💡 この記事で解決できる悩み
✅「温度を50℃・70℃・90℃の3段階で試したいけど、L4やL8は2水準しか扱えない…」
✅「材料を3種類、時間を4段階で実験したい。どうすればいい?」
✅「多水準直交表って聞いたことあるけど、何がどう違うの?」
🎯 この記事を読むとわかること
✔ 多水準直交表とは何か?(定義と基本の考え方)
✔ 2水準だけでは足りない理由
✔ L9・L18といった代表的な多水準直交表の特徴
✔ 多水準直交表を使う際の注意点
目次
🌟 はじめに:2水準だけでは現実の実験に対応できない!
これまで「L4直交表・L8直交表の使い方」で学んだように、直交配列表を使えば少ない試行回数で効率的に実験できます。
しかし、L4やL8は「2水準因子」(例:ON/OFF、低温/高温)にしか対応していません。
実際の現場では、こんな実験が必要になりませんか?
🔥 温度を「50℃」「70℃」「90℃」の3水準で比較したい
⏱️ 時間を「5分」「10分」「15分」「20分」の4水準で調べたい
📦 材料を「材質A」「材質B」「材質C」の3種類で試したい
このように「2水準では表現できない因子」を扱うときに必要なのが、多水準直交表です!
この記事では、多水準直交表の基本から代表的な表(L9、L18)の特徴、使い方の注意点まで、初心者にもわかりやすく解説します。
📘 1. 多水準直交表とは?
定義をシンプルに理解する
💡 多水準直交表とは
各因子に対して、2水準以上(3水準、4水準など)の条件を設定できる直交配列表のことです。
例えば、温度を「50℃」「70℃」「90℃」の3種類で比較したい場合、2水準(低/高)だけでは中間の条件を捉えられません。
このとき、3水準を扱える直交表が必要になります。それが多水準直交表です。
2水準直交表との違い
| 項目 | 2水準直交表(L4、L8など) | 多水準直交表(L9、L18など) |
|---|---|---|
| 水準数 | 各因子2水準のみ | 各因子3水準以上も可能 |
| 使える場面 | ON/OFF、低/高など2択の比較 | 温度(50/70/90℃)など中間条件も必要な場合 |
| 代表例 | L4、L8、L16 | L9、L18、L27 |
👉 実験計画法の全体像を理解すると、どの場面でどの直交表を使うべきかがわかります。
🔥 2. なぜ多水準直交表が必要なのか?
現場の実験は「2択」だけでは済まない
実際の現場では、以下のような状況が頻繁に発生します。
ケース1:最適な条件が中間にある可能性
温度「50℃」と「90℃」だけ試して、実は「70℃」が最適だったら…?中間条件を調べないと最適解を見逃します。
ケース2:段階的な変化を知りたい
「低」「中」「高」の3段階で効果がどう変わるかを知ることで、より詳細な主効果の分析が可能になります。
ケース3:カテゴリ因子が3つ以上
「材料A」「材料B」「材料C」のように、そもそも選択肢が3つ以上ある因子は2水準では表現できません。
つまり、現実の複雑な実験条件に対応するには、多水準直交表の知識が必須なのです!
👉 実験で交互作用が重要な場合も、多水準で調べることで詳細な分析が可能になります。
📊 3. 代表的な多水準直交表
【代表例1】L9直交表(3水準)
【具体例】
温度(50℃、70℃、90℃)、時間(5分、10分、15分)、材料(A、B、C)の3因子をそれぞれ3水準で実験したい場合、全組み合わせなら3×3×3=27試行が必要です。
しかしL9直交表を使えば、わずか9試行で主効果を推定できます!
👉 一元配置実験や二元配置実験との違いも理解すると、L9の効率の良さが実感できます。
【代表例2】L18直交表(2水準+3水準の混合)
🟠 L18直交表の特徴
✅ 2水準因子と3水準因子を同時に扱える
✅ 全18試行で複雑な条件を効率的にまとめられる
✅ 現場で非常によく使われる実用的な直交表
✅ 最大8因子まで割り付け可能(2水準×1 + 3水準×7など)
【具体例】
以下のような混合条件の実験に最適です。
- 🔹 2水準因子:スイッチ(ON/OFF)
- 🔹 3水準因子:温度(50℃、70℃、90℃)、時間(5分、10分、15分)
このような混合条件でも、L18なら18試行で効率的に実験できます。
👉 フィッシャーの三原則に基づいて実験を設計すれば、さらに信頼性の高い結果が得られます。
その他の多水準直交表
| 直交表 | 試行回数 | 扱える水準 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| L27 | 27回 | 3水準 | 多数の3水準因子を扱う場合に使用 |
| L36 | 36回 | 2水準+3水準 | L18より多くの因子を扱いたい場合 |
👉 実験計画法の学習マップで、各直交表の使い分けを体系的に学べます。
⚠️ 4. 多水準直交表を使うときの注意点
注意点1:試行回数が増える
⚠️ 水準数が増えると試行回数も増加
L4(4試行)→ L9(9試行)→ L27(27試行)のように、3水準因子を増やすほど試行回数が増えます。コストと時間を事前に見積もりましょう。
👉 繰返しの回数も考慮して、現実的な実験計画を立てることが重要です。
注意点2:交互作用の推定が難しい
注意点3:水準の取り方が結果に影響する
⚠️ 水準の間隔設定が重要
温度を「50℃、55℃、60℃」と狭い範囲で設定するか、「50℃、70℃、90℃」と広く取るかで、得られる知見が変わります。目的に応じた適切な水準設定を心がけましょう。
👉 交絡の恐怖を理解すると、因子の割り付けミスを防げます。
注意点4:解析にはソフトウェアの活用を推奨
多水準直交表の解析は手計算では大変です。MinitabやJMP、Rなどの統計ソフトウェアを活用すると効率的に分析できます。
👉 実験計画法まとめ+確認問題で知識を整理し、実践に備えましょう。
📝 まとめ
✅ この記事のポイント
🔹 多水準直交表は、2水準以外の因子(3水準、4水準など)を扱うときに使う直交配列表
🔹 代表例はL9直交表(3水準)とL18直交表(2水準+3水準混合)
🔹 現場の複雑な実験条件に対応するために必須のツール
🔹 試行回数の増加、交互作用推定の難しさ、水準設定の重要性に注意
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