はじめに
前回の記事で出した3つの確認問題。
ここでは、それぞれの正解となぜその答えになるのか?
をじっくり解説していきます。
QC検定1級では、単なる丸暗記ではなく、
理由まできちんと理解して答えられるかが重要です。
一緒にしっかり確認していきましょう!
問題1の解説
問題1
一元配置実験での分散分析において、
主効果の自由度はいくつになりますか?
-
A) 水準数 − 1
-
B) 試行数 − 1
-
C) 水準数 × 試行数
-
D) 水準数 ÷ 試行数
👉 正解は…
【A】水準数 − 1
理由
一元配置実験では、
-
因子の水準(例えば低・高)が「いくつあるか」
-
それらの違いを検証する
ことが目的です。
自由度とは、「データの独立な数」を意味するので、
水準数 があれば、
自由度は になります。
【例】
水準が3つなら自由度は です!
問題2の解説
問題2
直交配列表(L4直交表)は、何因子・何水準の実験に対応していますか?
-
A) 2因子・3水準
-
B) 3因子・2水準
-
C) 4因子・2水準
-
D) 2因子・2水準
👉 正解は…
【B】3因子・2水準
理由
L4直交表は、
-
各因子が2水準(1と2)
-
因子は3つまで独立に扱える
-
試行回数は4回
という設計です。
【表イメージ】
試行 | 因子A | 因子B | 因子C |
---|---|---|---|
1 | 1 | 1 | 1 |
2 | 1 | 2 | 2 |
3 | 2 | 1 | 2 |
4 | 2 | 2 | 1 |
だから、3因子2水準が正解になります!
問題3の解説
問題3
交互作用の交絡が発生する原因は次のうちどれですか?
-
A) 試行数が少なすぎるから
-
B) 直交配列表の列が完全に独立していないから
-
C) 誤差が大きすぎるから
-
D) 因子水準が同じだから
👉 正解は…
【B】直交配列表の列が完全に独立していないから
理由
交絡とは、
本来区別すべき因子の効果が、直交表の構成上区別できなくなることでした。
直交表では、
-
各列が独立していることが理想
-
でも現実には交互作用が列に重なる(例:列3が列1×列2の交互作用になる)
という設計になっている場合があり、
それが原因で交絡が発生します。
試行数が少ないことや誤差とは直接関係ありません!
まとめ
問題 | 正解 | 理由 |
---|---|---|
問題1 | A) 水準数−1 | 一元配置実験では水準数に基づく自由度 |
問題2 | B) 3因子・2水準 | L4直交表は3因子2水準の設計 |
問題3 | B) 列が独立していないから | 列の交絡が原因で起こる |