QC検定 実践編

【QC検定1級】QC工程図(QC工程表)の作り方|品質管理のポイントを見える化

😣 こんな悩みはありませんか?
  • 「QC工程図」と「QC工程表」は違うもの?
  • 「管理点」「管理項目」「管理特性」の違いがわからない
  • QC工程図に何を書けばいいのかわからない
  • 作業標準書との違いがわからない
✅ この記事でわかること
  • QC工程図とは何か(「工場の設計図」で理解)
  • 管理点・管理項目・管理特性の違い
  • QC工程図に記載すべき内容
  • QC工程図の作り方(5ステップ)

あなたは「カーナビ」を使ったことがありますか?

目的地を入力すると、「どの道を通って」「どこで曲がって」「どこに注意すべきか」を教えてくれますよね。

QC工程図は、工場における「カーナビ」のようなものです。

「どの工程を通って」「どこで何を管理して」「どこに注意すべきか」が一目でわかるようになっています。

💡 QC工程図とは?(ひとことで言うと)

「製品を作る全工程において、
どこで・何を・どうやって管理するかを
一覧にまとめた『品質管理の地図』」

この記事では、QC工程図の目的・構成要素・作り方を、身近な例でわかりやすく解説します。

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プロセスの考え方を先に理解しておくと、QC工程図がスムーズに理解できます。

【QC検定1級】プロセス(工程)の考え方|インプット・アウトプット・変換 →

QC工程図とは?|「工場の品質管理マップ」

まずは「QC工程図」が何なのか、イメージをつかみましょう。

「QC工程図」と「QC工程表」は同じ?

結論から言うと、ほぼ同じ意味で使われます。

名称特徴使われる場面
QC工程図工程の「流れ」を図で表現フローチャート形式が多い
QC工程表管理項目を「表」で整理一覧表形式が多い

実務では両方を組み合わせて、「図」+「表」の形式で作られることが多いです。この記事では、まとめて「QC工程図」と呼びます。

ラーメン屋で理解するQC工程図

QC工程図を「ラーメン屋の調理工程」で考えてみましょう。

🍜 ラーメン屋のQC工程図(イメージ)

工程①「スープを作る」
 → 管理項目:温度、煮込み時間
 → 管理方法:温度計で80℃以上を確認、タイマーで3時間計測

工程②「麺を茹でる」
 → 管理項目:茹で時間、お湯の温度
 → 管理方法:タイマーで90秒、沸騰状態を目視確認

工程③「盛り付け」
 → 管理項目:具材の量、見た目
 → 管理方法:チャーシュー2枚、卵1/2個を目視確認

このように、「どの工程で」「何を」「どうやって」管理するかを一覧にしたものがQC工程図です。

なぜQC工程図が必要なのか?

QC工程図がないと、こんな問題が起きます。

⚠️ QC工程図がないとどうなる?
・「この工程では何を管理すればいいの?」と迷う
・人によって管理するポイントがバラバラになる
・どこで品質問題が起きたかわからない
・新人に教えるときに説明できない
・監査で「品質管理の仕組み」を説明できない

QC工程図があれば、「この工程ではこれを管理する」が明確になり、誰でも同じ品質管理ができます。

超重要!「管理点」「管理項目」「管理特性」の違い

QC工程図を理解する上で、絶対に押さえておくべき用語があります。

それが「管理点」「管理項目」「管理特性」です。この3つ、似ているようで全然違います

3つの違いを「ラーメン」で理解する

まずは直感的にイメージをつかみましょう。

🍜 ラーメンで理解する3つの違い

管理特性(結果)
 → 「ラーメンの味」「麺の硬さ」「スープの濃さ」
 → 最終的な品質。お客様が評価するもの

管理項目(原因)
 → 「スープの温度」「茹で時間」「塩の量」
 → 管理特性に影響を与える要因。コントロールできるもの

管理点(場所)
 → 「スープ鍋」「茹で釜」「盛り付け台」
 → 管理を行う場所・工程

正式な定義を確認しよう

用語定義キーワード
管理点品質を管理するために重点的に管理する工程・場所どこで?
管理項目品質に影響を与える原因系の特性(4Mなど)何を?(原因)
管理特性製品の品質を表す結果系の特性何を?(結果)

「原因」と「結果」の関係

管理項目と管理特性の関係は、「原因」と「結果」の関係です。

🔗 原因→結果の関係(例)
管理項目(原因)管理特性(結果)

茹で時間が短すぎる → 麺が硬くなる
スープの温度が低い → 味が薄く感じる
塩を入れすぎる → しょっぱくなる

品質管理では、「結果(管理特性)」をコントロールするために、「原因(管理項目)」を管理するという考え方が基本です。

⚠️ よくある間違い
「管理特性」を直接管理しようとするのはNG。

❌「麺の硬さを管理する」(結果を管理しようとしている)
⭕「茹で時間を管理する」(原因を管理している)

結果は「確認」するもの。管理は「原因」に対して行います。

点検項目との違い

似た言葉に「点検項目」があります。これも整理しておきましょう。

用語意味
管理項目数値で管理する項目温度80±5℃、時間90±5秒
点検項目良否で確認する項目汚れがないか、異物がないか

管理項目は「数値で管理」、点検項目は「良否で確認」。QC工程図には両方を記載します。

QC工程図に記載する内容|9つの必須項目

QC工程図には、何を記載すればいいのでしょうか?

基本的な記載項目を見ていきましょう。

QC工程図の構成要素

📋 QC工程図に記載する9項目

① 工程名・工程番号:どの工程か
② 工程の流れ(フロー):工程の順番と流れ
③ 管理点:重点的に管理する工程
④ 管理項目:何を管理するか(原因系)
⑤ 管理特性:どんな品質を保証するか(結果系)
⑥ 管理方法:どうやって管理するか
⑦ 管理基準(規格値):どの範囲ならOKか
⑧ 測定方法・使用機器:何で測るか
⑨ 異常時の処置:NGの場合どうするか

各項目の詳細説明

項目内容例(ラーメン)
①工程名工程を識別する名前麺茹で工程
②工程の流れ前工程・後工程との関係スープ準備→麺茹で→盛り付け
③管理点重点管理する場所茹で釜(★マーク)
④管理項目管理する原因系の特性茹で時間、お湯の温度
⑤管理特性保証する結果系の特性麺の硬さ(中硬め)
⑥管理方法どうやって管理するかタイマーで計測、記録
⑦管理基準OKの範囲(規格値)90秒±5秒
⑧測定方法何で測るかデジタルタイマー
⑨異常時処置NGの場合の対応茹で直し、廃棄

実際のQC工程図フォーマット例

実際のQC工程図がどんな形になるか、サンプルを見てみましょう。

QC工程図 | 製品名: しらすラーメン | 作成日: 2026/01/10
No.工程名管理項目管理特性管理基準管理方法測定機器異常時処置
1材料受入麺の鮮度品質製造後3日以内納品書確認目視返品
2★スープ調理温度
煮込み時間
味の濃さ80℃以上
3時間以上
毎時測定
記録
温度計
タイマー
再加熱
延長煮込み
3★麺茹で茹で時間
湯温
麺の硬さ90秒±5秒
沸騰状態
全数計測タイマー
目視
茹で直し
廃棄
4盛り付け具材の量見た目チャーシュー2枚
卵1/2個
目視確認目視追加/除去
5提供提供時間温度調理後3分以内タイマータイマー作り直し
★:管理点(重点管理工程)

このように、一覧表の形式で、どの工程で何を管理するかが一目でわかります。

QC工程図の作り方|5つのステップ

実際にQC工程図を作る手順を見ていきましょう。

ステップ①|工程の流れを整理する

まずは、製品ができるまでの工程を洗い出します。

💡 工程を洗い出すコツ
・「材料が入ってから製品が出るまで」を追いかける
・実際に現場を歩いて確認する
・「何が変化するか」に着目する(形・状態・場所など)
・検査工程も忘れずに含める

この段階では、フローチャートを使うと整理しやすいです。

ステップ②|管理特性(結果)を決める

次に、各工程で「どんな品質を保証するか」を決めます。

これが管理特性(結果系)です。

📋 管理特性の決め方
・お客様が求める品質は何か?
・図面・仕様書で規定されている品質は何か?
・過去に問題が起きた品質は何か?
・この工程で「変化」する品質は何か?

ステップ③|管理項目(原因)を決める

管理特性が決まったら、「それに影響を与える原因」を洗い出します。

ここで4M(人・機械・材料・方法)の視点が役立ちます。

🔧 4Mで原因を洗い出す例
管理特性:麺の硬さ

Man(人):作業者の判断
Machine(機械):茹で釜の火力
Material(材料):麺の種類、太さ
Method(方法):茹で時間 ← これを管理項目に!

洗い出した原因の中から、「最も影響が大きく、コントロールしやすいもの」を管理項目として選びます。

ステップ④|管理方法・管理基準を決める

管理項目が決まったら、「どうやって管理するか」「どの範囲ならOKか」を決めます。

決めること具体的な内容
管理方法いつ、誰が、どうやって毎回、作業者が、タイマーで計測
管理基準OK/NGの判断基準90秒±5秒(85〜95秒)
測定機器何で測定するかデジタルタイマー
記録方法どこに記録するか日報に記入、管理図に記録
異常時処置NGの場合どうするか廃棄、茹で直し、上長報告

ステップ⑤|管理点(重点工程)を決める

最後に、「特に重点的に管理すべき工程」を決めます。

すべての工程を同じ力加減で管理することはできません。「ここは絶対に外せない」という工程に★マークを付けて、管理点として明示します。

⭐ 管理点にすべき工程
品質への影響が大きい工程
後から修正できない工程
過去に問題が起きた工程
お客様の要求が厳しい特性に関わる工程
法規制で管理が求められる工程

QC工程図と他の文書の違い

QC工程図と似た文書がいくつかあります。違いを整理しておきましょう。

QC工程図 vs 作業標準書

QC工程図作業標準書
目的どこで何を管理するかを示すどうやって作業するかを示す
範囲全工程を俯瞰1つの作業を詳細に
詳細度全体像(マクロ)手順の詳細(ミクロ)
例え地図(全体の道順)レシピ(作り方の詳細)

QC工程図は「地図」、作業標準書は「レシピ」と覚えましょう。両方あってはじめて、品質の良い製品が作れます。

QC工程図 vs フローチャート

QC工程図フローチャート
目的管理ポイントを明示流れ・分岐を明示
形式表形式が多い図形式
情報量管理項目、基準など詳細流れの概要

実務では、フローチャートの横にQC工程表を並べる形式が多いです。「流れ」と「管理ポイント」を両方見えるようにします。

QC工程図を活用するコツ

作ったQC工程図を「使われる文書」にするためのコツを紹介します。

💡 QC工程図活用のコツ

① 現場に掲示する
 事務所に保管するだけでは意味がない。現場で見える場所に貼る

② 新人教育に使う
 「この工程では何を管理するか」を教える教材として活用

③ 変更があれば即更新する
 工程変更、設備変更があったらすぐに反映する

④ 問題発生時に参照する
 「どこで何を管理していたか」を確認する基準として使う

⑤ 監査・審査で説明資料にする
 ISO審査、顧客監査で「品質管理の仕組み」を説明する資料として活用

まとめ|QC工程図は「品質管理の設計図」

この記事では、QC工程図(QC工程表)の作り方を解説しました。

📝 この記事のポイント

QC工程図とは、全工程において「どこで・何を・どうやって管理するか」を一覧にした文書

管理点=どこで(場所)、管理項目=何を(原因)、管理特性=何を(結果)

原因(管理項目)を管理して、結果(管理特性)をコントロールする

✅ QC工程図には9つの項目を記載:工程名、流れ、管理点、管理項目、管理特性、管理方法、管理基準、測定機器、異常時処置

✅ 作り方は5ステップ:工程整理→管理特性→管理項目→管理方法・基準→管理点

✅ QC工程図は「地図」、作業標準書は「レシピ」。両方あって品質が守れる

QC工程図は、品質管理の「設計図」です。この設計図があれば、誰が見ても「どこで何を管理すべきか」がわかります。

まずは自分の担当工程から、「管理すべき項目は何か」を整理してみませんか?

キーワード解説一覧|試験対策用

用語意味
QC工程図(QC工程表)製品を作る全工程において、どこで・何を・どうやって管理するかを一覧にした文書
管理点品質を管理するために重点的に管理する工程・場所(どこで?)
管理項目品質に影響を与える原因系の特性。コントロールする対象(何を?原因)
管理特性製品の品質を表す結果系の特性。保証する対象(何を?結果)
管理方法管理項目をどうやって管理するか。いつ・誰が・どのように
管理基準(規格値)OKかNGかを判断する基準。許容範囲、上限・下限
点検項目数値ではなく、良否で確認する項目
異常時の処置管理基準を外れた場合にとるべき行動
原因系結果(品質)に影響を与える要因。4M(人・機械・材料・方法)など
結果系原因によって決まる品質特性。寸法、重量、強度など
4MMan(人)、Machine(機械)、Material(材料)、Method(方法)
フローチャート工程の流れを図形と矢印で表した図
作業標準書作業の手順・方法を詳細に記載した文書(QC工程図とは別物)

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