「試験、思ったより時間足りなかった…」
これはCBT(Computer Based Testing)形式で電験三種を受けた人から本当によく聞く声です。問題の難しさ以前に、「時間配分を間違えた」「見直す余裕がなかった」など、タイムマネジメントに失敗してしまうケースが多いのが現実です。
そこで今回は、CBT本番で時間を制し、実力を最大限に発揮するための戦略を、試験直前から当日まで徹底的に紹介します。
目次
1. CBT形式ならではの「時間の罠」とは?
まずは敵を知るところから。
CBT試験には、筆記試験にはない独特の「時間との戦い方」があります。
- 常に画面右上にタイマーが表示され、時間の残りがリアルタイムで減っていく
- マウスの操作や問題の切り替えに無意識のうちに数秒〜十数秒が消える
- 問題によって文章量や計算の重みが違い、ペース配分が崩れやすい
つまり、“自分の頭の中にある時間感覚”と、“画面上での時間の進み方”がズレやすいのです。
2. 試験前2週間から始める「逆算スケジュール」
CBTは、ぶっつけ本番でうまくいくような試験ではありません。事前のリハーサルと準備で時間の不安を潰すことがカギになります。
試験14日前〜7日前
- 過去問を「90分」「65分」の制限時間で解く練習を始めましょう。
- マウス操作、画面スクロール、回答のチェックなど、**“本番を想定した動き”**を意識します。
試験6日前〜3日前
- 問題の選別力を養うフェーズ。
- 「即答できる問題」→「ちょっと考える問題」→「手が止まる問題」の分類を練習。
試験前日
- 本番と同じ時間に一度、模擬演習をしましょう。
- 起床〜会場到着〜試験スタートの流れを頭でシミュレーションしておくと、緊張が和らぎます。
3. 本番で使える「3巡戦略」
特に90分科目(理論・電力・機械)で有効なのが、問題を3周で解くという考え方です。
【第1巡(0〜30分)】
即答できる「A問題」だけを優先的に解いていきます。
→ 解けそうにない問題はスルーして次へ。
【第2巡(30〜60分)】
少し考えれば解けそうな問題や、軽めの計算問題に着手。
【第3巡(60〜90分)】
残った問題を順に処理し、マークミスの見直しと未回答の確認。
このやり方を徹底すれば、「終わらないままタイムアップ」という最悪のケースは避けられます。
4. 科目を一日で複数受けるときの注意点
CBTでは、自分で受験スケジュールを組めるため、1日で2科目受ける人も多いはずです。
その際に重要なのが、科目間の“インターバル設計”です。
最低でも60分は空けよう
あまりに詰めて受験すると、集中力が持ちません。
できれば「昼食を挟んで午後の科目に挑む」ぐらいの余裕がベスト。
インターバル中のNG行動
- スマホをダラダラ見る
- 重たい食事で血糖値スパイク
- 試験内容を思い返して自己嫌悪
かわりにやっておきたいことは、深呼吸 → ストレッチ → 問題の要点を一枚紙で見返す。
これだけで、次の科目への集中力がガラッと変わります。
5. 当日の持ち物&動き方を決めておく
試験当日は、とにかく“脳を使う以外の判断”を最小限にするのがポイントです。
- 前日に計算用紙のテンプレートを2枚準備しておく(例:問番号表・メモ欄付き)
- 試験会場には最低60分前に到着
- カフェインは試験45分前に摂取すると集中力がピークに
- トイレは30分前までに必ず行っておく
そして何より大事なのは、「試験が始まる前にやることをすべて決めておく」こと。
決まった行動があると、本番でも不安が減り、頭がクリアになります。
6. よくある失敗パターンとその対策
失敗パターン | 対策ポイント |
---|---|
最後の問題で時間切れ | 60分の時点で残り時間を必ず確認する習慣を持つ |
B問題に粘りすぎて他が終わらない | 「1問5分ルール」で見切るタイミングを決める |
見直しの時間がゼロ | 3巡目に必ず5分のマークチェックタイムを確保 |
マウスのスクロールで行き過ぎ | スクロール量は「3ホイール固定」で体に覚えさせる |
まとめ:時間は“コントロールするもの”
CBT試験は、「知識」と「時間操作力」のダブルスキルが求められます。
つまり、「時間を味方につけた人」が勝ちます。
・3巡戦略で問題を取捨選択し、
・前日からの流れをルーチン化し、
・本番で“考えなくていいこと”を減らす
この3つの戦略を実践するだけで、あなたの得点は確実に5〜10点伸びます。
ぜひ今日から、時計ではなく「あなたの試験ルール」を作りはじめてください。