QC検定 実践編

【QC検定1級】品質マネジメントの原則|ISO 9000の7つの原則を完全図解

😣 こんな悩みはありませんか?
  • 「品質マネジメントの原則」って何を覚えればいいの?
  • ISO 9000の7つの原則、名前は知ってるけど中身がわからない…
  • QC検定1級で出題されるポイントを効率よく押さえたい
✅ この記事でわかること
  • ISO 9000が定める「品質マネジメントの7原則」の全体像
  • 各原則の意味と具体例(現場でどう活かすか)
  • QC検定1級での出題ポイントと覚え方

「品質マネジメントの原則」と聞いて、すぐに7つ言えますか?

ISO 9000シリーズは世界中で使われている品質マネジメントの国際規格ですが、その土台となっているのが「7つの原則」です。これは単なる暗記項目ではなく、品質経営の「考え方の軸」となるものです。

QC検定1級では、この7原則の名称だけでなく、「なぜその原則が重要なのか」「具体的に何をすべきか」まで問われます。

この記事では、7つの原則を図解と具体例でわかりやすく解説します。試験対策はもちろん、実務で品質マネジメントシステム(QMS)を運用する方にも役立つ内容です。

品質マネジメントの原則とは?

ISO 9000が定める「品質経営の土台」

品質マネジメントの原則とは、ISO 9000(品質マネジメントシステムの基本と用語を定めた規格)で示されている7つの基本的な考え方です。

これは「こうすれば品質経営がうまくいく」という、世界中の企業の経験から導き出された成功の法則のようなものです。

📐 品質マネジメントの7原則(ISO 9000:2015)

① 顧客重視
② リーダーシップ
③ 人々の積極的参加
④ プロセスアプローチ
⑤ 改善
⑥ 客観的事実に基づく意思決定
⑦ 関係性管理

以前のISO 9000:2008では「8原則」でしたが、2015年版で「システムアプローチ」が「プロセスアプローチ」に統合され、現在は7原則となっています。

⚠️ QC検定での注意点
試験では「8原則」と「7原則」の違いを問う問題が出ることがあります。現行規格(2015年版)では7原則であることを押さえておきましょう。

なぜ「原則」が重要なのか?

「原則」はルール(規則)とは違います。ルールは「こうしなさい」という具体的な指示ですが、原則は「こう考えなさい」という基本的な姿勢です。

例えるなら、原則は「北極星」のようなものです。具体的な道順(ルール)は状況によって変わりますが、目指すべき方向(原則)は変わりません。

ISO 9001の要求事項(具体的なルール)は、すべてこの7原則に基づいて作られています。原則を理解していれば、要求事項の「なぜ」がわかるようになります。

7つの原則を詳しく解説【前半】

原則①:顧客重視

「品質管理の最終目的は顧客満足である」——これが第一の原則です。

どんなに技術的に優れた製品でも、顧客が求めていなければ意味がありません。品質マネジメントのすべての活動は、顧客のニーズと期待を満たすことに向かうべきです。

💡 具体的な行動
・顧客の声(VOC)を収集し、製品・サービスに反映する
・顧客満足度を測定し、継続的に改善する
・現在の顧客だけでなく、将来のニーズも予測する

ここでいう「顧客」には、直接の購入者だけでなく、エンドユーザー、流通業者、社内の次工程なども含まれます。

原則②:リーダーシップ

品質マネジメントはトップダウンで推進されるものです。経営者(リーダー)が品質に対する明確なビジョンを示し、組織全体を導く必要があります。

「品質は大事だ」と口で言うだけでは不十分です。リーダー自身が行動で示すことが重要です。

💡 具体的な行動
・品質方針を策定し、全社に展開する
・必要な資源(人・モノ・金)を確保する
・品質目標の達成状況をレビューする(トップ診断)

原則③:人々の積極的参加

品質は一部の専門家だけが作るものではありません。組織のすべてのメンバーが、自分の役割を理解し、積極的に参加することが必要です。

これは「やらされ感」ではなく、「自分ごと」として取り組むということです。QCサークル活動や改善提案制度は、この原則を実現するための仕組みです。

💡 具体的な行動
・従業員の力量を高める教育・訓練を行う
・権限委譲を進め、現場で判断できるようにする
・貢献を認め、モチベーションを高める

原則④:プロセスアプローチ

仕事を「点」ではなく「線」で捉える考え方です。

例えば、製品に不良が出たとき、「検査で見つけて取り除けばいい」と考えるのは「点」の発想です。プロセスアプローチでは、「なぜ不良が発生したのか」「どの工程に問題があるのか」と、プロセス全体を見て原因を追究します。

📐 プロセスの基本構造

インプット → プロセス(変換活動) → アウトプット

各プロセスには、インプット(入力)とアウトプット(出力)があります。あるプロセスのアウトプットは、次のプロセスのインプットになります。このつながりを意識することが重要です。

7つの原則を詳しく解説【後半】

原則⑤:改善

「現状維持は後退である」——これが改善の原則の根底にある考え方です。

市場環境や顧客ニーズは常に変化しています。今日の「良い品質」が明日も「良い品質」とは限りません。だからこそ、継続的に改善し続けることが必要です。

💡 改善の2つのタイプ
①継続的改善(カイゼン):小さな改善を積み重ねる
②革新的改善(イノベーション):大きく変革する

PDCAサイクルは、この改善を実現するための基本的なフレームワークです。

原則⑥:客観的事実に基づく意思決定

「たぶんこうだろう」「昔からこうやってきた」という勘や経験だけで判断してはいけません。データと事実に基づいて意思決定を行うことが重要です。

これは統計的品質管理(SQC)の根本思想でもあります。QC検定で学ぶ統計手法は、まさにこの原則を実現するためのツールです。

💡 具体的な行動
・データを収集・分析し、傾向を把握する
・QC7つ道具などのツールを活用する
・データの信頼性(正確性・妥当性)を確認する
⚠️ 注意点
データがあればすべて正しいわけではありません。データの取り方や分析方法が適切かも確認する必要があります。

原則⑦:関係性管理

組織は孤立して存在しているわけではありません。サプライヤー、パートナー、顧客、株主、地域社会など、多くの利害関係者(ステークホルダー)と関わっています。

これらの関係者とWin-Winの関係を築くことで、持続的な成功が可能になります。

💡 具体的な行動
・サプライヤーとの長期的なパートナーシップを構築する
・利害関係者のニーズをバランスよく考慮する
・情報を共有し、共同で改善活動を行う

以前の「8原則」では「供給者との互恵関係」という名称でしたが、2015年版でより広い「関係性管理」という概念に拡張されました。

7原則の一覧表と覚え方

7原則の比較表

No.原則意味キーワード
顧客重視顧客のニーズと期待を満たすことが最終目的顧客満足、VOC、ニーズ
リーダーシップトップが方向性を示し、組織を導くビジョン、方針、資源確保
人々の積極的参加全員が自分ごととして品質に取り組む力量、権限委譲、動機づけ
プロセスアプローチ仕事を「線」で捉え、プロセス全体を管理インプット、アウトプット、つながり
改善継続的に改善し続けるPDCA、継続的改善、革新
客観的事実に基づく意思決定データと事実に基づいて判断するデータ分析、SQC、根拠
関係性管理利害関係者とWin-Winの関係を築くステークホルダー、パートナーシップ

覚え方のコツ:「顧客→組織→活動→外部」の流れ

7原則はバラバラに覚えようとすると大変です。ストーリーで覚えるのがコツです。

📐 7原則のストーリー

①顧客重視:まず、誰のために仕事をするか?→顧客のため

②リーダーシップ:顧客のために動くには?→トップが方向を示す
③人々の積極的参加:トップだけでは無理→全員で取り組む

④プロセスアプローチ:どうやって活動するか?→プロセスで管理
⑤改善:一度やったら終わり?→継続的に改善
⑥客観的事実に基づく意思決定:改善の判断基準は?→データで判断

⑦関係性管理:組織だけでは完結しない→外部との関係も大切

このように、「顧客」→「組織(トップ+全員)」→「活動(プロセス+改善+データ)」→「外部」という流れで整理すると覚えやすくなります。

QC検定1級での出題ポイント

よく出る問題パターン

QC検定1級では、品質マネジメントの原則について以下のような問題が出題されます。

問題パターン対策
7原則の名称を選ぶ7つの原則名を正確に覚える(特に「客観的事実に基づく意思決定」など長い名称)
原則の説明文から該当する原則を選ぶ各原則のキーワードと具体的な行動を理解する
8原則と7原則の違い「システムアプローチ」が「プロセスアプローチ」に統合されたことを押さえる
原則と具体的活動の対応「顧客重視」→VOC収集、「リーダーシップ」→トップ診断など

間違いやすいポイント

⚠️ ひっかけ注意
・「顧客満足」は原則名ではなく「顧客重視」が正しい
・「継続的改善」は原則名ではなく「改善」が正しい
・「事実に基づく意思決定」ではなく「客観的事実に基づく意思決定」

まとめ

この記事では、ISO 9000が定める品質マネジメントの7原則について解説しました。

📝 この記事のポイント
・品質マネジメントの原則は7つ(2015年版から。以前は8つ)
・「顧客重視」から始まり、「関係性管理」で外部との関係へ広がる
・各原則はISO 9001の要求事項の土台になっている
・QC検定では原則名と具体的な行動の対応を問われる

7原則は単なる暗記項目ではありません。「なぜこの原則が必要なのか」を理解することで、ISO 9001の要求事項やQMSの運用がより深く理解できるようになります。

次の記事では、この7原則を具体化したISO 9001の要求事項について詳しく解説します。

📚 次に読むべき記事

📘 【QC検定1級】ISO 9001の要求事項|品質マネジメントシステムの国際規格 →

7原則を具体化した要求事項の全体像と、10の箇条を解説します

📘 【QC検定1級】方針の展開とすり合わせ|トップの方針を現場に落とし込む →

リーダーシップの原則を実践する「方針管理」の具体的な進め方

📘 【QC検定1級】プロセス(工程)の考え方|インプット・アウトプット・変換 →

プロセスアプローチの原則を深く理解するための基礎知識

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