実験計画法 統計学・QC検定

応答曲面法とは?最適条件を探すための実験設計

はじめに

これまで直交配列表や分割法を使って、
「因子の効果を調べる」ための実験設計を学んできました。

しかし、現場ではしばしば、
「どの設定が一番いいか?」
つまり、
最適な条件を探したい
というニーズが出てきます。

このとき使うのが、
応答曲面法(おうとうきょくめんほう)です!

この記事では、

  • 応答曲面法とは何か?

  • どんなときに使うのか?

  • どんな流れで進めるのか?

をわかりやすく解説します!

1. 応答曲面法とは?

定義

応答曲面法とは、複数の因子と結果(応答)との関係を数式で表し、その数式を使って最適条件を探し出す実験設計手法。

簡単にいうと、

  • 実験を繰り返して、

  • 応答(例えば製品の強度や味スコア)を測り、

  • 因子との関係を「曲面(カーブ)」として数式化し、

  • その曲面の山の頂点谷の底を探して、

  • 「ここが一番いい!」という条件を見つける

こんなイメージです!

2. なぜ応答曲面法が必要なのか?

現実の問題 どうする?
どの温度が一番おいしいカレーを作れる? → 応答曲面法で最適温度を探す
どのスパイス量と煮込み時間の組み合わせが最高? → 応答曲面法でコンビネーション最適化

単なる主効果だけではわからない、
因子間の組み合わせの最適バランスを探し出すために必要です!

3. 応答曲面法の基本ステップ

ステップ 内容
① 初期実験をする 適当に因子水準を設定していくつか実験する
② 応答を数式化する 実験データから回帰式(2次式)を作る
③ 曲面の形を把握する どこが山か谷か、方向を探る
④ 最適条件に向かって移動する 徐々に条件を改善していく

4. 応答曲面法で使う数式イメージ

応答曲面法では、
応答Y(例えば味スコア)を、因子X₁、X₂を使った2次式で表します。

例:

Y=β0+β1X1+β2X2+β11X12+β22X22+β12X1X2

ここで、

  • β0:切片(基準値)

  • β1,β2:各因子の1次効果

  • β11,β22:因子の2次効果(カーブ)

  • β12:因子間の交互作用

この式をもとに、最適なX1,X2の組み合わせを探します!

5. 応答曲面法でよく使う設計法

設計法 内容
中心複合計画(CCD) 実験中心点を持つ設計。広範囲に探れる
Box-Behnken設計 少ない試行で2次式モデルを作れる効率的設計

応答曲面法では、
中心複合計画Box-Behnken設計を使って
効果的にデータを集めるのが一般的です。

(詳細はさらに上級編で扱うので、ここではイメージだけ持っておけばOK!)

まとめ

  • 応答曲面法は、因子と結果の関係を数式化し、最適条件を探す手法

  • 主効果だけでは見えない最適なバランスを見つけ出せる

  • 回帰式(2次式)を使って、曲面を分析する

  • 最適化問題(製品改良、プロセス最適化)で強力な武器!


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次の記事では、
実験計画法まとめ+演習問題(確認編)
に進みます!

ここで一度、これまでの内容を整理して、
実際にQC検定1級で問われるレベルの問題にも対応できるようにします!

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