はじめに
これまで「因子」や「主効果」などの基本を学んできました。
ここからはいよいよ、それらを実際にどう組み合わせて実験するか、具体的な方法に入っていきます。
この記事では、実験計画法の基本中の基本、
一元配置実験(いちげんはいちじっけん)について解説します。
一元配置実験とは?🛠️
一元配置実験の定義
一元配置実験とは、1つの因子だけに注目して、結果への影響を調べる実験のこと。
とてもシンプルです。
「この条件だけを変えたら、結果にどんな変化が出るか」を見る実験です。
カレー作りで考える🍛
あなたが「肉の種類だけを変えてカレーのおいしさを調べたい」とします。
因子 | 水準1 | 水準2 |
---|---|---|
肉の種類 | 牛肉 | 鶏肉 |
それ以外の条件(スパイス量、煮込み時間など)はすべて同じにして、
肉の種類だけを変える。
そして、
- 牛肉カレーの味
- 鶏肉カレーの味
を比較します。
これが「一元配置実験」です!
一元配置実験の特徴🔍
特徴 | 内容 |
---|---|
シンプル | 1つの因子だけを変えるので分かりやすい |
効果がはっきり見える | 他の要因の影響を受けにくい |
実験回数が少ない | 比較する水準数だけで済む |
一元配置実験の具体的な手順📋
① 因子を1つ選ぶ
例:「肉の種類」
② 水準を設定する
例:「牛肉」「鶏肉」
③ 他の条件はすべて固定する
例:スパイス量=普通、煮込み時間=60分など
④ 繰返し実験を行う
例:牛肉カレー3回、鶏肉カレー3回作って平均を取る
⑤ 結果を比較する
例:牛肉カレーの平均スコア=85点、鶏肉カレーの平均スコア=80点
➡ 牛肉の方が明らかに高得点 → 肉の種類は結果に影響を与えると判断!
たとえ話:カレー屋さんの新メニュー開発🍛
カレー専門店のシェフが、新しいカレーを作るために考えました。
「まずは肉の種類だけを変えて、どちらが人気が出そうか確かめよう。」
そこで、牛肉カレーと鶏肉カレーを作り、スタッフやお客さんに試食してもらう。
- 牛肉の方が評判が良ければ牛肉カレーを推す
- 鶏肉の方が良ければ鶏肉カレーを推す
このように、最も基本的な実験設計=一元配置実験です!
一元配置実験のメリットと注意点✅
メリット | 注意点 |
---|---|
分析が簡単で効果が見えやすい | 他の因子の影響を見逃す可能性がある |
実験設計がシンプル | 実際の現場では因子が1つだけ動くとは限らない |
つまり、
「まずは一元配置でシンプルに効果を探る」
→ 「その後、多因子実験(次のステップ)でさらに深掘りする」
という流れがとても効果的です。
まとめ📝
一元配置実験とは、
1つの因子だけを変えて、その効果を見るためのシンプルな実験方法です。
- 効果がはっきり見える
- 実験回数が少なくて済む
- 初心者にも設計・分析しやすい
実験計画法を学ぶ第一歩として、絶対にマスターしておきたい基本形です!
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次の記事では、
「二元配置実験とは何か?複数の因子を組み合わせて効果を見る方法」
について詳しく解説していきます。
ここを理解すると、複雑な現場の問題もスムーズに設計できるようになります!
ぜひ続けて読んでください!