抜取検査

第2回:抜取検査の進め方

抜取検査の流れ(全体像)

抜取検査は次のようなステップで実施されます

🔷 ステップ1:ロットの定義

まず、検査対象となるロット(Lot)を明確にします。

  • ロットとは:同じ条件でまとめて製造された製品群
  • 例:1時間に製造された部品500個、1日分の出荷商品など

🔷 ステップ2:抜取数(n)の決定

ロット全体からいくつ抜き取って検査するか?を決めます。

  • これが「抜取数 n」です。
  • 適切な n を決めるには、目的に応じた検査方式の設計(後述)が必要です。

🔷 ステップ3:サンプルのランダム抽出

n個のサンプルは、必ずランダム選びます。
偏った抜取(例:最初の20個だけ)では、正しい判定ができません。

🔷 ステップ4:検査の実施と合否の記録

抽出されたサンプルに対し、合否(あるいは測定)検査を実施。

  • 計数検査:合格/不合格の個数をカウント
  • 計量検査:測定値が規格内に収まっているかを確認

🔷 ステップ5:判定(n, c のルールに従って)

  • 合格判定数 c:不良が c個以下ならロット全体を合格とする
  • 不合格判定数 r=c+1:r個以上不良があればロット全体不合格

判定の具体例

条件抜取数 n=50、合格判定数 c=2
不良数 = 0, 1, 2→ 合格
不良数 ≥ 3→ 不合格

不合格ロットの取り扱い(検査の型により異なる)

検査の型不合格時の対応
規準型ロット全体を不合格とする(返品、再製造)
選別型不合格ロットは全数選別し、適合品のみ出荷
調整型条件付きで再評価、再選別、緩和検査などを実施

✅ ここでのポイント

用語意味
ロット同一条件でまとめられた製品のまとまり
抜取数 nロットから抜き取って検査するサンプル数
合格判定数 c不良数がこれ以下なら合格
不合格判定数 r不良数がこれ以上なら不合格(= c + 1)

✅ まとめ:抜取検査の手順

  1. ロットを定義
  2. nを決めてランダムに抽出
  3. 検査実施(計数or計量)
  4. cの基準でロットの合否判定
  5. 検査の型に応じてロットを処理

-抜取検査