- 「やったことない業務」を振られると、何から手をつけていいかわからない
- 締切ギリギリになっていつもバタバタする
- 仕事が速い人と自分の違いがわからない
- 「段取りが悪い」と言われるけど、どう改善すればいいかわからない
- 逆算思考とは何か?順算思考との違い
- 「やったことないからできません」を卒業する考え方
- 未経験の業務でも尻込みしない「3つの質問」
- 今日から使える逆算思考のテンプレート
目次
後輩の質問で気づいた「仕事が速い人」の正体
先日、後輩からこんな質問をされました。
「なんでやったことない業務なのに、そんなにスムーズに進められるんですか?」
正直、ハッとしました。
確かに、その業務は私も初めてでした。でも、特に困ることなく、納期より前倒しで完了させていた。
振り返ってみると、社会人になりたての頃の自分は全く違いました。
未経験の業務を振られると、「やったことないからできません」と言いたくなる。何から手をつけていいかわからず、とりあえず目の前のことをやって、締切直前にバタバタする。
あの頃の自分と今の自分、何が違うのか?
考えた結果、たどり着いた答えがあります。
「逆算思考」が身についているかどうか。
これが、仕事が速い人と遅い人の決定的な違いでした。
この記事では、私自身が数年かけて身につけた「逆算思考」を、できるだけ具体的にお伝えします。
逆算思考とは?|「ゴールから逆向きに考える」技術
まず、「逆算思考」とは何かを説明します。
順算思考(積み上げ型)の問題点
多くの人は、仕事を「順算思考」で進めています。
順算思考とは、「今できることから順番にやっていく」考え方です。
- 「とりあえず資料を読もう」
- 「まずは調べてみよう」
- 「できることからやっていこう」
一見、真面目で良さそうですよね。でも、この考え方には致命的な問題があります。
・ゴールが見えないまま進むので、無駄な作業が増える
・「今日何をすべきか」が不明確で、優先順位がつけられない
・締切直前になって「あれもやってない」とパニックになる
逆算思考(ゴール起点)とは
一方、「逆算思考」は全く逆のアプローチを取ります。
まずゴールを明確にして、そこから「今日やるべきこと」まで逆向きに考える。
① ゴールを明確にする(何を、いつまでに)
② 必要な工程を洗い出す(何が必要か)
③ 各工程の所要時間を見積もる
④ 締切から逆算して、今日やることを決める
これだけです。シンプルですが、これができるかどうかで仕事のスピードが劇的に変わります。

迷路は「出口から見ると簡単」になる
逆算思考を理解するために、「迷路」をイメージしてください。
迷路を入口から解こうとすると、何度も行き止まりにぶつかりますよね。
「こっちかな?」「あ、違った」と試行錯誤の連続です。
でも、出口から逆向きにたどると、一発で正解ルートが見つかります。
仕事も同じです。
「とりあえずやってみる」(入口から進む)と、無駄な作業や手戻りが発生します。
「ゴールから逆算する」(出口から見る)と、最短ルートが見えます。
迷路は入口から解くより、出口から逆にたどる方が圧倒的に簡単。
仕事も、ゴールから逆算した方が、最短ルートが見える。
【具体例】プレゼン準備を逆算で考える
具体例で見てみましょう。金曜日にプレゼンがあるとしましょう。
順算思考の場合
「とりあえず資料を作り始めよう」→ 途中で方向性がブレる → 修正が入る → 木曜夜まで終わらない → 金曜朝にバタバタ練習 → 本番グダグダ
逆算思考の場合
| 日 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 金曜 | 🎯 プレゼン本番 | ゴール |
| 木曜 | リハーサル・最終調整 | 本番前に練習する余裕を確保 |
| 水曜 | スライド完成 | 木曜はリハに集中するため |
| 火曜 | 構成決定・ドラフト作成 | 方向性を固めてから作業 |
| 月曜 | 情報収集・目的確認 | まずゴールを明確にする |
| 今日 | 「誰に・何を伝えるか」を決める | ここがブレると全部ブレる |
このように、ゴールから逆算すると「今日何をすべきか」が明確になります。


「やったことない」が怖くなくなる理由
逆算思考が身につくと、「未経験の業務」が怖くなくなります。
なぜでしょうか?
未経験が怖い本当の理由
「やったことない業務」が怖いのは、「全体像が見えないから」です。
何をすればいいかわからない、どれくらい時間がかかるかわからない、うまくいくかわからない。
この「わからない」の塊が、恐怖になります。
でも、逆算思考で分解すると、「未知の大きな塊」が「既知の小さなタスク」に変わります。
分解すれば「やったことある」の集合になる
例えば、「新規プロジェクトの企画書を作る」という未経験の業務があったとします。
全体を見ると「やったことない」。でも、分解すると…
- 目的を確認する → やったことある
- 必要な情報を調べる → やったことある
- 関係者にヒアリングする → やったことある
- PowerPointでスライドを作る → やったことある
- 上司にレビューしてもらう → やったことある
ほとんどが「やったことある作業」の組み合わせなんです。
「やったことない業務」は存在しない。
あるのは、「やったことある作業」の新しい組み合わせだけ。
分解すれば、怖くなくなる。
私が後輩に「なんでできるんですか?」と聞かれたとき、無意識にやっていたのはこれでした。
「これは初めてだけど、何が必要かを分解すれば、一つひとつは知ってることだな」と考えていたんです。
HSS型HSP「何者かになりたい」のに動けない…その正体と心がラクになる考え方 →

逆算思考を始める「3つの質問」
逆算思考を実践するには、たった3つの質問を自分に投げかけるだけでOKです。
① ゴールは何?(何を達成すればOK?)
② いつまでに?(締切はいつ?)
③ 何が必要?(そのために何をすればいい?)
質問①:ゴールは何?
最も重要な質問です。「何ができたら完了なのか」を明確にします。
ここが曖昧だと、いくら作業しても終わりが見えません。
例えば「報告書を作る」なら、
- 誰に見せる報告書?
- 何ページくらい?
- どんな結論を伝えたい?
ゴールを具体的に言語化することで、やるべきことが見えてきます。
質問②:いつまでに?
締切を確認します。これがないと、逆算のスタート地点がありません。
締切が明示されていない場合は、「いつまでに必要ですか?」と確認する習慣をつけましょう。
「なるべく早く」と言われたら、「〇日までに提出しますが、問題ありませんか?」と自分から期限を提案するのがコツです。
質問③:何が必要?
ゴールに到達するために、「何が必要か」を洗い出します。
ここでのポイントは、「完了条件」から逆算して考えること。
- 報告書を完成させるには → スライドが必要
- スライドを作るには → 構成が必要
- 構成を決めるには → データが必要
- データを得るには → 関係者へのヒアリングが必要
このように、ゴールから「なぜ?」を繰り返すと、今やるべきことが見えてきます。

逆算思考の落とし穴|バッファを取らないと詰む
逆算思考を実践するとき、最も多い失敗があります。
それは、「バッファ(余白)を取らないこと」です。
想定外は「必ず」起きる
仕事には、必ず想定外のことが起きます。
- 急な会議が入る
- 上司から別の仕事を振られる
- データに間違いが見つかる
- 関係者の確認が遅れる
- 体調を崩す
バッファがないスケジュールを組むと、想定外が1つ起きただけで全部が崩壊します。
「締切の2日前」を自分の締切にする
私が実践しているのは、「本当の締切の2日前」を自分の締切にすることです。
例えば、金曜が締切なら、水曜を「自分の締切」として逆算します。
こうすると、木曜・金曜が「バッファ」になります。
想定外が起きても吸収できるし、起きなければ前倒しで完了できます。
・1週間の仕事 → 2日のバッファ
・1ヶ月の仕事 → 1週間のバッファ
・初めての業務 → 通常の1.5倍の時間を見積もる
「余裕を持ちすぎ」と思うかもしれませんが、余裕があるから質の高い仕事ができるんです。
ギリギリで終わらせた仕事と、余裕を持って仕上げた仕事。どちらの評価が高いかは明白ですよね。
「こうあるべき」に疲れたあなたへ|不完全でも前に進む「完了主義」という生き方 →

【テンプレート】週単位の逆算シート
逆算思考を習慣化するために、テンプレートを用意しました。
新しい業務を振られたとき、このシートを埋めるだけで「今日何をすべきか」が見えてきます。
■ 逆算シート
【ゴール】
何を達成すればOK?:
【締切】
本当の締切: 月 日( )
自分の締切: 月 日( )← 2日前
【必要な工程】
□ 工程1:
□ 工程2:
□ 工程3:
□ 工程4:
□ 工程5:
【逆算スケジュール】
自分の締切日:
前日:
2日前:
3日前:
今日:
【今日やること】
1.
2.
3.
・新しい業務を振られたら、まずこのシートを埋める
・埋まらない部分があれば、上司や依頼者に確認する
・「今日やること」だけを見て、その日の作業に集中する
逆算思考でやりがちな3つの失敗
最後に、逆算思考を始めた人がやりがちな失敗を3つ紹介します。
失敗①:ゴールが曖昧なまま進める
「なんとなくわかった」で進めると、途中で方向性がブレます。
ゴールは「誰が見ても同じ理解になる」レベルまで具体化しましょう。
失敗②:工程を大きく分けすぎる
「資料作成」のように大きな塊のままだと、取り掛かりにくくなります。
「30分〜2時間で終わる単位」まで細かく分けましょう。
失敗③:バッファを取らない
先ほど説明した通り、想定外は必ず起きます。
「締切ギリギリ」のスケジュールは、失敗するスケジュールです。


まとめ|「やったことないからできません」を卒業する
この記事の内容を振り返りましょう。
ゴールから逆向きに考えて、「今日やるべきこと」を明確にする技術。
順算思考(とりあえずやる)→ 無駄が多く、締切に追われる
逆算思考(ゴールから考える)→ 最短ルートで、余裕を持って完了
① ゴールは何?(何を達成すればOK?)
② いつまでに?(締切はいつ?)
③ 何が必要?(そのために何をすればいい?)
逆算思考は、特別な才能ではありません。「考え方のクセ」です。
最初は意識的にやる必要がありますが、繰り返すうちに自然とできるようになります。
私も、社会人になりたての頃は「やったことないからできません」と言っていました。
でも今は、未経験の業務でも「納期までに何をすればいいか整理しますね」と言えるようになりました。
この変化は、逆算思考が身についたからです。
次に新しい仕事を振られたとき、ぜひ「ゴールは何?いつまでに?何が必要?」と自分に問いかけてみてください。
それだけで、仕事への向き合い方が変わるはずです。
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