QC検定 実践編

【QC検定1級】顧客満足(CS)と顧客価値の違い|定義・測定方法・試験ポイント

📌 この記事でわかること

  • 顧客満足(CS)とは何か?どう測るのか?
  • 顧客価値とは何か?CSとどう違うのか?
  • NPS(ネットプロモータースコア)の仕組み
  • 両者の関係性と使い分け

「顧客満足」と「顧客価値」。

どちらも「お客さんを大切にする」という意味では同じように聞こえますよね。

でも、この2つはまったく違う概念なんです。

💭「顧客満足が高ければ、顧客価値も高いんじゃないの?」

💭「両方とも『お客さんが喜ぶ』ってことでしょ?」

💭「何が違うのか、正直よくわからない…」

こんな疑問を持っている方、多いと思います。

今回は、この2つの違いを「ラーメン屋さん」を例に、わかりやすく解説していきます。

結論:2つの違いを一言で言うと?

まずは結論からお伝えします。

顧客満足(CS)
期待と実感のギャップから生まれる感情

顧客価値
得られるもの − 払うものの差

もう少し噛み砕いて説明しますね。

顧客満足(CS)とは?

まずは顧客満足(CS:Customer Satisfaction)から見ていきましょう。

📐 顧客満足の定義

顧客満足(CS)とは?

お客さんが「事前に期待していたこと」「実際に体験したこと」を比べたときの心理的な評価

ポイントは「期待」と「実感」の比較という点です。

シンプルな式で表すと、こうなります。

顧客満足 = 実感 − 期待

🍜 ラーメン屋さんで理解する「顧客満足」

具体例で考えてみましょう。

あなたは、友人から「あのラーメン屋、めちゃくちゃ美味いよ!」と聞いて、期待MAXで行きました。

【パターンA】期待を超えた場合

期待:「かなり美味しいんだろうな」
実感:「想像以上に美味しい!スープも麺も最高!」

→ 実感 > 期待 → 満足度が高い😊

【パターンB】期待通りだった場合

期待:「かなり美味しいんだろうな」
実感:「うん、確かに美味しい。期待通り」

→ 実感 = 期待 → まあまあ満足😐

【パターンC】期待を下回った場合

期待:「かなり美味しいんだろうな」
実感:「あれ?普通じゃない?ちょっとがっかり…」

→ 実感 < 期待 → 不満足😞

ここで面白いのは、同じラーメンを食べても、期待値によって満足度が変わるということです。

つまり、顧客満足は「絶対的な品質」ではなく「期待とのギャップ」で決まるのです。

📊 顧客満足の測定方法

顧客満足は「心の中の評価」なので、直接見ることはできません。

そこで、いくつかの測定方法が使われています。

測定方法どうやって測る?
アンケート調査「満足度を5段階で教えてください」など
NPS「友人に勧めたいですか?」を0〜10で聞く
リピート率また買ってくれたかどうか
クレーム数不満の声がどれくらいあるか

🎯 NPS(ネットプロモータースコア)とは?

最近よく使われるのがNPS(Net Promoter Score)です。

聞き方はシンプル。たった1つの質問です。

「この製品(サービス)を友人や同僚に
どのくらい勧めたいですか?」


0(まったく勧めない)〜 10(強く勧める)で回答

回答によって、お客さんを3つのグループに分けます。

スコア分類意味
9〜10推奨者ファン。積極的に勧めてくれる
7〜8中立者満足はしているが、積極的ではない
0〜6批判者不満。悪い口コミを広める可能性あり

NPSは次の式で計算します。

📐 NPSの計算式

NPS = 推奨者の割合(%) − 批判者の割合(%)

たとえば、推奨者が40%、批判者が20%なら、NPS=20となります。

NPSは−100〜+100の範囲で、高いほど良いです。

顧客価値とは?

次に顧客価値(Customer Value)を見ていきましょう。

📐 顧客価値の定義

顧客価値とは?

お客さんが「得られるもの(便益)」から「払うもの(コスト)」を引いたのこと。

シンプルな式で表すと、こうなります。

顧客価値 = 便益 − コスト

ここでいう「便益」と「コスト」は、お金だけではありません。

💰 便益とコストの中身

便益(得られるもの)コスト(払うもの)
・製品の機能、性能
・サービスの質
・ブランドの信頼感
・感情的な満足(かっこいい、嬉しい)
・お金(価格)
・時間(探す、買う、使う)
・労力(学ぶ、設定する)
・心理的負担(不安、リスク)

🍜 ラーメン屋さんで理解する「顧客価値」

さっきと同じラーメン屋さんで考えてみましょう。

【便益】あなたが得られるもの

・美味しいラーメンを食べられる
・お腹が満たされる
・「あの有名店に行った」という満足感
・SNSに投稿できる(承認欲求)

【コスト】あなたが払うもの

・1,000円(価格)
・電車で30分(移動時間)
・行列で1時間待ち(待ち時間)
・「並んでまで食べる価値あるかな…」という不安

顧客価値は、この「便益」と「コスト」のバランスで決まります。

【顧客価値が高いパターン】

「1,000円で30分待ちなら、あの味なら全然アリ!」
便益 > コスト → 顧客価値が高い

【顧客価値が低いパターン】

「1,000円で1時間待ち…この味ならコンビニでよくない?」
便益 < コスト → 顧客価値が低い

顧客満足と顧客価値の違いを比較

ここまでの内容を整理しましょう。

顧客満足と顧客価値、何が違うのかを比較表でまとめます。

📊 顧客満足 vs 顧客価値 比較表

比較項目顧客満足(CS)顧客価値
定義期待と実感のギャップ便益 − コスト
タイミング購入・体験後に感じる購入前〜購入後ずっと感じる
性質主観的・感情的比較的客観的・合理的
基準自分の「期待」が基準「他の選択肢」と比較
計算式実感 − 期待便益 − コスト
測定方法アンケート、NPS価値分析、コンジョイント分析

💡 決定的な違いは「比較対象」

最も重要な違いは、「何と比べているか」です。

顧客満足(CS)

「自分の期待」と比べている
→「思ったより良かった/悪かった」

顧客価値

「他の選択肢」と比べている
→「他の店より得/損」「払った分の価値がある/ない」

もう一度、ラーメン屋さんで考えてみましょう。

🍜 同じラーメンを食べたAさんとBさん

Aさん:「期待してなかったけど、意外と美味しかった!」
顧客満足は高い(期待を超えた)

Bさん:「すごく期待してたのに、普通だった…」
顧客満足は低い(期待を下回った)

でも、顧客価値は同じかもしれない。
(同じ価格で同じ味なら、便益−コストは同じ)

このように、顧客満足と顧客価値は別物なのです。

両者の関係性:価値が高ければ満足も高い?

「顧客価値が高ければ、顧客満足も高くなるんじゃない?」

こう思った方、鋭いです。

実際、両者には関係があります。でも、イコールではありません

🔗 両者の関係を図解

顧客価値

↓ 購入の判断材料になる

購入・体験

↓ 実際に使ってみて評価する

顧客満足

つまり、こういう流れです。

1. お客さんは「顧客価値」を考えて購入を決める
  (この値段でこの品質なら、買う価値ありそう)

2. 実際に使ってみて、「顧客満足」を感じる
  (思ったより良かった/悪かった)

3. 満足度が高ければリピート、低ければ離脱

⚠️ 価値が高くても満足度が低いケース

ここで注意したいのが、「価値が高くても満足度が低い」ケースがあるということです。

🍜 例:行列のできるラーメン屋

顧客価値:高い
(800円で本格的な味。他の店より明らかにコスパが良い)

顧客満足:低い
(「日本一美味い」と聞いてたのに、「まあ美味しいけど…」)

期待値が高すぎたので、満足度が下がった

逆に、「価値は普通でも満足度が高い」ケースもあります。

🍜 例:たまたま入った知らない店

顧客価値:普通
(900円で普通の味。他の店と大差ない)

顧客満足:高い
(「適当に入った店なのに、意外と美味しかった!」)

期待値が低かったので、満足度が上がった

このように、顧客価値と顧客満足は連動するけれど、必ずしもイコールではないのです。

まとめ

最後に、この記事の内容を整理しておきましょう。

📌 この記事のポイント

  • 顧客満足(CS)=「期待」と「実感」のギャップから生まれる感情
  • 顧客価値=「便益」−「コスト」の差
  • 顧客満足は購入後に感じる、顧客価値は購入前から考える
  • 顧客満足は「自分の期待」と比較、顧客価値は「他の選択肢」と比較
  • NPSは「友人に勧めたいか」を0〜10で聞き、推奨者−批判者で計算
  • 両者は関連するが、イコールではない

🎯 覚え方のコツ

顧客満足(CS)

思ったより良かった/悪かった」
→ 期待との比較 → 感情の話

顧客価値

払った分の価値がある/ない」
→ コストとの比較 → 損得の話

この2つの違いを理解しておくと、品質管理やマーケティングの理解がグッと深まります。

ぜひ、日常の買い物でも「これは満足の話?価値の話?」と考えてみてください。

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