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因子と水準とは何か?

はじめに

実験計画法を理解するうえで、絶対に押さえておくべき基本用語が
因子」と「水準」です。

これらをきちんと区別してイメージできるかどうかが、
実験設計の成否を分けると言っても過言ではありません。

この記事では、因子と水準の意味をたくさんの例や図を使って、丁寧に解説していきます。

因子とは?🔍

因子の定義

因子(Factor)とは、結果に影響を与える可能性がある要素のこと。

もっとやさしく言うと、
「これを変えたら結果も変わるかも」という項目です。

因子の具体例

実験テーマ因子の例
カレー作り肉の種類、スパイス量、煮込み時間
飲み物の人気比較砂糖の量、温度、炭酸の強さ
スマホのバッテリー持ち時間使用アプリ数、画面輝度、通信環境

実験では、
この「因子」がどのように結果に影響するかを確かめるのが目的です。

水準とは?🧩

水準の定義

水準(Level)とは、因子の取りうる具体的な設定値や状態のこと。

たとえば、「肉の種類」という因子に対して、

  • 牛肉
  • 鶏肉

という2つの選択肢があるなら、それぞれが「水準」です。

水準の具体例

因子水準の例
肉の種類牛肉、鶏肉、豚肉
スパイスの量少なめ、普通、多め
煮込み時間30分、60分、90分

因子と水準をセットで考える🛠️

実験では「因子」単独では意味がありません。
因子 × 水準の組み合わせで初めて、実際に試す条件が決まります。

たとえば…

因子水準1水準2
肉の種類牛肉鶏肉
スパイスの量少なめ多め

これだけでも
2 × 2 = 4通りの実験条件
が生まれます。

なぜ因子と水準をきちんと整理するのか?🔧

理由内容
実験設計の土台になる因子と水準を整理しないと、何を試すか曖昧になる
効率的な組み合わせを考えられる無駄な実験を減らせる
効果の分析がしやすくなるどの因子が重要か比較できる

もし因子と水準がきちんと整理されていないと、
途中で「あれ、結局何を試してたんだっけ?」となってしまい、
実験の信頼性が大きく下がってしまいます。

たとえ話:オムライス実験🍳

あなたがオムライスの新レシピを開発したいとします。
試したい条件は次の通りです。

因子水準1水準2
卵の種類普通の卵ブランド卵
ケチャップの量少なめ多め
火加減強火中火

これをきちんと整理して表にしておくことで、

  • どの条件でおいしさがアップするか?
  • どの条件の違いはあまり影響がないか?

が一目でわかるようになります。

まとめ📝

因子とは、
結果に影響を与えるかもしれない要素のこと。
水準とは、
その因子ごとの具体的な設定のこと。

実験を始める前に、
この「因子」と「水準」をしっかり整理しておくことが、
効率的で確実な結果につながる第一歩です。


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次の記事では、
「繰返しとは何か?」「なぜ同じ実験を何度もやる必要があるのか?」
について、カレー作りを例にしながらさらに詳しく解説します。

ここを理解すると、実験結果の信頼性を飛躍的に高めることができるようになります!
ぜひ続けて読んでください!

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