- 社内標準と国際標準の関係がわからない
- JIS、ISO、IECの違いって何?
- 「デジュール標準」「デファクト標準」という言葉が出てきて混乱
- 標準化の階層構造をイメージできない
- 標準化の3階層(社内→産業→国際)をピラミッドで理解
- JIS・ISO・IECそれぞれの役割と違い
- デジュール標準とデファクト標準の違い
- 社内標準を作るときの上位標準の活用法
「JISとかISOとか、いろいろあってややこしい…」
標準には階層があります。会社の中だけで使う「社内標準」、日本全体で使う「JIS」、世界中で使う「ISO」。この関係を理解すれば、標準化の全体像がスッキリ見えてきます。
この記事では、標準化の階層構造を「ピラミッド」のイメージで徹底解説します。
目次
標準化の3階層|ピラミッドで理解する
標準化のピラミッド構造
標準化は、3つの階層で構成されています。ピラミッドのように、上に行くほど適用範囲が広くなります。
| 階層 | 適用範囲 | 例 |
|---|---|---|
| 国際標準 | 世界中 | ISO、IEC |
| 産業標準(国家標準) | 日本国内 | JIS(日本産業規格) |
| 社内標準 | 自社内のみ | 作業標準書、検査規格 |
頂上(国際標準):世界共通のルール。貿易の共通言語。
中段(産業標準):国内共通のルール。国際標準を日本向けにアレンジ。
土台(社内標準):自社のルール。上位標準を参照して作成。
重要なのは、下位の標準は上位の標準を参照して作るということです。社内標準を作るときは、JISやISOを参考にします。
なぜ階層構造になっているのか?
標準化が階層構造になっている理由は、適用範囲と具体性のバランスです。
| 階層 | 適用範囲 | 具体性 |
|---|---|---|
| 国際標準 | 広い(世界中) | 抽象的(大枠のみ) |
| 産業標準 | 中程度(国内) | 中程度 |
| 社内標準 | 狭い(自社のみ) | 具体的(手順まで詳細) |
ISOは世界中で使えるように「大枠」だけを定め、各国や各企業がそれを具体化していく仕組みです。

社内標準化|自社のルールを作る
社内標準とは?
社内標準とは、自社の中だけで適用される標準です。その会社独自のルール・手順・基準を文書化したものです。
・作業標準書(この手順で作業する)
・検査規格(この基準で検査する)
・設計基準(この方法で設計する)
・購買基準(この条件で仕入れる)
・文書管理規定(この方法で文書を管理する)
社内標準化のメリット
社内標準を整備することで、以下のようなメリットがあります。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 品質の安定 | 誰がやっても同じ品質を実現 |
| 効率化 | 毎回考える必要がなく、作業が速い |
| ノウハウの蓄積 | ベテランの知識を文書化して継承 |
| 教育の効率化 | 新人教育がマニュアルで統一できる |
| 責任の明確化 | 「誰が何をするか」が明文化される |
社内標準を作るときのポイント
社内標準を作るときは、JISやISOを参照しましょう。
例えば、品質マネジメントシステムの社内規定を作るなら、ISO 9001やJIS Q 9001の要求事項を参考にします。
ゼロから作るより、上位標準をベースにカスタマイズした方が効率的で、整合性も取れます。

産業標準化(JIS)|日本国内の共通ルール
JIS(日本産業規格)とは?
JIS(Japanese Industrial Standards)は、日本の産業製品に関する国家標準です。経済産業省が管轄しています。
正式名称:日本産業規格(旧:日本工業規格)
管轄:経済産業省
規格数:約10,000規格以上
法的根拠:産業標準化法
JISの分類(アルファベット記号)
JISは、分野ごとにアルファベットで分類されています。QC検定でよく出るものを覚えておきましょう。
| 記号 | 分野 | 例 |
|---|---|---|
| JIS Z | 基本(品質管理、統計など) | JIS Z 9015(抜取検査) |
| JIS Q | マネジメントシステム | JIS Q 9001(品質MS) |
| JIS C | 電気・電子 | JIS C 60068(環境試験) |
| JIS B | 機械 | JIS B 0001(図面) |
| JIS K | 化学 | JIS K 0050(化学分析) |
JISマーク制度
JISに適合した製品にはJISマークを表示できます。これは消費者にとって「品質の目印」になります。
・消費者に品質の安心感を与える
・取引先からの信頼性向上
・公共調達での優先採用
・輸出時の品質証明

国際標準化(ISO・IEC)|世界共通のルール
ISOとは?
ISO(International Organization for Standardization)は、国際標準化機構のことです。電気・電子分野以外の国際規格を策定しています。
正式名称:国際標準化機構
本部:スイス・ジュネーブ
加盟国:160カ国以上
規格数:約24,000規格以上
対象分野:電気・電子以外の全分野
IECとは?
IEC(International Electrotechnical Commission)は、国際電気標準会議のことです。電気・電子分野の国際規格を策定しています。
正式名称:国際電気標準会議
本部:スイス・ジュネーブ
対象分野:電気・電子・通信・エネルギー
ISO・IECの主な規格
| 規格番号 | 名称 | 内容 |
|---|---|---|
| ISO 9001 | 品質マネジメントシステム | 品質管理の国際標準 |
| ISO 14001 | 環境マネジメントシステム | 環境管理の国際標準 |
| ISO 45001 | 労働安全衛生MS | 安全衛生管理の国際標準 |
| IEC 61508 | 機能安全 | 電気・電子系の安全規格 |
国際標準化のメリット
- 貿易の円滑化:どの国でも同じ基準で取引できる
- 技術の共通言語:国を超えてコミュニケーションできる
- 製品の互換性:異なる国のメーカーの製品を組み合わせられる
- 市場アクセス:ISO認証があれば海外市場に参入しやすい
デジュール標準とデファクト標準|2種類の標準化
デジュール標準(公的標準)
デジュール標準(de jure standard)とは、公的な標準化機関が正式な手続きで制定した標準です。「法律上の」という意味のラテン語が由来です。
・JIS(日本産業規格)
・ISO(国際標準化機構)
・IEC(国際電気標準会議)
・IEEE(米国電気電子学会の標準)
デファクト標準(事実上の標準)
デファクト標準(de facto standard)とは、公的な手続きではなく、市場競争の結果として広まった標準です。「事実上の」という意味のラテン語が由来です。
・Windows(PCのOS)
・Microsoft Office(オフィスソフト)
・USB(接続規格)
・QWERTY配列(キーボード)
・PDF(文書形式)
デジュール vs デファクトの比較
| 項目 | デジュール標準 | デファクト標準 |
|---|---|---|
| 意味 | 公的標準 | 事実上の標準 |
| 決め方 | 公的機関が正式に制定 | 市場競争で自然に広まる |
| 例 | JIS、ISO、IEC | Windows、USB |
| メリット | 公平性・透明性が高い | 実用性・普及速度が速い |
| デメリット | 制定に時間がかかる | 特定企業に依存 |
デジュール = 「公式(de jure)」 = お役所が決める
デファクト = 「事実上(de facto)」 = 市場が決める

まとめ|標準化の階層を理解して活用する
この記事の要点
- 標準化は3階層:社内標準→産業標準(JIS)→国際標準(ISO/IEC)のピラミッド構造
- 上位標準を参照:社内標準を作るときはJISやISOを参考にする
- 2種類の標準:デジュール(公的)とデファクト(事実上)の違いを理解する
標準化の全体像
| 階層 | 範囲 | 代表例 | 管轄・策定者 |
|---|---|---|---|
| 国際標準 | 世界 | ISO 9001、IEC 61508 | ISO、IEC |
| 産業標準 | 日本 | JIS Q 9001、JIS Z 9015 | 経済産業省 |
| 社内標準 | 自社 | 作業標準書、検査規格 | 各企業 |
標準化は、単なるルール作りではありません。上位標準との整合性を保ちながら、自社に合った形にカスタマイズすることで、品質管理の土台が強固になります。
特にグローバル化が進む現代では、ISO認証の取得が取引の前提条件になることも多く、国際標準への対応は避けて通れません。
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