実験計画法

因子と水準の違いとは?基本用語を図解で解説|実験計画法の基礎概念③

📌 この記事の位置づけ

「実験計画法の基礎概念シリーズ」第3回。前回は「全数試験の限界」を学びました。今回は実験計画法の最重要キーワード「因子」と「水準」の違いを解説します。

「因子と水準、どっちがどっちか混乱する…」

「英語でFactorとLevelって言われても…」

大丈夫です。この2つは「何を」と「どのくらい」で覚えれば一発です。

ホットケーキ作りを例に、図解でスッキリ理解しましょう。

因子とは?【何を変えるか】

因子(いんし)とは、実験で意図的に変える条件のことです。

英語では「Factor(ファクター)」と言います。

📖 因子の定義

結果に影響を与えそうな「変えたい条件」のこと。
何を変えるか?」の答えが因子。

🥞 ホットケーキで考える「因子」

「ふわふわのホットケーキを作りたい!」と思ったとき、何を変えてみますか?

  • 牛乳の量 → 因子A
  • 卵の個数 → 因子B
  • 焼き加減(火力) → 因子C

このように「結果を左右しそうな条件」が因子です。

水準とは?【どのくらい変えるか】

水準(すいじゅん)とは、因子の具体的な設定値のことです。

英語では「Level(レベル)」と言います。

📖 水準の定義

因子ごとに設定する「具体的な値や種類」のこと。
どのくらい変えるか?」の答えが水準。

🥞 ホットケーキで考える「水準」

先ほどの因子に、具体的な値を設定してみましょう。

因子水準1水準2
A:牛乳の量100ml200ml
B:卵の個数1個2個
C:焼き加減弱火🔥強火🔥🔥

「牛乳の量」という因子に対して、「100ml」「200ml」という水準を設定するわけです。

因子と水準の関係【親子関係でイメージ】

因子と水準の関係は、「親」と「子」でイメージするとわかりやすいです。

因子(親)

「何を変えるか?」

水準1(子)

水準2(子)

「どのくらい変えるか?」

1つの因子(親)に対して、複数の水準(子)がぶら下がるイメージです。

水準は2つとは限りません。「弱火・中火・強火」のように3水準にすることもあります。

覚え方のコツ【一発で区別する方法】

混乱したときは、この質問を思い出してください。

因子「何を」変える? → 条件の種類
水準「どのくらい」変える? → 条件の

もう一つの覚え方として、「因子は名詞、水準は形容詞」という見方もあります。

  • 因子:牛乳の量(の話?)
  • 水準:多い or 少ない(どんな状態?)

よくある質問

❓ 水準は2つじゃないとダメ?

いいえ、3つ以上でもOKです。

たとえば「温度」という因子に対して、「100℃・150℃・200℃」と3水準を設定することもあります。

ただし、水準を増やすと実験回数が増えるので、まずは2水準で始めるのが基本です。

❓ 因子はいくつまで設定できる?

理論上は制限がありませんが、多すぎると実験が複雑になります

実務では3〜7因子程度で始めることが多いです。直交表を使えば、7因子でも8回の実験で済みます。

まとめ

📌 この記事のポイント

  • 因子=「何を変えるか?」(条件の種類)
  • 水準=「どのくらい変えるか?」(条件の具体的な値)
  • 1つの因子に対して、複数の水準がぶら下がる「親子関係」
  • まずは2水準で始めるのが基本

因子と水準がわかれば、実験の設計がグッとイメージしやすくなります。次の記事では、「なぜ同じ条件で複数回実験するのか?」という繰り返しの重要性を解説します。

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「同じ条件で何度も実験するのは無駄じゃない?」いいえ、繰り返しがないと「たまたま」と「本当の効果」を区別できません。その理由を解説します。

繰り返しとは?|基礎概念④ →

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