😓「うちの会社、部門間の連携が悪くて…」
😓「品質は品質部だけの仕事でしょ?と思われている」
😓「QC検定で『機能別管理』って出てきたけど、部門別管理と何が違うの?」
こんなモヤモヤ、抱えていませんか?
実は、「品質は品質部の仕事」と思っている会社ほど、品質問題が起きやすいんです。
💡 結論ファースト
機能別管理とは、「品質」「コスト」「納期」といった経営機能ごとに、部門の壁を越えて全社的に管理する仕組みです。部門別管理(縦割り)の弱点を補い、組織全体で最適化を図ります。
📚 この記事でわかること
- 機能別管理と部門別管理の違い
- マトリックス管理の仕組みとメリット・デメリット
- CFT(クロスファンクショナルチーム)の役割と運用
- 機能別委員会の設置と権限分掌
- 責任と権限を明確にする方法
📌 前提知識:この記事はQC検定1級の「品質経営の要素」に関連します。基礎を確認したい方は以下もどうぞ。
→ 品質管理の基本概念

目次
🏢 機能別管理とは?
機能別管理(Functional Management)とは、企業の経営機能である「品質(Quality)」「コスト(Cost)」「納期(Delivery)」などを、部門横断的に管理・最適化する仕組みです。
🆚 部門別管理との違い
多くの会社は「部門別管理(縦割り管理)」を採用しています。設計部、製造部、品質部…それぞれが独立して仕事をするスタイルです。しかし、これには落とし穴があります。
| 項目 | 部門別管理(縦割り) | 機能別管理(横串) |
|---|---|---|
| 管理の軸 | 組織(部門)単位 | 機能(Q・C・D)単位 |
| 指揮系統 | 部門長のみ | 部門長 + 機能責任者 |
| 最適化の範囲 | 部門内の部分最適 | 全社的な全体最適 |
| 弱点 | 部門間の壁、責任の押し付け合い | 指揮系統が複雑になりやすい |
☕ イメージで理解
部門別管理は「縦に仕切られたサイロ(穀物倉庫)」。サイロ同士は壁で隔てられていて、中身が見えません。
機能別管理は「横串を刺したバーベキュー」。品質という串、コストという串、納期という串が、すべての部門を貫いています。
🎯 なぜ機能別管理が必要なのか?
品質問題の多くは「部門間の隙間」で起きます。たとえば…
- 設計は「製造が悪い」と言い、製造は「設計が悪い」と言う
- 品質部が問題を指摘しても、他部門が「うちの責任じゃない」と動かない
- コストを下げたら品質が落ち、品質を上げたら納期が遅れる
こうした「部分最適の総和 ≠ 全体最適」という問題を解決するのが、機能別管理の目的です。

📊 マトリックス管理の仕組み
機能別管理を組織として実現する形態が「マトリックス管理」です。部門という「縦軸」と、機能という「横軸」の2つの指揮系統を持つ組織構造です。
📐 マトリックス組織の構造
| 開発部 | 製造部 | 営業部 | |
|---|---|---|---|
| 品質機能 | 設計品質 | 製造品質 | 顧客対応品質 |
| コスト機能 | 開発コスト | 製造原価 | 販売コスト |
| 納期機能 | 開発リードタイム | 生産リードタイム | 納入リードタイム |
⬇️ 縦軸 = 部門長の管理 | ➡️ 横軸 = 機能責任者の管理
✅ マトリックス管理のメリット・デメリット
👍 メリット
- 部門間の連携が強化される
- 全社視点での最適化が可能
- 専門性と協調性を両立できる
- 環境変化への対応力が高まる
👎 デメリット
- 指揮系統が複雑(2人の上司)
- 責任の所在が曖昧になりやすい
- 調整コストが増大する
- 権限バランスの設計が難しい
⚠️ 実務上の注意
マトリックス管理を成功させるカギは「機能責任者と部門長の権限バランス」です。どちらかが強すぎると、結局は縦割りか横割りの一方に偏ってしまいます。

👥 CFT(クロスファンクショナルチーム)とは
CFT(Cross-Functional Team)は、特定の課題やプロジェクトを解決するために、複数の部門からメンバーを集めた部門横断型チームです。
🎯 CFTの特徴と活用場面
CFTはこんなときに編成します:
- 新製品開発プロジェクト
- 重大な品質問題の原因究明と対策
- コストダウン活動
- 業務プロセス改革(BPR)
- ISO認証取得や更新対応
| 項目 | CFT | 機能別委員会 |
|---|---|---|
| 性質 | プロジェクト型(時限的) | 常設型(恒久的) |
| 目的 | 特定課題の解決 | 機能の維持・改善 |
| メンバー | 課題に応じて選抜 | 各部門の代表者 |
| 例 | 新製品開発チーム | 品質委員会、原価委員会 |
🏛️ 機能別委員会の設置と役割
機能別委員会は、品質・コスト・納期といった経営機能を、組織として継続的に管理・改善するための常設の横断組織です。
📋 代表的な機能別委員会
🔍 品質委員会
- 品質方針の策定
- 品質目標の設定と進捗管理
- 重大クレームの審議
💰 原価委員会
- 原価低減目標の設定
- VA/VE活動の推進
- 原価改善の進捗確認
📦 納期委員会
- 生産計画の調整
- リードタイム短縮活動
- 在庫適正化の推進

⚖️ 責任と権限の明確化
機能別管理を機能させるために最も重要なことは、「誰が」「何に対して」「どこまでの権限を持つか」を明確にすることです。
📝 責任と権限の定義
| 用語 | 定義 | 例 |
|---|---|---|
| 責任 (Responsibility) | 与えられた役割を果たす義務 | 品質目標の達成 |
| 権限 (Authority) | 意思決定や指示を行う権利 | 出荷停止の判断 |
| 説明責任 (Accountability) | 結果に対して説明する義務 | 経営層への報告 |
🚨 よくある失敗パターン
「責任はあるけど権限がない」という状態が最も危険です。品質管理責任者が問題を見つけても、出荷を止める権限がなければ、不良品が市場に出てしまいます。
責任と権限は必ずセットで与える──これが鉄則です。
📊 責任権限マトリックス(RACI)
責任と権限を可視化する代表的なツールがRACIマトリックスです。
- R(Responsible):実行責任者(実際に作業する人)
- A(Accountable):説明責任者(最終承認者)
- C(Consulted):相談される人(専門家)
- I(Informed):報告を受ける人
📌 まとめ
- 機能別管理:品質・コスト・納期を部門横断で管理する仕組み
- マトリックス管理:部門(縦)×機能(横)の2軸で組織を運営
- CFT:特定課題を解決するための時限的な横断チーム
- 機能別委員会:経営機能を継続的に管理する常設組織
- 責任と権限:必ずセットで与える。RACIで可視化
💡 QC検定1級のポイント
機能別管理は「方針管理」「日常管理」と並ぶTQMの3本柱の一つです。部門別管理との違い、マトリックス組織の特徴、CFTと機能別委員会の使い分けを押さえておきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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