QC検定 実践編

【QC検定1級】品質監査|QMSの適合性と有効性を確認する

😣 こんな悩みはありませんか?
  • 「品質監査」って何をするの?
  • 内部監査と外部監査の違いがわからない
  • 「適合性」と「有効性」の違いって何?
  • 不適合を指摘されたら、どう対応すればいいの?
✅ この記事でわかること
  • 品質監査の目的を「健康診断」のイメージで理解
  • 内部監査と外部監査の違いと役割
  • 適合性と有効性の違いを具体例で整理
  • 監査のプロセスと是正処置の進め方

「監査」と聞くと、なんだか怖いイメージがありませんか?

でも実は、品質監査はQMS(品質マネジメントシステム)の「健康診断」です。問題を見つけて改善するための、とても前向きな活動なのです。

この記事では、品質監査の目的・種類・進め方を、イメージ重視で徹底解説します。

品質監査とは?|QMSの健康診断

品質監査の定義

品質監査とは、品質マネジメントシステム(QMS)が正しく機能しているかを確認する活動です。

イメージは「健康診断」です。

🏥 健康診断で考える品質監査

患者 = QMS(品質マネジメントシステム)
医者 = 監査員
検査項目 = 監査基準(ISO 9001など)
診断結果 = 監査報告書
治療 = 是正処置

健康診断と同じで、問題を早期発見して改善することが目的です。「悪いところを見つけて怒る」ためではありません。

品質監査の目的

品質監査には、大きく2つの目的があります。

目的確認すること質問の例
適合性の確認ルール通りにやっているか?「手順書通りに作業していますか?」
有効性の確認ちゃんと効果が出ているか?「不良率は目標を達成していますか?」
💡 ポイント
「ルール通りにやっている(適合性OK)」だけでは不十分。
「ちゃんと効果が出ている(有効性OK)」かどうかも確認することが重要。

内部監査と外部監査|誰がチェックするか

内部監査(第一者監査)

内部監査とは、組織内部の人が自社のQMSをチェックする監査です。「第一者監査」とも呼ばれます。

🏢 内部監査の特徴
  • 監査する人:自社の社員(内部監査員)
  • 目的:自社のQMSの改善点を見つける
  • 頻度:年1回以上(ISO 9001の要求)
  • メリット:社内の実情を知っている、コストが低い
  • 注意点:自分の部門は監査できない(独立性の確保)

外部監査(第二者・第三者監査)

外部監査とは、組織外部の人がQMSをチェックする監査です。「誰が監査するか」によって2種類に分かれます。

種類監査する人目的
第二者監査顧客・取引先取引先としての適格性を確認
第三者監査認証機関ISO認証の取得・維持

3種類の監査の比較

項目第一者監査
(内部監査)
第二者監査第三者監査
監査者自社社員顧客・取引先認証機関
目的自社改善取引先評価認証取得・維持
客観性低い中程度高い
年次内部監査サプライヤー監査ISO審査

適合性と有効性|監査で確認する2つの視点

適合性(Conformity)とは?

適合性とは、「決められたルール通りにやっているか」を確認することです。

📋 適合性の確認例

・作業標準書通りに作業しているか?
・記録は正しく残されているか?
・文書は最新版が使われているか?
・ISO 9001の要求事項を満たしているか?

適合性の確認は、「ルールブック」と「実態」を照らし合わせる作業です。

有効性(Effectiveness)とは?

有効性とは、「そのルールや活動がちゃんと効果を出しているか」を確認することです。

📈 有効性の確認例

・品質目標は達成されているか?
・クレーム件数は減少しているか?
・是正処置で再発は防止できているか?
・QMSは継続的に改善されているか?

有効性の確認は、「結果」や「成果」を見る作業です。

適合性と有効性の比較

項目適合性有効性
質問ルール通りか?効果が出ているか?
確認対象プロセス(やり方)結果(成果)
手順書通りに作業している不良率が目標以下
イメージレシピ通りに作っているか美味しい料理ができているか
⚠️ よくある落とし穴
適合性だけ見て有効性を見ない監査は不十分です。

「ルール通りにやっているけど、結果が出ていない」という状況を見逃してしまいます。

例:手順書通りに検査しているが、不良品が流出している

監査のプロセス|計画から是正処置まで

監査の5ステップ

品質監査は、以下の5つのステップで進めます。

ステップ内容主な活動
①計画監査プログラムの作成対象部門、日程、監査員の決定
②準備監査の準備チェックリスト作成、文書レビュー
③実施現場での監査インタビュー、記録確認、現場観察
④報告監査結果の報告監査報告書作成、経営層への報告
⑤フォローアップ是正処置の確認是正処置の実施確認、有効性確認

不適合と是正処置

監査で問題が見つかった場合、それを「不適合」として記録し、「是正処置」を求めます。

🔧 不適合→是正処置の流れ

①不適合の指摘:監査員が問題を発見し、不適合報告書を発行
②原因分析:被監査部門が「なぜ起きたか」を分析
③是正処置:原因を取り除く対策を実施
④有効性確認:監査員が是正処置の効果を確認
⑤クローズ:問題が解決したら不適合をクローズ

不適合の分類

不適合は、重大度によって分類されることがあります。

分類内容
重大な不適合QMSの重要な要素が欠如・機能していない内部監査を全く実施していない
軽微な不適合部分的な逸脱・単発的な問題1件の記録に署名漏れがあった
観察事項不適合ではないが改善の余地あり手順書の表現がわかりにくい

監査員の役割と心構え

監査員に求められる資質

良い監査を行うためには、監査員に以下の資質が求められます。

✅ 監査員の資質
  • 客観性:先入観を持たず、事実に基づいて判断する
  • 公平性:特定の部門や個人に偏らない
  • 独立性:監査対象から独立した立場を保つ
  • 傾聴力:相手の話をしっかり聞く
  • コミュニケーション力:質問や指摘を適切に伝える

監査の心構え

❌ ダメな監査員
・「粗探し」をして相手を責める
・上から目線で偉そうに指摘する
・現場の実情を無視して理想論を押し付ける
・不適合を見つけることが目的になっている
✅ 良い監査員
・改善のヒントを一緒に探す姿勢
・敬意を持って接する
・現場の声に耳を傾ける
・組織全体の品質向上を目指す

まとめ|品質監査はQMSの健康診断

この記事の要点

📝 3つのポイント
  • 品質監査=QMSの健康診断:問題を早期発見して改善するための前向きな活動
  • 適合性と有効性の両方を確認:「ルール通りか」だけでなく「効果が出ているか」も見る
  • 不適合→是正処置→改善:指摘して終わりではなく、改善まで確認する

品質監査の全体像

項目内容
目的QMSの適合性と有効性を確認し、改善につなげる
種類内部監査(第一者)、外部監査(第二者・第三者)
確認事項適合性(ルール通りか)、有効性(効果が出ているか)
プロセス計画→準備→実施→報告→フォローアップ
問題発見時不適合指摘→原因分析→是正処置→有効性確認

品質監査は、「怖い」「面倒」なものではありません。定期的な健康診断のように、QMSを健全に保つための重要な活動です。監査を通じて発見された問題は、組織を成長させるチャンスと捉えましょう。

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