はじめに
実験計画法において、「主効果(しゅこうか)」という言葉は非常に重要です。
主効果を理解することで、どの因子が結果にどれだけ影響を与えているのかを、
はっきりと把握できるようになります。
この記事では、「主効果とは何か?」を、カレー作りの例を中心にやさしく解説します。
主効果とは?🎯
主効果の定義
主効果とは、ある因子だけを変えたときに、結果(応答)がどれくらい変化するかを表す効果のこと。
簡単に言えば、
「この条件だけを変えたら、結果にどれくらい影響があるのか」
を見るものです。
カレー作りで考える🍛
たとえば、次の条件でカレーを作るとしましょう。
因子 | 水準1 | 水準2 |
---|---|---|
肉の種類 | 牛肉🐮 | 鶏肉🐔 |
スパイスの量 | 少なめ | 多め |
ここで、
「肉の種類」を牛肉から鶏肉に変えたら、
カレーの「おいしさスコア」が5点下がったとします。
これが「肉の種類」という因子の主効果です。
主効果のイメージ
肉の種類 | 平均おいしさスコア |
---|---|
牛肉 | 85点 |
鶏肉 | 80点 |
このとき、
牛肉と鶏肉の差=5点
➡ この「5点の差」が肉の種類の主効果です!
主効果を見る意味🔍
理由 | 内容 |
---|---|
どの因子が大きな影響を持っているかを特定できる | 重要な因子を見極める |
無駄な因子を省ける | 影響が小さい因子は省略して効率化できる |
最適な条件を設計できる | 影響の大きい因子をうまくコントロールできる |
実験の目的は、「何を変えれば結果がよくなるか」を探ることです。
主効果をきちんと見れば、どの因子を重視すべきかがすぐにわかります。
たとえ話:カレーのレシピ改良🍛
あなたが「最高のカレー」を目指しているとしましょう。
肉の種類、スパイス量、煮込み時間を変えて何度も作った結果、
- 肉の種類を変えると味が大きく変わった(差が10点)
- スパイスの量を変えると、少しだけ味が変わった(差が2点)
- 煮込み時間を変えても、ほとんど変わらなかった(差が0.5点)
という結果になったとします。
この場合、
肉の種類の主効果が一番大きいので、
まず「肉の種類」を重点的に改善するべきだとわかります。
主効果をまとめた表📋
因子 | 主効果(スコアの差) | コメント |
---|---|---|
肉の種類 | 10点差 | 影響大、最優先で検討 |
スパイスの量 | 2点差 | 影響中程度、次点で検討 |
煮込み時間 | 0.5点差 | 影響小、優先度低い |
こうして、どの因子に注目すべきかが一目でわかるようになります。
まとめ📝
主効果とは、
因子ごとに結果へどれだけ影響しているかを数値で表すものです。
主効果を正しく見れば、
- どの条件を優先的に改善すべきか
- どの条件はあまり気にしなくていいか
がはっきりします。
実験計画法において、「主効果を見る力」は、最も重要なスキルのひとつです。
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次の記事では、
「交互作用とは何か?」「なぜ交互作用を見る必要があるのか?」
というテーマを解説します。
ここを理解すると、因子同士の組み合わせ効果まで見抜けるようになり、
より高度な実験設計ができるようになります!