「教科書には『実験は繰り返せ』と書いてある。でも...」
「試作に使う高い材料、そんなに買えません!」
「明日までに結果を出せと言われているんです!」
現場では、理想通りにいかないことの方が多いですよね。
そんな崖っぷちの状況で役立つのが、今回紹介する「繰返しのない二元配置実験」です。
これは、精度を少し犠牲にする代わりに、圧倒的なスピードと低コストを手に入れる「ショートカット術」です。
🔍 繰返しのない二元配置実験とは?
すべての条件の組み合わせを、「たった1回ずつ」しか試さない実験方法。
通常なら3回繰り返すところを1回で済ませるため、実験回数を劇的に減らせます。
目次
1. カレー作りで見る「圧倒的時短」効果🍛
今回も「肉の種類(牛・鶏)」と「スパイス量(多・少)」で実験しますが、スケジュールの余裕が全くないと仮定しましょう。
🐢 通常の実験(繰返し3回)
4通りの組み合わせ × 3回
合計 12回
(コストも時間も重い...)
🐇 繰返しなし実験
4通りの組み合わせ × 1回
合計 4回だけ!
(1/3の労力で完了!)
たった4皿作るだけで、おおよその傾向が見えてきます。
「とりあえず牛か鶏か決めたい」「大外れしなければいい」というフェーズでは、このスピード感が最大の武器になります。
2. 早いけど、危ない? トレードオフを知る⚖️
うまい話には裏があります。
「繰返しなし」は強力ですが、失うものも大きいのです。
繰返し あり vs なし 比較表
| 項目 | 繰返し あり(理想) | 繰返し なし(時短) |
|---|---|---|
| コスト・時間 | 高い・長い | 安い・早い ⭕ |
| データの信頼性 | 高い ⭕ | やや低い |
| 誤差の把握 | ばらつきが見える | 偶然か実力か分からない ⚠️ |
| おすすめ場面 | 最終決定・厳密な検査 | 初期スクリーニング・方向付け |
3. 賢い「使い分け」戦略🎯
重要なのは、「いつ使うか」です。
この手法は、開発の初期段階、いわゆる「スクリーニング(ふるい分け)」で真価を発揮します。
✅ 成功パターンの例
- 初期段階(繰返しなし):
「とりあえず4パターンだけ作って、全然ダメな組み合わせを捨てる」 - 最終段階(繰返しあり):
「残った有望な組み合わせだけ、しっかり3回ずつテストして本採用する」
まとめ:制約を味方につけろ
「完璧な実験」ができないからといって、諦める必要はありません。
リスクを知った上でショートカットを使うことこそ、プロの現場対応力です。
しかし、データを簡略化するときには、「何かが混ざり合って、真実が見えなくなる」リスクも高まります。
それが次に学ぶ「交絡(こうらく)」という現象です。
NEXT STEP
⚠️ データ分析の落とし穴
【初心者向け】「交絡」の恐怖|データに騙されるな!
要因が混ざり合って、真犯人が分からなくなる...実験結果を台無しにする「交絡」の正体とは?
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