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「電力」と「電力量」、何が違うの?
「電力と電力量って、名前が似すぎててわけわかんない...😭」って思っていませんか?
実は私も最初、この2つを混同して試験で5点落としました。でも、ある例え話を知ってから、一瞬で理解できるようになったんです!
それは、車のスピードメーターとオドメーターの違いです🚗
🚗 車で例えるとスッキリわかる!
- 電力(P) = スピードメーター(今この瞬間、時速100km!)
- 電力量(W) = オドメーター(合計500km走ったよ!)
スピードは「今」の速さ、走行距離は「積み重ねた」距離。電力と電力量も全く同じです!
この記事では、身近な例え話をたくさん使って、中学生でもわかるように「電力」と「電力量」の違いを解説します。さらに、電験三種の試験で頻出のP=VI、P=I²R、P=V²/Rという3つの公式と、電気料金の計算方法まで完全マスターできます!
電力(P)とは?|「今この瞬間」の仕事の速さ
電力は「スピードメーター」と同じ!
電力(P)というのは、「今この瞬間、どれだけ速く仕事をしているか」を表す値です。
車で例えると、スピードメーターが「今、時速100km出てる!」と表示しているのと同じです。過去に何km走ったかは関係なく、今この瞬間の速さだけを示しています。
電力も同じで、「今、この電化製品はどれだけ速く電気を使っているか」を表します。時間は関係ありません。
身近な例で電力を理解しよう
電力は、日常生活のこんなシーンに例えられます。
💡 電力を身近なもので例えると...
- 蛇口の勢い:蛇口を全開にすると水が勢いよく出る → これが「電力が大きい」状態💧
- 電球の明るさ:60Wの電球より100Wの電球の方が明るい → Wが大きいほど電力が大きい💡
- ストーブの暖かさ:1000Wのストーブはすぐ暖まる → 電力が大きいと「速く」仕事する🔥
- モーターの回転速度:電力が大きいモーターは速く回る⚙️
どの例も、「今この瞬間」の勢い・速さを表していますよね。これが電力のイメージです!
電力の公式:P=VI(基本形)
電力の最も基本的な公式はP=VIです。
📐 電力の基本公式
P = V × I
電力[W] = 電圧[V] × 電流[A]
これを「押す力」と「流れる量」で考えてみましょう。
- V(電圧):水を押す力(ポンプの強さ)
- I(電流):流れる水の量(ホースの太さ)
- P(電力):押す力×流れる量 = 仕事の速さ
ポンプが強くて(V大)、たくさん水が流れる(I大)なら、仕事は速く進みます(P大)。これがP=VIの意味です!
電力の単位:ワット(W)
電力の単位はワット(W)です。家電製品には必ず「○○W」と書かれていますよね。
🏠 家電製品の電力の例
- LED電球:10W(小さな電力)
- 扇風機:50W
- ノートパソコン:60W
- 掃除機:1000W
- 電子レンジ:1500W
- エアコン:2000W(大きな電力)
Wの数字が大きいほど、「今この瞬間」たくさんの電気を使っているということです!

電力量(W)とは?|「積み重ねた」仕事の総量
電力量は「オドメーター」と同じ!
電力量(W)というのは、「トータルで、どれだけの仕事をしたか」を表す値です。
車で例えると、オドメーター(積算距離計)が「合計500km走ったよ!」と表示しているのと同じです。今の速さは関係なく、これまでに積み重ねた距離の合計を示しています。
電力量も同じで、「この電化製品は、トータルでどれだけ電気を使ったか」を表します。時間が必ず関係します。
身近な例で電力量を理解しよう
電力量は、こんな「貯まる・積み重なる」イメージです。
💰 電力量を身近なもので例えると...
- 貯金通帳の残高:毎月1万円ずつ貯めて、1年で12万円! → これが「積み重ね」のイメージ💰
- お風呂に貯まる水の量:蛇口から水を10分間出すと、浴槽に200リットル貯まる🛁
- スマホのバッテリー充電量:1時間充電すると50%貯まる🔋
- 家の電気メーター:くるくる回って「今月300kWh使った」と表示される⚡
どの例も、「時間をかけて積み重ねた量」を表していますよね。これが電力量のイメージです!
電力量の公式:W=Pt
電力量の公式はW=Ptです。とってもシンプル!
📐 電力量の公式
W = P × t
電力量[Wh] = 電力[W] × 時間[h]
これを車の例で考えてみましょう。
- P(電力):スピード(今、時速100km!)
- t(時間):走った時間(5時間走った)
- W(電力量):走った距離(100km/h × 5h = 500km)
時速100kmで5時間走れば、トータル500km進みます。これがW=Ptの意味です!
電力量の単位:ワット時(Wh)、キロワット時(kWh)
電力量の単位はワット時(Wh)やキロワット時(kWh)です。
「ワット"時"」という名前に「時間」が入っているのがポイント!電力量には必ず時間が関係するからです。
🔋 電力量の例
- スマホのバッテリー:15Wh(小さい)
- ノートPCのバッテリー:50Wh
- 一般家庭の1日の使用量:10kWh
- 電気自動車のバッテリー満充電:60kWh(大きい)
1kWh = 1000Whです。「k(キロ)」は1000倍という意味です。
計算例:100Wの電球を5時間点灯すると?
実際に計算してみましょう!
💡 計算手順
W = P × t
W = 100W × 5h
W = 500Wh = 0.5kWh
100Wの電球を5時間つけっぱなしにすると、0.5kWhの電力量を消費することになります。
ちなみに、電気料金は1kWhあたり約27円なので、この場合は0.5kWh × 27円 = 約13.5円の電気代がかかります💰

電力と電力量の違いを完全整理!
一目でわかる比較表
ここまでの内容を、わかりやすく表にまとめてみましょう!
| 項目 | 電力(P) | 電力量(W) |
|---|---|---|
| 意味 | 今この瞬間の仕事の速さ | 積み重ねた仕事の総量 |
| 車で例えると | スピードメーター (時速100km!) |
オドメーター (合計500km走った!) |
| 公式 | P = V × I | W = P × t |
| 単位 | W(ワット) | Wh(ワット時) kWh(キロワット時) |
| 時間との関係 | 時間は関係ない | 時間が必要 |
| 電気料金 | 関係ない | これで決まる! (○円/kWh) |
⚠️ ここが重要!
電気料金は電力量(kWh)で決まります!電力(W)がいくら大きくても、使う時間が短ければ電気代は安くなります。逆に、電力が小さくても、長時間使えば電気代は高くなります。
「W」が2つあって紛らわしい問題
ここで混乱しやすいのが、電力も電力量も「W」という記号を使うことです😵
- 電力:P[W] ワット
- 電力量:W[Wh] ワット時
単位を見れば区別できます。「時(h)」がついているかどうかがポイントです!

電力の3つの公式を完全マスター!
なぜ3つも公式があるの?
電験三種の試験では、電力を求める公式が3つ出てきます。
📐 電力の3つの公式
- ① P = V × I (電圧と電流がわかる時)
- ② P = I² × R (電流と抵抗がわかる時)
- ③ P = V² / R (電圧と抵抗がわかる時)
「なんで3つもあるの?😭」って思いますよね。実は、全部同じことを言っているだけなんです!
オームの法則(V=IR)を使って、基本形のP=VIを変形すると、②と③の公式が出てきます。
公式の使い分け:問題文を見て判断!
試験問題では、与えられている数値によって使う公式を選ぶだけです。
🎯 公式の選び方フローチャート
- VとIがわかる? → P = V × I を使う!
- IとRがわかる? → P = I² × R を使う!
- VとRがわかる? → P = V² / R を使う!
実際に計算してみよう!
同じ回路を3つの公式で計算してみます。答えは全部同じになりますよ!
📝 例題:V=100V、I=2A、R=50Ωの回路の電力は?
① P = V × I で計算
P = 100V × 2A = 200W
② P = I² × R で計算
P = (2A)² × 50Ω = 4 × 50 = 200W
③ P = V² / R で計算
P = (100V)² / 50Ω = 10000 / 50 = 200W
どの公式を使っても200Wで同じ!
これで、どの公式も同じことを表しているのがわかりましたね!
電気料金の計算をマスターしよう!
電気料金は「電力量」で決まる!
毎月届く電気料金の明細書には、必ず「○○kWh」という数字が書かれています。これが電力量です。
電気料金は、電力量(kWh) × 1kWhあたりの料金単価で計算されます。
💰 電気料金の計算式
電気料金[円] = 電力量[kWh] × 単価[円/kWh]
単価は約27円/kWh(家庭用の目安)
実際の家電で計算してみよう!
エアコンを1日8時間、30日間使った場合の電気代を計算してみましょう。
❄️ エアコンの電気代計算
条件:エアコンの電力 1000W、使用時間 1日8時間、30日間
ステップ①:電力量を計算
W = 1000W × 8h × 30日 = 240,000Wh = 240kWh
ステップ②:電気料金を計算
料金 = 240kWh × 27円/kWh = 6,480円
1ヶ月で約6,500円!
電気代を安くする2つの方法
電気料金 = 電力量 × 単価 なので、電気代を安くするには2つの方法があります。
💡 節約のコツ
- 方法①:電力(W)を減らす
- 白熱電球 → LED電球に交換(60W → 10W)
- 古い冷蔵庫 → 省エネ冷蔵庫に買い替え
- 方法②:使用時間(t)を減らす
- 使わない時は電源オフ
- 待機電力をカット(コンセントから抜く)
W = P × tだから、Pかtのどちらかを減らせば電気代は安くなるわけです!
まとめ:電力と電力量を完全マスター!
この記事では、電力と電力量の違い、3つの電力公式、電気料金の計算方法を解説しました。
📌 この記事のポイント
- 電力(P):今この瞬間の仕事の速さ = スピードメーター
- 電力量(W):積み重ねた仕事の総量 = オドメーター
- 電力の3つの公式:P=VI、P=I²R、P=V²/R(どれも同じ意味!)
- 電気料金:電力量(kWh) × 単価(円/kWh)で決まる
- 節約のコツ:電力(W)か時間(t)を減らす!
「スピードメーター」と「オドメーター」の例えで覚えれば、もう混同しません!試験でも自信を持って解けるようになります💪
電力の公式をマスターしたら、次はオームの法則や直列回路と並列回路の記事も読んで、理論科目を完全攻略しましょう!