QC検定 実践編

【QC検定1級】トップ診断|経営者自らが現場を診る意義と方法

😣 こんな悩みはありませんか?
  • 「トップ診断」って品質監査と何が違うの?
  • 社長が現場に来て何をするの?
  • 経営者が直接診断する意味がわからない
  • トップ診断で何を質問すればいいの?
✅ この記事でわかること
  • トップ診断の目的を「経営者の現場訪問」として理解
  • 品質監査との違いを明確に整理
  • トップ診断の4つの目的と効果
  • 具体的な進め方と質問例

「社長が現場に来て、一体何を見るの?」

トップ診断は、経営者が自ら現場に足を運び、直接対話する活動です。監査とは違い、「チェック」ではなく「対話と激励」が目的。方針管理を成功させるための重要な仕組みです。

この記事では、トップ診断の意義と進め方を、イメージ重視で徹底解説します。

トップ診断とは?|経営者が現場に足を運ぶ

トップ診断の定義

トップ診断(社長診断)とは、経営者自らが現場を訪問し、方針の浸透状況や活動の実態を直接確認する活動です。

👔 トップ診断の基本

誰が:経営者(社長、工場長など)
何を:方針の浸透、活動の実態、現場の課題
どうやって:現場訪問、直接対話、観察
いつ:年1〜2回(定期的に実施)
なぜ:経営者のコミットメントを示し、現場を知る

ポイントは、報告書を読むのではなく、自分の目で見て、自分の耳で聞くことです。

なぜ経営者自らが行くのか?

「部下からの報告で十分では?」と思うかもしれません。でも、経営者が直接現場に行くことには、報告書では得られない価値があります。

報告書で聞く自分で見に行く
数字やデータだけ現場の雰囲気、空気感がわかる
良い話だけ上がってくる本音や困りごとが聞ける
現場は「他人事」「社長が見に来た」とモチベーションUP
経営と現場の距離が遠い経営者の本気度が伝わる
💡 百聞は一見にしかず

報告書では「不良率1.2%」という数字しかわからない。

でも現場に行けば、「作業者が疲れている」「設備が古くなっている」「5Sが乱れている」など、数字の裏にある真実が見えてくる。

トップ診断と品質監査の違い|チェック vs 対話

目的の違い

トップ診断と品質監査は、どちらもQMSを確認する活動ですが、目的が大きく異なります

項目品質監査トップ診断
主な目的適合性・有効性の確認方針浸透の確認・動機づけ
実施者監査員(内部または外部)経営者(トップ)
スタンス客観的なチェック対話・激励・支援
基準ISO規格、社内規定経営方針、年度目標
アウトプット不適合報告、是正処置要求経営課題の把握、改善提案
雰囲気フォーマル(緊張感あり)対話的(コミュニケーション重視)

一言で言うと

📋 監査 vs 診断

品質監査 = 「ルール通りにやっているか?」をチェックする

トップ診断 = 「方針が伝わっているか?困っていることはないか?」を対話で確認する

監査は「試験官」、トップ診断は「応援団長」というイメージです。どちらも大切ですが、役割が違います。

トップ診断の4つの目的|なぜ経営者が診断するのか

目的①:現場の実態把握

経営者が自分の目で現場を見ることで、報告書では見えない実態を把握できます。

👀 現場でわかること
・作業者の表情、疲労度
・職場の雰囲気、コミュニケーションの様子
・5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の状態
・設備の老朽化、安全面の課題

目的②:方針浸透の確認

経営者が掲げた方針が、現場まで正しく伝わっているかを確認します。

🎯 方針浸透の確認ポイント
  • 現場の人が会社の方針を知っているか?
  • 自分の仕事と方針の関係を理解しているか?
  • 部門目標は会社方針と整合しているか?
  • 日々の活動が方針達成につながっているか?

目的③:従業員の動機づけ

経営者が直接現場に来ることで、従業員のモチベーションが上がります

💪 動機づけの効果

「社長が自分たちの仕事を見に来てくれた」
「自分の頑張りを経営者が知ってくれている」
「会社は現場を大切にしている」

こうした実感が、従業員のやる気につながります。

目的④:問題の早期発見

経営者の視点で現場を見ることで、重要な問題を早期に発見できます。

発見できる問題の例報告書では見えにくい理由
部門間の連携不足各部門は自部門の報告しかしない
人員不足・過重労働現場は「弱音」を言いにくい
設備の老朽化日常化して問題と認識されていない
組織風土の問題数字には表れない

トップ診断の進め方|5つのステップ

ステップ①:事前準備

診断に行く前に、対象部門の状況を把握しておきます。

📋 事前準備の内容
・対象部門の方針・目標の確認
・進捗状況、業績データの確認
・前回の診断での指摘事項の確認
・質問したいポイントの整理

ステップ②:現場訪問

実際に現場を歩いて、自分の目で状況を確認します。

👣 現場訪問で見るポイント
・職場の雰囲気、活気
・5Sの状態(整理・整頓・清掃・清潔・躾)
・作業の様子、安全面
・掲示物(方針、目標、管理グラフなど)

ステップ③:対話・質問

現場のメンバーと直接対話し、状況を深掘りします。

💬 効果的な質問例
  • 「今年の目標は何ですか?進捗はいかがですか?」
  • 「目標達成に向けて、どんな工夫をしていますか?」
  • 「仕事で困っていることはありますか?」
  • 「会社に対して要望はありますか?」
  • 「うまくいった取り組みを教えてください」

ステップ④:フィードバック

診断の最後に、経営者から現場へフィードバックを行います。

フィードバックの内容ポイント
良かった点具体的に褒める。頑張りを認める
改善点責めるのではなく、期待を込めて伝える
激励経営者としての期待と応援を伝える
支援の約束必要なリソースや支援を約束する

ステップ⑤:フォローアップ

診断で発見した課題は、必ずフォローアップします。

⚠️ よくある失敗
「診断して終わり」はNG。

診断で「検討します」と言った課題は、必ずフォローアップし、対応状況を現場に伝える。

これを怠ると、「社長に言っても何も変わらない」と思われてしまう。

トップ診断を成功させるコツ

経営者が意識すべき5つのこと

✅ 成功のコツ
  • 聞く姿勢:話すより聞く。現場の声に耳を傾ける
  • 否定しない:頭ごなしに否定せず、まず受け止める
  • 威圧しない:「社長が来た」と萎縮させない雰囲気づくり
  • 具体的に褒める:「頑張っているね」ではなく「この取り組みは素晴らしい」
  • 約束を守る:「検討する」と言ったことは必ず対応する

避けるべきNG行動

❌ やってはいけないこと
  • 粗探し:悪いところを見つけて叱責する
  • 形式だけ:「来ただけ」で対話がない
  • 一方的な説教:自分の話ばかりして現場の声を聞かない
  • 現場を飛び越えた指示:管理者を通さず直接指示を出す
  • 放置:診断後のフォローアップをしない

まとめ|トップ診断は経営者のコミットメント

この記事の要点

📝 3つのポイント
  • トップ診断=経営者の現場訪問:報告書ではなく、自分の目で見て、自分の耳で聞く
  • 監査とは目的が違う:チェックではなく対話・激励・支援が目的
  • 方針管理の要:経営者のコミットメントを示し、現場と経営をつなぐ

トップ診断の全体像

項目内容
定義経営者自らが現場を訪問し、直接対話で状況を確認する活動
目的現場の実態把握、方針浸透の確認、動機づけ、問題の早期発見
監査との違いチェックではなく対話・激励。経営者自らが行う
進め方事前準備→現場訪問→対話・質問→フィードバック→フォローアップ
成功のコツ聞く姿勢、具体的に褒める、約束を守る

トップ診断は、経営者にとって「現場を知る」機会であり、現場にとって「経営者を知る」機会でもあります。この双方向のコミュニケーションが、方針管理を成功に導くのです。

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