- 「品質監査」って何をするの?
- 内部監査と外部監査の違いがわからない
- 「適合性」と「有効性」の違いって何?
- 不適合を指摘されたら、どう対応すればいいの?
- 品質監査の目的を「健康診断」のイメージで理解
- 内部監査と外部監査の違いと役割
- 適合性と有効性の違いを具体例で整理
- 監査のプロセスと是正処置の進め方
「監査」と聞くと、なんだか怖いイメージがありませんか?
でも実は、品質監査はQMS(品質マネジメントシステム)の「健康診断」です。問題を見つけて改善するための、とても前向きな活動なのです。
この記事では、品質監査の目的・種類・進め方を、イメージ重視で徹底解説します。
目次
品質監査とは?|QMSの健康診断
品質監査の定義
品質監査とは、品質マネジメントシステム(QMS)が正しく機能しているかを確認する活動です。
イメージは「健康診断」です。
患者 = QMS(品質マネジメントシステム)
医者 = 監査員
検査項目 = 監査基準(ISO 9001など)
診断結果 = 監査報告書
治療 = 是正処置
健康診断と同じで、問題を早期発見して改善することが目的です。「悪いところを見つけて怒る」ためではありません。
品質監査の目的
品質監査には、大きく2つの目的があります。
| 目的 | 確認すること | 質問の例 |
|---|---|---|
| 適合性の確認 | ルール通りにやっているか? | 「手順書通りに作業していますか?」 |
| 有効性の確認 | ちゃんと効果が出ているか? | 「不良率は目標を達成していますか?」 |
「ルール通りにやっている(適合性OK)」だけでは不十分。
「ちゃんと効果が出ている(有効性OK)」かどうかも確認することが重要。

内部監査と外部監査|誰がチェックするか
内部監査(第一者監査)
内部監査とは、組織内部の人が自社のQMSをチェックする監査です。「第一者監査」とも呼ばれます。
- 監査する人:自社の社員(内部監査員)
- 目的:自社のQMSの改善点を見つける
- 頻度:年1回以上(ISO 9001の要求)
- メリット:社内の実情を知っている、コストが低い
- 注意点:自分の部門は監査できない(独立性の確保)
外部監査(第二者・第三者監査)
外部監査とは、組織外部の人がQMSをチェックする監査です。「誰が監査するか」によって2種類に分かれます。
| 種類 | 監査する人 | 目的 |
|---|---|---|
| 第二者監査 | 顧客・取引先 | 取引先としての適格性を確認 |
| 第三者監査 | 認証機関 | ISO認証の取得・維持 |
3種類の監査の比較
| 項目 | 第一者監査 (内部監査) | 第二者監査 | 第三者監査 |
|---|---|---|---|
| 監査者 | 自社社員 | 顧客・取引先 | 認証機関 |
| 目的 | 自社改善 | 取引先評価 | 認証取得・維持 |
| 客観性 | 低い | 中程度 | 高い |
| 例 | 年次内部監査 | サプライヤー監査 | ISO審査 |

適合性と有効性|監査で確認する2つの視点
適合性(Conformity)とは?
適合性とは、「決められたルール通りにやっているか」を確認することです。
・作業標準書通りに作業しているか?
・記録は正しく残されているか?
・文書は最新版が使われているか?
・ISO 9001の要求事項を満たしているか?
適合性の確認は、「ルールブック」と「実態」を照らし合わせる作業です。
有効性(Effectiveness)とは?
有効性とは、「そのルールや活動がちゃんと効果を出しているか」を確認することです。
・品質目標は達成されているか?
・クレーム件数は減少しているか?
・是正処置で再発は防止できているか?
・QMSは継続的に改善されているか?
有効性の確認は、「結果」や「成果」を見る作業です。
適合性と有効性の比較
| 項目 | 適合性 | 有効性 |
|---|---|---|
| 質問 | ルール通りか? | 効果が出ているか? |
| 確認対象 | プロセス(やり方) | 結果(成果) |
| 例 | 手順書通りに作業している | 不良率が目標以下 |
| イメージ | レシピ通りに作っているか | 美味しい料理ができているか |
適合性だけ見て有効性を見ない監査は不十分です。
「ルール通りにやっているけど、結果が出ていない」という状況を見逃してしまいます。
例:手順書通りに検査しているが、不良品が流出している

監査のプロセス|計画から是正処置まで
監査の5ステップ
品質監査は、以下の5つのステップで進めます。
| ステップ | 内容 | 主な活動 |
|---|---|---|
| ①計画 | 監査プログラムの作成 | 対象部門、日程、監査員の決定 |
| ②準備 | 監査の準備 | チェックリスト作成、文書レビュー |
| ③実施 | 現場での監査 | インタビュー、記録確認、現場観察 |
| ④報告 | 監査結果の報告 | 監査報告書作成、経営層への報告 |
| ⑤フォローアップ | 是正処置の確認 | 是正処置の実施確認、有効性確認 |
不適合と是正処置
監査で問題が見つかった場合、それを「不適合」として記録し、「是正処置」を求めます。
①不適合の指摘:監査員が問題を発見し、不適合報告書を発行
②原因分析:被監査部門が「なぜ起きたか」を分析
③是正処置:原因を取り除く対策を実施
④有効性確認:監査員が是正処置の効果を確認
⑤クローズ:問題が解決したら不適合をクローズ
不適合の分類
不適合は、重大度によって分類されることがあります。
| 分類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 重大な不適合 | QMSの重要な要素が欠如・機能していない | 内部監査を全く実施していない |
| 軽微な不適合 | 部分的な逸脱・単発的な問題 | 1件の記録に署名漏れがあった |
| 観察事項 | 不適合ではないが改善の余地あり | 手順書の表現がわかりにくい |

監査員の役割と心構え
監査員に求められる資質
良い監査を行うためには、監査員に以下の資質が求められます。
- 客観性:先入観を持たず、事実に基づいて判断する
- 公平性:特定の部門や個人に偏らない
- 独立性:監査対象から独立した立場を保つ
- 傾聴力:相手の話をしっかり聞く
- コミュニケーション力:質問や指摘を適切に伝える
監査の心構え
・「粗探し」をして相手を責める
・上から目線で偉そうに指摘する
・現場の実情を無視して理想論を押し付ける
・不適合を見つけることが目的になっている
・改善のヒントを一緒に探す姿勢
・敬意を持って接する
・現場の声に耳を傾ける
・組織全体の品質向上を目指す
まとめ|品質監査はQMSの健康診断
この記事の要点
- 品質監査=QMSの健康診断:問題を早期発見して改善するための前向きな活動
- 適合性と有効性の両方を確認:「ルール通りか」だけでなく「効果が出ているか」も見る
- 不適合→是正処置→改善:指摘して終わりではなく、改善まで確認する
品質監査の全体像
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | QMSの適合性と有効性を確認し、改善につなげる |
| 種類 | 内部監査(第一者)、外部監査(第二者・第三者) |
| 確認事項 | 適合性(ルール通りか)、有効性(効果が出ているか) |
| プロセス | 計画→準備→実施→報告→フォローアップ |
| 問題発見時 | 不適合指摘→原因分析→是正処置→有効性確認 |
品質監査は、「怖い」「面倒」なものではありません。定期的な健康診断のように、QMSを健全に保つための重要な活動です。監査を通じて発見された問題は、組織を成長させるチャンスと捉えましょう。
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