- 達成度評価って、具体的に何をすればいいの?
- 目標未達成のとき、どう反省すればいいかわからない
- 反省会議がただの「報告会」で終わってしまう
- 今年の反省を来年にどう活かせばいいの?
- 達成度評価の具体的な方法を「的当て」のイメージで理解
- 成功・失敗それぞれの要因分析のやり方
- 意味のある反省会議の進め方
- 反省を次年度方針に反映する仕組み
「年度末になって、目標を達成できたかどうか確認するだけ…」
これでは方針管理の意味がありません。大切なのは、結果を「なぜそうなったか」まで深掘りし、その教訓を次年度に活かすことです。
この記事では、方針管理のPDCAサイクルにおける「C(Check)」と「A(Act)」を徹底解説します。
目次
達成度評価とは?|的当てのイメージで理解する
達成度評価の基本
達成度評価とは、年度初めに立てた目標に対して、実績がどの程度だったかを測定・判定することです。
イメージは「的当て」です。的の中心(目標)を狙って矢を放ち、どこに当たったかを確認します。
的の中心(ど真ん中) = 目標達成
的の内側(惜しい) = 一部達成・ほぼ達成
的の外側(外れ) = 未達成
矢の軌道を分析 = なぜその結果になったかを考える
単に「当たった・外れた」で終わらせず、「なぜその結果になったか」を分析することが達成度評価の本質です。
達成度の判定基準
達成度は通常、以下のような基準で判定します。
| 判定 | 達成率 | 意味 | 次のアクション |
|---|---|---|---|
| ◎ 達成 | 100%以上 | 目標を完全に達成 | 成功要因を横展開 |
| ○ ほぼ達成 | 80〜99% | あと一歩で達成 | 残り20%の原因を分析 |
| △ 一部達成 | 50〜79% | 半分程度は達成 | 方策の有効性を再検討 |
| × 未達成 | 50%未満 | 目標に遠く及ばず | 目標・方策を根本的に見直し |
達成・未達成の判定は、必ず数値で行うこと。「だいたいできた」「頑張った」という主観的な評価はNG。

要因分析|成功と失敗、それぞれの「なぜ」を探る
成功要因分析|なぜうまくいったのか?
目標を達成できた場合、「なぜうまくいったのか」を分析します。これを成功要因分析と呼びます。
「達成できたからOK」で終わらせると、同じ成功を再現できません。成功の理由を明らかにして、他の部門や来年に活かすことが大切です。
- どの方策が特に効果的だったか?
- 想定外にうまくいったことは何か?
- チームの何が良かったか?(体制・コミュニケーションなど)
- 外部環境で追い風になった要因は?
- この成功を他部門でも再現できるか?
失敗要因分析|なぜうまくいかなかったのか?
目標を達成できなかった場合、「なぜうまくいかなかったのか」を分析します。これを失敗要因分析と呼びます。
ここで重要なのは、「人を責めない」ことです。「誰のせいか」ではなく「何が原因か」を探ります。
- 目標設定に無理はなかったか?
- 方策は適切だったか?他に良い方法はなかったか?
- リソース(人・モノ・金・時間)は十分だったか?
- 途中で問題に気づけたか?気づいた時に対処したか?
- 外部環境で逆風になった要因は?
「なぜ」を5回繰り返す
要因分析では、「なぜ」を5回繰り返す手法が効果的です。表面的な原因ではなく、根本原因(真因)にたどり着けます。
問題:不良率が目標1%に対して2%だった
なぜ①:検査で見逃しが多かった
なぜ②:検査員の判定基準がバラバラだった
なぜ③:検査マニュアルが曖昧だった
なぜ④:マニュアルを改訂する時間がなかった
なぜ⑤:マニュアル改訂の担当者が決まっていなかった
→ 真因:責任者の不在(組織的な問題)
このように深掘りすることで、「検査を頑張る」という対症療法ではなく、「責任者を決めてマニュアルを整備する」という根本的な対策が見えてきます。

反省会議の進め方|ただの報告会で終わらせない
反省会議の目的
反省会議は、達成度評価と要因分析の結果を共有し、組織として教訓を引き出す場です。
よくある失敗は、「結果を報告するだけ」で終わること。これでは会議の意味がありません。
・各部門が結果を読み上げるだけ
・「来年は頑張ります」で終わる
・犯人探しになって雰囲気が悪くなる
・議事録が残らず、教訓が共有されない
反省会議の4ステップ
効果的な反省会議は、以下の4ステップで進めます。
| ステップ | 内容 | 所要時間(目安) |
|---|---|---|
| ①結果報告 | 目標と実績を数値で報告。達成度を判定 | 15分 |
| ②要因分析 | 成功・失敗の要因を「なぜなぜ」で深掘り | 30分 |
| ③教訓抽出 | 「次に活かすべきこと」を具体的に言語化 | 20分 |
| ④次年度への提言 | 来年の方針・方策に反映すべき事項を整理 | 15分 |
反省会議を成功させるコツ
- 事前準備:結果と要因分析を事前に配布し、会議では議論に集中
- ファシリテーター:司会役を決め、議論が脱線しないようにする
- 心理的安全性:「人を責めない」ルールを最初に確認
- 具体的な言語化:「頑張る」ではなく「何を・いつまでに」を明確に
- 議事録の共有:教訓を文書化し、関係者全員に共有

次年度への反映|反省を「絵に描いた餅」で終わらせない
反省を次年度方針に反映する仕組み
せっかくの反省も、次年度に活かされなければ意味がありません。反省→次年度方針への反映を仕組み化することが重要です。
①反省会議(2〜3月):教訓と次年度への提言をまとめる
②経営層への報告:反省結果をトップに報告
③次年度方針の策定:反省を踏まえて目標・方策を設定
④方針発表(4月):新しい方針を全社に展開
反映すべき4つの項目
今年度の反省から、次年度に反映すべき項目は以下の4つです。
| 項目 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 目標の見直し | 高すぎた・低すぎた目標を修正 | 不良率1%→0.8%に上方修正 |
| 方策の改善 | 効果がなかった方策を変更・追加 | 教育だけでなく設備投資も追加 |
| 資源の再配分 | 人・モノ・金の配分を見直し | 品質管理部門に2名増員 |
| 管理項目の見直し | 進捗を測る指標を追加・変更 | 要因系の管理項目を追加 |
継続的改善のスパイラルアップ
方針管理のPDCAは、1年で終わりではありません。毎年の反省を次年度に反映することで、螺旋階段のように少しずつ上昇していきます。
1年目:不良率2% → 目標1.5%達成
↓ 反省:検査強化は有効だった。次は予防に注力
2年目:不良率1.5% → 目標1.0%達成
↓ 反省:予防活動が定着。次は設備の老朽化対策
3年目:不良率1.0% → 目標0.8%達成
↓ 反省:設備更新で安定。次は…
このように、「反省→改善→反省→改善…」のサイクルを回し続けることで、組織は着実に成長していくのです。

まとめ|達成度評価と反省を成功させる3つのポイント
この記事の要点
- 数値で評価する:達成度は主観ではなく、目標値と実績値の比較で判定
- 「なぜ」を深掘りする:成功も失敗も「なぜなぜ分析」で真因を探る
- 教訓を文書化して反映する:反省会議の結果を次年度方針に確実につなげる
達成度評価と反省のチェックリスト
年度末の振り返りで使えるチェックリストです。
| No. | チェック項目 | 確認 |
|---|---|---|
| 1 | 目標と実績を数値で比較したか? | □ |
| 2 | 達成度の判定基準は明確か? | □ |
| 3 | 成功要因を分析したか? | □ |
| 4 | 失敗要因を「なぜなぜ」で深掘りしたか? | □ |
| 5 | 反省会議で教訓を言語化したか? | □ |
| 6 | 議事録を作成・共有したか? | □ |
| 7 | 次年度方針に反省を反映したか? | □ |
方針管理の成否は、この「達成度評価と反省」にかかっています。ここを丁寧に行うことで、PDCAサイクルが「回りっぱなし」ではなく「上昇するスパイラル」になるのです。
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