📌 この記事の位置づけ
「実験計画法の基礎概念シリーズ」第7回。前回は「繰り返しと反復の違い」を学びました。今回は因子の影響度を数値化する「主効果」を解説します。
「どの因子を改善すれば一番効果があるの?」
「因子の"効き具合"を数値で比較したい…」
その答えが、「主効果」です。
主効果がわかれば、「何を優先的に改善すべきか」が一目瞭然になります。
主効果とは?【因子を変えたときの変化量】
主効果(しゅこうか)とは、ある因子の水準を変えたとき、結果(特性値)がどれだけ変化するかを表す数値です。
英語では「Main Effect(メインエフェクト)」と言います。
📖 主効果の定義
因子の水準を変えたときの、結果の平均値の差。
「この因子は結果にどれだけ影響するか?」を表す指標。
カレー作りで理解する主効果
具体例で考えてみましょう。
「美味しいカレーを作りたい」という目標で、2つの因子を調べます。
| 因子 | 水準1 | 水準2 |
|---|---|---|
| A:肉の種類 | 鶏肉 🐔 | 牛肉 🐄 |
| B:スパイスの量 | 少なめ | 多め |
4パターンで実験した結果、以下の美味しさスコアが得られました。
| 実験No. | 肉(A) | スパイス(B) | 美味しさスコア |
|---|---|---|---|
| 1 | 鶏肉 | 少なめ | 60点 |
| 2 | 鶏肉 | 多め | 64点 |
| 3 | 牛肉 | 少なめ | 80点 |
| 4 | 牛肉 | 多め | 84点 |
🧮 主効果の計算方法
主効果は、水準ごとの平均値の差で計算します。
🐄 因子A(肉の種類)の主効果
鶏肉の平均:(60 + 64)÷ 2 = 62点
牛肉の平均:(80 + 84)÷ 2 = 82点
主効果A = 82 − 62 = +20点
🌶️ 因子B(スパイスの量)の主効果
少なめの平均:(60 + 80)÷ 2 = 70点
多めの平均:(64 + 84)÷ 2 = 74点
主効果B = 74 − 70 = +4点
📊 結果の解釈
主効果を比較すると…
因子A(肉)
+20点
影響度:大 🔥
因子B(スパイス)
+4点
影響度:小
💡 わかったこと
肉を鶏肉→牛肉に変える方が、スパイスを増やすより5倍効果がある!
→ 改善するならまず肉から手をつけるべき。
このように、主効果を比較することで「どこを改善すべきか」の優先順位がわかるのです。
主効果の注意点
⚠️ 主効果だけで判断すると失敗することも
主効果は便利な指標ですが、これだけ見て最適条件を決めると失敗することがあります。
なぜなら、因子の組み合わせによって効果が変わることがあるからです。
これを「交互作用」と言います。次の記事で詳しく解説しますね。
交互作用とは?因子の組み合わせ効果を図解|基礎概念⑧ →
まとめ
📌 この記事のポイント
- 主効果=因子を変えたときの結果の変化量
- 計算方法:水準ごとの平均値の差を求める
- 主効果が大きい因子=結果に大きく影響する
- 改善の優先順位を決めるのに役立つ
- ただし、交互作用がある場合は注意が必要
次の記事では、「交互作用」について解説します。「牛肉×スパイス多め」は美味しいのに「鶏肉×スパイス多め」は微妙…そんな「組み合わせ効果」の正体に迫ります。
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