目次
1. なぜ “合格率の推移” を知るべきか
合格率は「試験の難しさ」を測る唯一の客観指標です。
長期データを確認すると 試験制度の変更・受験者層の変化 が一目でわかり、
「今が挑戦の好機か?」
を判断する材料になります。
2. 公式サイト(電気技術者試験センター)公表値で見る 2014–2024 年推移
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2014 | 48,681 | 4,102 | 8.43 % |
2015 | 45,311 | 3,502 | 7.73 % |
2016 | 46,552 | 3,980 | 8.55 % |
2017 | 45,720 | 3,698 | 8.09 % |
2018 | 42,976 | 3,918 | 9.12 % |
2019 | 41,543 | 3,879 | 9.34 % |
2020 | 39,010 | 3,836 | 9.83 % |
2021 | 37,765 | 4,357 | 11.54 % |
2022 上期 | 33,786 | 2,793 | 8.27 % |
2022 下期 | 28,785 | 4,514 | 15.68 % |
2023 上期 | 28,168 | 4,683 | 16.63 % |
2023 下期 | 24,567 | 5,211 | 21.21 % |
2024 上期 | 25,416 | 4,064 | 15.99 % |
2024 下期 | 24,547 | 4,117 | 16.77 % |
参考:電気技術者試験センター https://www.shiken.or.jp/chief/third/result/
(受験者=1 科目でも出席した人数。公式統計より算出)
グラフで読み解くと:
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2014〜2021 年までは一桁台〜11 %で横ばい。
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2022 下期に +7 pt の大幅上昇。
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2023 下期は史上最高の 21 % に達し、2024 年も 16 % 前後で推移。
3. 合格率を押し上げた主な3要因
要因 | 具体的な変化 | 影響度 |
---|---|---|
CBT 方式導入(2022) | 画面操作・内蔵電卓・科目順自由 | ★★★★☆ |
年2回実施 | 半年スパンで再挑戦可/科目合格が積み上がる | ★★★★☆ |
技術者高齢化 | 有資格者の高齢化→需給ギャップ拡大、合格者の“量”を確保 | ★★★☆☆ |
補足:公式発表では基準点は変えていないとされていますが、
企業側の人手不足と試験回数増で「実質的な難度はやや緩和」したと見る受験指導校も。
4. 科目別の上昇幅が物語る “難易度の均一化”
科目 | 合格率 2019 | 2024 上期 | 伸び幅 |
---|---|---|---|
理論 | 10.2 % | 29.2 % | +19 % |
電力 | 11.0 % | 25.3 % | +14 % |
機械 | 9.8 % | 24.9 % | +15 % |
法規 | 12.1 % | 24.4 % | +12 % |
観察結果:最難関と言われる機械でさえ合格率 25 %前後まで上昇。
バランス良く難易度が緩和された可能性が高い。
2024 上期データを見ると、理論 29 %、電力 25 %、機械 25 %、法規 24 %。
以前は機械が 10 % を切る年もありましたが、4科目がほぼ横並び に。
▶︎ 出題バランスが調整され、“特定科目だけ極端に難しい” 状況は解消傾向。
5. それでも合格率 16 %=6人に5人は不合格
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“科目 60 点” 条件は不変
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1科目でも 59 点なら不合格。油断は禁物。
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受験者の9割近くは依然として不合格
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合格率 20 %でも、5人に4人は落ちる事実を忘れない。
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合格率上昇=チャンスだが、“60 点×4” の壁は依然高い。
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6. 今後の予測と受験者が取るべき戦略
予測:2025 年度も CBT 体制が成熟し 15〜20 %前後で推移。
取るべき戦略
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上期・下期2回受験を前提に計画
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上期で得意科目を稼ぎ、下期で残りを仕留める。
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CBT 画面操作を事前に体験
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公式サイトのデモでズーム/電卓機能を練習。
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過去3年 CBT 問題を最優先で演習
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新傾向(再エネ・パワエレ・漏電保護数値)が集中している。
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7. まとめ|上昇トレンドを“追い風”に変えるのはあなた次第
合格率は確かに上がりました。
しかし 6割 ×4 科目 という絶対条件がある限り、
「配点を把握し、得点源に集中する戦略」
「年2回チャンスを活かす計画」
を持つ受験者だけが、この追い風を“合格通知”に変えられます。
今日から データに基づいた学習戦略 で、無駄な戦いを避け、最短ルートで電験三種を突破しましょう。