こんにちは、シラスです。
「電験三種(電気主任技術者)って、名前は聞くけど、実際どんな資格なの?」
「理系じゃないと無理? 本当に食いっぱぐれないの?」
この記事にたどり着いたあなたは、将来のために何か武器を持ちたいと考えているのかもしれません。
正直に告白しますが、私はこの資格を取るのに「6年」かかりました。
決して要領の良いタイプではありません。だからこそ、これから始める人には「もっと早くこれを知っておきたかった!」という情報がたくさんあります。
この記事では、電験三種のリアルな難易度、仕事内容、そして人生を変えるほどのメリットについて、経験者の視点から丁寧に解説します。
最初の一歩を踏み出すための「地図」として使ってください。
目次
1. 電験三種とは?:社会インフラを守る「最強のパスポート」
正式名称は「第三種電気主任技術者試験」。
電気事業法という法律に基づいた、歴史ある国家資格です。
【独占業務】
一定規模以上の建物には、法律で「必ず有資格者を置かなければならない」と義務付けられています。
つまり、建物が存在する限り、この仕事はなくなりません。
電験には第一種から第三種まであり、三種はその入り口となる資格。
入り口といっても、世の中のビルの大半(中小規模)は三種でカバーできるため、「業界の登竜門」にして「最強の実務資格」と呼ばれています。
2. どんな仕事で必要とされる?
「電気」を使わない産業はありません。
そのため、活躍のフィールドは驚くほど広いです。
商業施設、オフィスビル、ホテルなどの電気を守る。
生産ライン、浄水場、鉄道などの動力を守る。
太陽光発電所、風力発電などの発電設備を守る。
実際の業務イメージ
「キュービクル」と呼ばれる受電設備の点検、月次・年次の測定業務、そして万が一の停電トラブル対応など。
派手さはありませんが、「裏側から社会の安全を守るプロフェッショナル」としての誇りが持てる仕事です。
3. 難易度と合格率:ぶっちゃけ難しいの?
ここが一番気になるところだと思います。
- 合格率: おおよそ 10%前後(科目合格を含むと変動あり)
- 必要な勉強時間: 初学者は 1,000時間 と言われます。
数字だけ見ると「超難関」に見えますが、これにはカラクリがあります。
電験三種には4つの科目があります。
- 理論: 電気の基礎計算
- 電力: 発電所や送電の知識
- 機械: モーターや変圧器の仕組み
- 法規: 電気に関する法律
これらを一度に全て合格する必要はありません。
「合格した科目は3年間有効(持ち越しOK)」という制度があります。
つまり、「1年目は『理論』と『電力』だけ」「2年目は残りを集中」というふうに、分割ローンで攻略できるのです。
私はこの制度をフル活用し、泥臭く何年もかけて合格をもぎ取りました。
「文系でも大丈夫?」
はい。高校数学(三角関数・ベクトル・複素数)の基礎さえやり直せば、文系出身者でも十分に合格可能です。
4. 試験制度:スマホ世代に優しい「CBT方式」
昔は「年1回の一発勝負」でしたが、今は制度が劇的に緩和されています。
2023年度から導入されたCBT(Computer Based Testing)方式が革命的です。
| 項目 | 従来の「筆記方式」 | 今どきの「CBT方式」 |
|---|---|---|
| 受験場所 | 指定された会場 (遠いことが多い) |
全国200ヶ所以上の テストセンター |
| 日程 | 年2回(決まった日) | 期間内なら 好きな日時を選べる |
忙しい社会人でも、「仕事帰りに1科目だけ受ける」といった柔軟な受験が可能になりました。
今は、かつてないほど「受かりやすい時代」なのです。
5. 電験三種を取得するメリット
なぜ、1000時間もかけてこの資格を取るのか。
それは、かけた時間以上のリターン(防御力)があるからです。
未経験・中高年でも「資格必須」の求人に応募できる。
資格手当(月1〜3万円)や、技術職としての基本給アップ。
実務経験を積めば、70代になっても独立して稼げる。
特に「会社に依存しなくて済む(嫌なら辞めても次がある)」という精神的な安定感は、何物にも代えがたいメリットです。
6. よくあるQ&A
最初は「選任」されず、ベテランの下で補助業務からスタートする求人が多いです。資格さえあれば、ポテンシャル採用の扉が開きます。
むしろ受験者の大半は社会人です。「朝の1時間」「通勤電車」など、スキマ時間をかき集めるタイムマネジメントが勝負です。
まとめ:まずは「調べること」から
電験三種は、決して天才だけの資格ではありません。
私のように6年かかっても、諦めずにしがみつけば、必ず手の届く資格です。
そして手に入れた瞬間、あなたの人生には「強力なセーフティネット」が張られます。
「将来を見据えて動き出したい」
そう思った今日が、一番若い日です。
まずは書店の資格コーナーで、参考書をパラパラとめくってみることから始めてみませんか?