QC検定 実践編

【QC検定1級】方針管理のしくみとその運用|PDCAで目標を達成する

😣 こんな悩みはありませんか?
  • 「方針管理」って結局何をすることなの?
  • 中期経営計画と年度方針の関係がわからない
  • 管理項目の「結果系」と「要因系」の違いは?
  • 方針管理と日常管理はどう違うの?
✅ この記事でわかること
  • 方針管理の全体像を「山登り」のイメージで理解
  • PDCAサイクルの各ステップで何をするか
  • 管理項目の設定方法を「車のダッシュボード」で解説
  • 方針管理と日常管理の違いを明確に整理

「年度目標を立てたはいいけど、気づいたら年度末で未達成…」

こんな経験はありませんか?目標を立てるだけでは達成できません。計画→実行→確認→改善のサイクルを回す仕組みが必要です。

この記事では、方針管理の全体像PDCAサイクルの回し方を、イメージ重視で徹底解説します。

📘 前提知識
【QC検定1級】方針の展開とすり合わせ|トップの方針を現場に落とし込む →

方針展開の基本を先に理解しておくと、この記事がより深く理解できます

方針管理とは?|山登りのイメージで理解する

方針管理の定義

方針管理とは、組織の目標を達成するために、トップの方針を全社に展開し、PDCAサイクルを回して進捗を管理する仕組みです。

イメージは「山登り」です。

🏔️ 山登りで考える方針管理

山頂 = 経営理念・ビジョン(最終的に目指す姿)
中腹の目標地点 = 中期経営計画(3〜5年後の姿)
今年の目標地点 = 年度方針(1年で到達する地点)
登山ルート = 方策(どうやって登るか)
現在地の確認 = 進捗管理(今どこにいるか)

山頂を目指すには、「今年はここまで登る」という目標を決め、ルートを計画し、定期的に現在地を確認しながら進む必要があります。これが方針管理の本質です。

方針管理の階層構造

方針管理は、時間軸の異なる3つの階層で構成されています。

階層期間内容
経営理念・ビジョン永続的会社の存在意義・目指す姿「品質で社会に貢献する」
中期経営計画3〜5年中期的な目標と戦略「3年後に業界シェア20%」
年度方針1年今年度の具体的な目標と方策「不良率を1%以下にする」

経営理念は「北極星」のように常に変わらない指針です。中期経営計画と年度方針は、その北極星に向かって進むための「マイルストーン(中間目標)」と考えましょう。

PDCAサイクルの回し方|方針管理の4ステップ

PDCAサイクルとは?

方針管理では、PDCAサイクルを1年単位で回します。

PDCAとは、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(確認)→ Act(処置)の頭文字を取ったものです。

🔄 PDCAサイクルの4ステップ

P(Plan):方針を策定し、目標と方策を決める
D(Do):方策を実行する
C(Check):進捗を確認し、達成度を評価する
A(Act):反省し、次年度の方針に反映する

P(Plan):方針策定・目標設定

年度の始まりに、トップが方針を策定します。この段階でやることは以下の通りです。

やること内容
前年度の反省前年度の達成度と課題を振り返る
環境分析外部環境(市場・競合)と内部環境(自社の強み・弱み)を分析
目標設定「何を」「どのレベルまで」「いつまでに」を決める
方策立案目標を達成するための具体的な手段を決める
展開・すり合わせ部門・現場に落とし込み、キャッチボールで調整

D(Do):方策の実施

計画が決まったら、各部門・各担当者が方策を実行します。ここで重要なのは「やりっぱなし」にしないことです。

💡 実行段階のポイント
・実施状況を記録に残す
・問題が発生したら速やかに報告する
・管理項目を定期的にモニタリングする

C(Check):進捗確認・達成度評価

定期的に進捗を確認し、目標に対してどこまで達成できているかを評価します。

タイミング内容
月次レビュー管理項目の推移を確認し、異常があれば対策を打つ
四半期レビュー方策の進捗状況を確認し、必要に応じて軌道修正
中間レビュー半期時点での達成度を評価し、後半の方策を見直す
年度末レビュー最終的な達成度を評価し、反省と課題を整理

A(Act):反省・次年度への反映

年度末には、達成度の評価結果をもとに反省を行い、その内容を次年度の方針に反映します。

🔄 Act(処置)の2つのパターン
①うまくいった場合:成功要因を分析し、他部門に横展開する
②うまくいかなかった場合:原因を分析し、次年度の方策に改善策を盛り込む

この「Act」が次年度の「Plan」につながることで、PDCAサイクルがスパイラルアップしていきます。

管理項目の設定|車のダッシュボードで進捗を監視

管理項目とは?

管理項目とは、目標の達成度や方策の進捗を測るための指標です。

イメージは「車のダッシュボード」です。運転中にスピードメーター、燃料計、水温計などを見ながら、車の状態を把握しますよね。管理項目も同じで、組織の状態を「見える化」するためのメーターです。

🚗 ダッシュボードで考える管理項目

スピードメーター(売上高):今どれくらいのペースで進んでいるか
燃料計(コスト):リソースをどれくらい消費しているか
水温計(不良率):異常が発生していないか
距離計(生産量):どれだけの成果が出ているか

結果系と要因系|2種類の管理項目

管理項目は大きく「結果系」「要因系」の2種類に分けられます。

種類意味特徴
結果系活動の「結果」を示す不良率、売上高、クレーム件数結果が出てから判明(遅行指標)
要因系結果に影響を与える「原因」を示す設備稼働率、教育時間、点検回数先に手を打てる(先行指標)
💡 ポイント
結果系だけを見ていると「手遅れ」になりがち。要因系も合わせて監視することで、問題が大きくなる前に対策を打てる。

管理項目の設定例

「不良率1%以下」という目標に対して、以下のような管理項目を設定します。

種類管理項目目標値確認頻度
結果系不良率1%以下日次
要因系設備点検実施率100%日次
要因系作業者教育時間月4時間以上月次
要因系4M変化点の記録率100%日次

方針管理と日常管理の違い|改善 vs 維持

2つの管理の違いを「道」で理解する

品質管理には「方針管理」「日常管理」という2つの柱があります。この違いを理解しておくことが重要です。

🛤️ 道で考える2つの管理

方針管理 = 山を登る(高い目標に向かって改善する)
日常管理 = 平らな道を歩く(今の状態を維持する)
項目方針管理日常管理
目的改善・ブレークスルー維持・安定
サイクルPDCASDCA
期間年度単位(中長期)日々・週・月単位
対象重点課題通常業務
イメージ山登り(上を目指す)道の整備(現状維持)

SDCAサイクルとは?

日常管理ではSDCAサイクルを回します。PDCAの「P」が「S(Standard:標準化)」に変わったものです。

📋 SDCAサイクル

S(Standardize):標準を決める(作業標準書など)
D(Do):標準通りに実行する
C(Check):標準通りにできているか確認する
A(Act):標準から外れたら是正する

PDCAが「改善」を目指すのに対し、SDCAは「標準を守って現状を維持する」ことが目的です。

両輪で回す品質管理

方針管理と日常管理は、どちらか一方だけではダメです。

⚖️ 両輪の関係
方針管理だけ → 改善はするが、成果が定着しない
日常管理だけ → 現状維持はできるが、成長しない
両方を回す → 改善した成果を標準化して定着させ、さらに高みを目指す

方針管理で改善した成果は、日常管理の「標準」として定着させます。そして、新たな方針管理でさらに上を目指す。この繰り返しで組織は成長していくのです。

まとめ|方針管理を成功させる3つのポイント

この記事の要点

📝 3つのポイント
  • 方針管理は「山登り」:経営理念→中期計画→年度方針の階層で、着実に目標に向かう
  • PDCAサイクルを1年で回す:計画→実行→確認→処置のサイクルで目標を達成し、次年度につなげる
  • 管理項目は「ダッシュボード」:結果系と要因系の両方を監視して、問題を早期発見する

方針管理の年間スケジュール(例)

最後に、方針管理の典型的な年間スケジュールを示します。

時期PDCA活動内容
2〜3月A→P前年度の反省、次年度方針の策定
4月P年度方針の発表、部門への展開・すり合わせ
5〜9月D・C方策の実行、月次レビュー
10月C中間レビュー、後半の軌道修正
11〜1月D・C方策の継続実行、月次レビュー
2〜3月C・A年度末レビュー、達成度評価、反省

方針管理は「1年で終わり」ではありません。毎年のPDCAサイクルが螺旋階段のように積み重なって、組織は着実に成長していくのです。

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