回帰分析

【超入門】回帰分析とは?「未来を予測する」仕組みを小学生でもわかるように解説

こんにちは、シラスです。

「AI」や「データ分析」という言葉が飛び交う現代。
その中で最も基本にして最強のツール、それが「回帰分析(かいきぶんせき)」です。

名前は難しそうですが、やっていることはシンプルです。
一言で言えば、「過去のデータから、未来を予言する魔法の数式を作ること」です。

今日は、難しい数式は一切使いません。
「おでん屋さんの店長」になったつもりで、回帰分析のイメージを掴んでいきましょう。

1. 勘と経験 vs データ分析

あなたは、おでん屋の店長です。
明日の仕込み量を決めるために、「明日はどれくらい売れるかな?」と悩んでいます。

👩‍🍳 パターンA:ベテラン店長の「勘」

「明日は寒そうだし、なんとなく200個くらい売れる気がするな…。
長年の勘だよ!」

👨‍💻 パターンB:回帰分析

「過去のデータを見ると、気温が1℃下がると売上が10個増える傾向がある。
明日は今日より3℃下がるから、売上は30個増えるはずだ!」

パターンAの「勘」は、当たるかもしれませんが、他の人には真似できません。
パターンBのように、「気温」という手がかりを使って、「売上」を計算で導き出すこと。 これが回帰分析です。

2. 回帰分析の仕組み:線を引くこと

では、どうやって計算しているのでしょうか?
実は、小学生の頃にやった「グラフに直線を引く」作業と同じなんです。

📉 散布図に線を引く

横軸に「気温」、縦軸に「おでんの売上」をとって、過去のデータを点(プロット)で打ちます。
すると、右下がりのバラバラした点が見えてきます。

この点の真ん中をズバッと通る「代表的な直線」を一本引く。
これが回帰分析の正体です。

この線さえ引けてしまえば、あとは簡単です。
「明日の気温は5℃か…じゃあ、この線でいうと売上は何個かな?」と、線をたどるだけで未来が予測できるのです。

3. 専門用語:「説明」と「目的」

ここで、2つだけ専門用語を覚えてください。
この用語が分かると、これからの学習が劇的に楽になります。

  • 説明変数($x$): 原因となるデータ。
    例:気温、広告費、勉強時間
  • 目的変数($y$): 知りたい結果のデータ。
    例:おでんの売上、来客数、テストの点数

「説明変数(気温)を使って、目的変数(売上)を説明する」
という親子関係をイメージしてください。

気温 ($x$) → 影響を与える → 売上 ($y$)

まとめ

回帰分析とは、データから法則(線)を見つけ出し、数式化すること。
✅ その数式を使えば、未来の予測(シミュレーション)ができる。
✅ 原因を「説明変数」、結果を「目的変数」と呼ぶ。

「経験と勘」だけに頼るビジネスや研究は、もう終わりです。
回帰分析を使えば、誰でも根拠のある予測ができるようになります。

しかし、ここで一つ疑問が浮かびます。
「関係があること(相関)」と「予測できること(回帰)」って、何が違うの?

次回は、よく混同される「相関と回帰の決定的な違い」について解説します。
これを知らないと、思わぬ落とし穴にハマることになります。

📚 回帰分析を「武器」にする3冊

数式アレルギーだった私でも読破できた、厳選の良書です。

まずはここから

『マンガでわかる統計学 回帰分析編』(高橋信)

「回帰分析って、結局なに?」
そんな疑問を、マンガのストーリーで直感的に解決してくれる一冊です。
喫茶店の売上予測という身近なテーマを通じて、「単回帰」から「重回帰」「ロジスティック回帰」まで、驚くほどスムーズに理解できます。
数式を見るだけで拒否反応が出るなら、迷わずここから始めてください。

理論のバイブル

『完全独習 統計学入門』(小島寛之)

このブログでも何度も紹介している名著ですが、実は「回帰分析」の章が秀逸なんです。
「なぜ最小二乗法で線を引くのか?」「t検定と回帰分析はどう繋がっているのか?」
そんな本質的な問いに、中学数学レベルの言葉で答えてくれます。
計算手順だけでなく「意味」を理解したいエンジニアの必読書です。

Excelで即実践

『Excelで学ぶ回帰分析入門』(上田太一郎)

理論は分かった。でも「明日までにデータ分析して」と言われたらどうする?
この本は、Excelの「分析ツール」を使った具体的な操作手順と、出力結果の読み方を手取り足取り教えてくれます。
「ダミー変数」や「マルチコ」といった実務でつまずくポイントも網羅されており、デスクに一冊あると安心できる実用書です。

タグ

-回帰分析