- 「トップ診断」って品質監査と何が違うの?
- 社長が現場に来て何をするの?
- 経営者が直接診断する意味がわからない
- トップ診断で何を質問すればいいの?
- トップ診断の目的を「経営者の現場訪問」として理解
- 品質監査との違いを明確に整理
- トップ診断の4つの目的と効果
- 具体的な進め方と質問例
「社長が現場に来て、一体何を見るの?」
トップ診断は、経営者が自ら現場に足を運び、直接対話する活動です。監査とは違い、「チェック」ではなく「対話と激励」が目的。方針管理を成功させるための重要な仕組みです。
この記事では、トップ診断の意義と進め方を、イメージ重視で徹底解説します。
目次
トップ診断とは?|経営者が現場に足を運ぶ
トップ診断の定義
トップ診断(社長診断)とは、経営者自らが現場を訪問し、方針の浸透状況や活動の実態を直接確認する活動です。
誰が:経営者(社長、工場長など)
何を:方針の浸透、活動の実態、現場の課題
どうやって:現場訪問、直接対話、観察
いつ:年1〜2回(定期的に実施)
なぜ:経営者のコミットメントを示し、現場を知る
ポイントは、報告書を読むのではなく、自分の目で見て、自分の耳で聞くことです。
なぜ経営者自らが行くのか?
「部下からの報告で十分では?」と思うかもしれません。でも、経営者が直接現場に行くことには、報告書では得られない価値があります。
| 報告書で聞く | 自分で見に行く |
|---|---|
| 数字やデータだけ | 現場の雰囲気、空気感がわかる |
| 良い話だけ上がってくる | 本音や困りごとが聞ける |
| 現場は「他人事」 | 「社長が見に来た」とモチベーションUP |
| 経営と現場の距離が遠い | 経営者の本気度が伝わる |
報告書では「不良率1.2%」という数字しかわからない。
でも現場に行けば、「作業者が疲れている」「設備が古くなっている」「5Sが乱れている」など、数字の裏にある真実が見えてくる。

トップ診断と品質監査の違い|チェック vs 対話
目的の違い
トップ診断と品質監査は、どちらもQMSを確認する活動ですが、目的が大きく異なります。
| 項目 | 品質監査 | トップ診断 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 適合性・有効性の確認 | 方針浸透の確認・動機づけ |
| 実施者 | 監査員(内部または外部) | 経営者(トップ) |
| スタンス | 客観的なチェック | 対話・激励・支援 |
| 基準 | ISO規格、社内規定 | 経営方針、年度目標 |
| アウトプット | 不適合報告、是正処置要求 | 経営課題の把握、改善提案 |
| 雰囲気 | フォーマル(緊張感あり) | 対話的(コミュニケーション重視) |
一言で言うと
品質監査 = 「ルール通りにやっているか?」をチェックする
トップ診断 = 「方針が伝わっているか?困っていることはないか?」を対話で確認する
監査は「試験官」、トップ診断は「応援団長」というイメージです。どちらも大切ですが、役割が違います。

トップ診断の4つの目的|なぜ経営者が診断するのか
目的①:現場の実態把握
経営者が自分の目で現場を見ることで、報告書では見えない実態を把握できます。
・作業者の表情、疲労度
・職場の雰囲気、コミュニケーションの様子
・5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の状態
・設備の老朽化、安全面の課題
目的②:方針浸透の確認
経営者が掲げた方針が、現場まで正しく伝わっているかを確認します。
- 現場の人が会社の方針を知っているか?
- 自分の仕事と方針の関係を理解しているか?
- 部門目標は会社方針と整合しているか?
- 日々の活動が方針達成につながっているか?
目的③:従業員の動機づけ
経営者が直接現場に来ることで、従業員のモチベーションが上がります。
「社長が自分たちの仕事を見に来てくれた」
「自分の頑張りを経営者が知ってくれている」
「会社は現場を大切にしている」
こうした実感が、従業員のやる気につながります。
目的④:問題の早期発見
経営者の視点で現場を見ることで、重要な問題を早期に発見できます。
| 発見できる問題の例 | 報告書では見えにくい理由 |
|---|---|
| 部門間の連携不足 | 各部門は自部門の報告しかしない |
| 人員不足・過重労働 | 現場は「弱音」を言いにくい |
| 設備の老朽化 | 日常化して問題と認識されていない |
| 組織風土の問題 | 数字には表れない |

トップ診断の進め方|5つのステップ
ステップ①:事前準備
診断に行く前に、対象部門の状況を把握しておきます。
・対象部門の方針・目標の確認
・進捗状況、業績データの確認
・前回の診断での指摘事項の確認
・質問したいポイントの整理
ステップ②:現場訪問
実際に現場を歩いて、自分の目で状況を確認します。
・職場の雰囲気、活気
・5Sの状態(整理・整頓・清掃・清潔・躾)
・作業の様子、安全面
・掲示物(方針、目標、管理グラフなど)
ステップ③:対話・質問
現場のメンバーと直接対話し、状況を深掘りします。
- 「今年の目標は何ですか?進捗はいかがですか?」
- 「目標達成に向けて、どんな工夫をしていますか?」
- 「仕事で困っていることはありますか?」
- 「会社に対して要望はありますか?」
- 「うまくいった取り組みを教えてください」
ステップ④:フィードバック
診断の最後に、経営者から現場へフィードバックを行います。
| フィードバックの内容 | ポイント |
|---|---|
| 良かった点 | 具体的に褒める。頑張りを認める |
| 改善点 | 責めるのではなく、期待を込めて伝える |
| 激励 | 経営者としての期待と応援を伝える |
| 支援の約束 | 必要なリソースや支援を約束する |
ステップ⑤:フォローアップ
診断で発見した課題は、必ずフォローアップします。
「診断して終わり」はNG。
診断で「検討します」と言った課題は、必ずフォローアップし、対応状況を現場に伝える。
これを怠ると、「社長に言っても何も変わらない」と思われてしまう。

トップ診断を成功させるコツ
経営者が意識すべき5つのこと
- 聞く姿勢:話すより聞く。現場の声に耳を傾ける
- 否定しない:頭ごなしに否定せず、まず受け止める
- 威圧しない:「社長が来た」と萎縮させない雰囲気づくり
- 具体的に褒める:「頑張っているね」ではなく「この取り組みは素晴らしい」
- 約束を守る:「検討する」と言ったことは必ず対応する
避けるべきNG行動
- 粗探し:悪いところを見つけて叱責する
- 形式だけ:「来ただけ」で対話がない
- 一方的な説教:自分の話ばかりして現場の声を聞かない
- 現場を飛び越えた指示:管理者を通さず直接指示を出す
- 放置:診断後のフォローアップをしない
まとめ|トップ診断は経営者のコミットメント
この記事の要点
- トップ診断=経営者の現場訪問:報告書ではなく、自分の目で見て、自分の耳で聞く
- 監査とは目的が違う:チェックではなく対話・激励・支援が目的
- 方針管理の要:経営者のコミットメントを示し、現場と経営をつなぐ
トップ診断の全体像
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 経営者自らが現場を訪問し、直接対話で状況を確認する活動 |
| 目的 | 現場の実態把握、方針浸透の確認、動機づけ、問題の早期発見 |
| 監査との違い | チェックではなく対話・激励。経営者自らが行う |
| 進め方 | 事前準備→現場訪問→対話・質問→フィードバック→フォローアップ |
| 成功のコツ | 聞く姿勢、具体的に褒める、約束を守る |
トップ診断は、経営者にとって「現場を知る」機会であり、現場にとって「経営者を知る」機会でもあります。この双方向のコミュニケーションが、方針管理を成功に導くのです。
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