると、返信しなくても脳のバックグラウンド処理で仕事を始めてしまいます。休日は通知を切り、物理的にアクセス不可にしてください。
【生活習慣】ハードウェア(身体)を守る
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7. 夜22時以降に食べない
夜食は翌日のパフォーマンスを借金しているだけです。胃腸を休ませないと、睡眠の質が下がり、翌日のメンタルが豆腐になります。
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8. スマホを寝室に持ち込まない
ベッドは寝る場所であり、情報収集の場所ではありません。スマホはリビングで充電し、目覚まし時計を買いましょう。これだけで睡眠の質が劇的に向上します。
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9. 満員電車に乗らない
HSPにとって満員電車はHPを削るダメージ床です。早起きして時間をずらすか、会社の近くに引っ越すか。これを避けるためのコストは「投資」です。
【マインド】自分への呪いを解く
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10. 100点を目指さない
完璧主義は行動のブレーキです。「60点でリリースする」感覚を持ちましょう。失敗してもバグ修正(リライト)すればいいだけです。
運用ルール:スマホの壁紙にする
リストを作って満足してはいけません。
人間は忘れる生き物です。3日後には「まあいいか」と夜食を食べているでしょう。
このリストをメモ帳アプリに入力し、スクリーンショットを撮り、スマホのロック画面に設定してください。
スマホを開くたびに「やらないこと」を目にする。
この「視覚的な刷り込み」こそが、習慣を変えるための強制力となります。
そこに新しい人生が入ってくる。
何かを始めたいなら、まず何かを捨ててください。
両手いっぱいに荷物を持っている人は、新しいチャンスを掴めません。
「やらない」と決めることは、逃げではありません。
本当に大切なことに命を燃やすための、勇気ある決断です。