電験三種の「理論」科目で最初にぶつかる壁、それが静電気です。
「公式を見てもイメージが湧かない」「計算ミスが多い」という方のために、試験に出るポイントだけを絞り込みました。
目次
1. 全ての基本!クーロンの法則
電気にはプラス(+)とマイナス(-)があります。
この2つの電気が引き合ったり、反発したりする力のことを「静電力(クーロン力)」と呼びます。
この力 F を求める公式は、以下の通りです。これが全ての出発点です。
初心者の方は、この式を「暗号」ではなく、以下のような「日本語のルール」として読み解いてください。
- 分子の Q(電荷): 電気が大きいほど、力は強い。(比例)
- 分母の r(距離): 距離が離れると、力は急激に弱くなる。(2乗に反比例)
- k(比例定数): 真空中の場合、9 × 109 という決まった数字が入ります。
⚠️ 「距離」の引っかけに注意!
「距離 r が2倍になると、力 F はどうなるか?」という問題が頻出です。
分母が「2乗」なので、2の2乗=4。
つまり、力は 1/4(4分の1) に激減します。ここを単に「半分(1/2)」と間違えないことが合格への第一歩です。
2. 電界と電位の違い(イメージで攻略)
「電界」と「電位」の違いでつまずく人が多いですが、これは山の景色に例えると一瞬で分かります。
① 電界 \( E \) [V/m] = 「坂の急さ(傾き)」
電界とは、そこに+1C(クーロン)の電気を置いたとき、「どれくらい強く転がり落ちるか(押されるか)」を表す数値です。
坂道が急であればあるほど、強く転がりますよね。それが電界の強さです。

② 電位 \( V \) [V] = 「地面からの高さ」
電位とは、その場所の「エネルギーの高さ」のことです。
高いところにあるボールほど、落ちたときに大きなエネルギーを持ちます。これが電圧(電位差)の正体です。

3. 最重要公式:V = Ed
平らな坂道(平等電界)では、以下の超重要公式が成り立ちます。
コンデンサの問題は、ほぼこの式を使います。
高さ(V) = 傾き(E) × 距離(d)
まずはこの3つの要素(力、傾き、高さ)のイメージを頭に入れておけば、複雑な計算問題も怖くありません。