QC検定 実践編

【QC検定1級】社内標準化・産業標準化・国際標準化|標準の階層と進め方

😣 こんな悩みはありませんか?
  • 社内標準と国際標準の関係がわからない
  • JIS、ISO、IECの違いって何?
  • 「デジュール標準」「デファクト標準」という言葉が出てきて混乱
  • 標準化の階層構造をイメージできない
✅ この記事でわかること
  • 標準化の3階層(社内→産業→国際)をピラミッドで理解
  • JIS・ISO・IECそれぞれの役割と違い
  • デジュール標準とデファクト標準の違い
  • 社内標準を作るときの上位標準の活用法

「JISとかISOとか、いろいろあってややこしい…」

標準には階層があります。会社の中だけで使う「社内標準」、日本全体で使う「JIS」、世界中で使う「ISO」。この関係を理解すれば、標準化の全体像がスッキリ見えてきます。

この記事では、標準化の階層構造を「ピラミッド」のイメージで徹底解説します。

📘 前提知識
【QC検定1級】標準化の目的・意義・考え方|なぜ標準が必要なのか →

標準化の基本を先に理解しておくと、この記事がより深く理解できます

標準化の3階層|ピラミッドで理解する

標準化のピラミッド構造

標準化は、3つの階層で構成されています。ピラミッドのように、上に行くほど適用範囲が広くなります。

階層適用範囲
国際標準世界中ISO、IEC
産業標準(国家標準)日本国内JIS(日本産業規格)
社内標準自社内のみ作業標準書、検査規格
🔺 ピラミッドのイメージ

頂上(国際標準):世界共通のルール。貿易の共通言語。
中段(産業標準):国内共通のルール。国際標準を日本向けにアレンジ。
土台(社内標準):自社のルール。上位標準を参照して作成。

重要なのは、下位の標準は上位の標準を参照して作るということです。社内標準を作るときは、JISやISOを参考にします。

なぜ階層構造になっているのか?

標準化が階層構造になっている理由は、適用範囲と具体性のバランスです。

階層適用範囲具体性
国際標準広い(世界中)抽象的(大枠のみ)
産業標準中程度(国内)中程度
社内標準狭い(自社のみ)具体的(手順まで詳細)

ISOは世界中で使えるように「大枠」だけを定め、各国や各企業がそれを具体化していく仕組みです。

社内標準化|自社のルールを作る

社内標準とは?

社内標準とは、自社の中だけで適用される標準です。その会社独自のルール・手順・基準を文書化したものです。

📋 社内標準の例
・作業標準書(この手順で作業する)
・検査規格(この基準で検査する)
・設計基準(この方法で設計する)
・購買基準(この条件で仕入れる)
・文書管理規定(この方法で文書を管理する)

社内標準化のメリット

社内標準を整備することで、以下のようなメリットがあります。

メリット内容
品質の安定誰がやっても同じ品質を実現
効率化毎回考える必要がなく、作業が速い
ノウハウの蓄積ベテランの知識を文書化して継承
教育の効率化新人教育がマニュアルで統一できる
責任の明確化「誰が何をするか」が明文化される

社内標準を作るときのポイント

💡 上位標準を参照する

社内標準を作るときは、JISやISOを参照しましょう。

例えば、品質マネジメントシステムの社内規定を作るなら、ISO 9001やJIS Q 9001の要求事項を参考にします。

ゼロから作るより、上位標準をベースにカスタマイズした方が効率的で、整合性も取れます。

産業標準化(JIS)|日本国内の共通ルール

JIS(日本産業規格)とは?

JIS(Japanese Industrial Standards)は、日本の産業製品に関する国家標準です。経済産業省が管轄しています。

📋 JISの基本情報

正式名称:日本産業規格(旧:日本工業規格)
管轄:経済産業省
規格数:約10,000規格以上
法的根拠:産業標準化法

JISの分類(アルファベット記号)

JISは、分野ごとにアルファベットで分類されています。QC検定でよく出るものを覚えておきましょう。

記号分野
JIS Z基本(品質管理、統計など)JIS Z 9015(抜取検査)
JIS QマネジメントシステムJIS Q 9001(品質MS)
JIS C電気・電子JIS C 60068(環境試験)
JIS B機械JIS B 0001(図面)
JIS K化学JIS K 0050(化学分析)

JISマーク制度

JISに適合した製品にはJISマークを表示できます。これは消費者にとって「品質の目印」になります。

✅ JISマークのメリット
・消費者に品質の安心感を与える
・取引先からの信頼性向上
・公共調達での優先採用
・輸出時の品質証明

国際標準化(ISO・IEC)|世界共通のルール

ISOとは?

ISO(International Organization for Standardization)は、国際標準化機構のことです。電気・電子分野以外の国際規格を策定しています。

🌍 ISOの基本情報

正式名称:国際標準化機構
本部:スイス・ジュネーブ
加盟国:160カ国以上
規格数:約24,000規格以上
対象分野:電気・電子以外の全分野

IECとは?

IEC(International Electrotechnical Commission)は、国際電気標準会議のことです。電気・電子分野の国際規格を策定しています。

⚡ IECの基本情報

正式名称:国際電気標準会議
本部:スイス・ジュネーブ
対象分野:電気・電子・通信・エネルギー

ISO・IECの主な規格

規格番号名称内容
ISO 9001品質マネジメントシステム品質管理の国際標準
ISO 14001環境マネジメントシステム環境管理の国際標準
ISO 45001労働安全衛生MS安全衛生管理の国際標準
IEC 61508機能安全電気・電子系の安全規格

国際標準化のメリット

🌐 国際標準のメリット
  • 貿易の円滑化:どの国でも同じ基準で取引できる
  • 技術の共通言語:国を超えてコミュニケーションできる
  • 製品の互換性:異なる国のメーカーの製品を組み合わせられる
  • 市場アクセス:ISO認証があれば海外市場に参入しやすい

デジュール標準とデファクト標準|2種類の標準化

デジュール標準(公的標準)

デジュール標準(de jure standard)とは、公的な標準化機関が正式な手続きで制定した標準です。「法律上の」という意味のラテン語が由来です。

📜 デジュール標準の例
・JIS(日本産業規格)
・ISO(国際標準化機構)
・IEC(国際電気標準会議)
・IEEE(米国電気電子学会の標準)

デファクト標準(事実上の標準)

デファクト標準(de facto standard)とは、公的な手続きではなく、市場競争の結果として広まった標準です。「事実上の」という意味のラテン語が由来です。

💻 デファクト標準の例
・Windows(PCのOS)
・Microsoft Office(オフィスソフト)
・USB(接続規格)
・QWERTY配列(キーボード)
・PDF(文書形式)

デジュール vs デファクトの比較

項目デジュール標準デファクト標準
意味公的標準事実上の標準
決め方公的機関が正式に制定市場競争で自然に広まる
JIS、ISO、IECWindows、USB
メリット公平性・透明性が高い実用性・普及速度が速い
デメリット制定に時間がかかる特定企業に依存
💡 覚え方
デジュール = 「公式(de jure)」 = お役所が決める
デファクト = 「事実上(de facto)」 = 市場が決める

まとめ|標準化の階層を理解して活用する

この記事の要点

📝 3つのポイント
  • 標準化は3階層:社内標準→産業標準(JIS)→国際標準(ISO/IEC)のピラミッド構造
  • 上位標準を参照:社内標準を作るときはJISやISOを参考にする
  • 2種類の標準:デジュール(公的)とデファクト(事実上)の違いを理解する

標準化の全体像

階層範囲代表例管轄・策定者
国際標準世界ISO 9001、IEC 61508ISO、IEC
産業標準日本JIS Q 9001、JIS Z 9015経済産業省
社内標準自社作業標準書、検査規格各企業

標準化は、単なるルール作りではありません。上位標準との整合性を保ちながら、自社に合った形にカスタマイズすることで、品質管理の土台が強固になります。

特にグローバル化が進む現代では、ISO認証の取得が取引の前提条件になることも多く、国際標準への対応は避けて通れません。

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