QC検定 実践編

【QC検定1級】データマイニング・テキストマイニング|品質管理におけるデータ活用

😣 こんな悩みはありませんか?
  • データマイニングって何?品質管理にどう使うの?
  • クラスタリング、分類、回帰、アソシエーションの違いがわからない
  • テキストマイニングで顧客の声をどう分析するの?
  • QC検定1級でどのように出題されるか知りたい
✅ この記事でわかること
  • データマイニングの基本概念と主要な手法
  • クラスタリング・分類・回帰・アソシエーション分析の違い
  • テキストマイニングの仕組みと活用法
  • 品質管理でのデータマイニング活用事例

「データは21世紀の石油だ」

そう言われて久しいですが、石油も精製しなければガソリンにはなりません。同じように、データも分析しなければ価値は生まれないのです。

品質管理の現場には、膨大なデータが眠っています。検査データ、不良データ、顧客クレーム、設備ログ…。これらのデータから「隠れたパターン」や「予兆」を見つけ出す技術が「データマイニング」です。

また、顧客の声(VOC)やクレーム内容など、テキストデータを分析するのが「テキストマイニング」です。

QC検定1級では、これらのデータ活用技術が出題されます。この記事では、データマイニング・テキストマイニングの基本を、品質管理との関連を意識しながら解説します。

データマイニングとは何か?

まず、「データマイニング」の定義を確認しましょう。

データマイニングの定義

📖 データマイニング(Data Mining)とは
大量のデータから、統計学・機械学習・パターン認識などの手法を用いて、有用なパターンや知識を発見する技術。「データの山から金(知見)を掘り出す」イメージ。

「マイニング(Mining)」は「採掘」という意味。データという鉱山から、価値ある知見を掘り出す作業です。

⛏️ たとえ話:金鉱山での採掘
金鉱山には大量の岩石がありますが、その中に金が含まれています。

岩石 = 生データ(大量だが、そのままでは価値がない)
金 = 知見・パターン(価値がある)
採掘技術 = データマイニング手法

適切な技術を使わなければ、金は見つけられません。

データマイニングと従来の統計分析の違い

比較項目従来の統計分析データマイニング
アプローチ仮説検証型仮説探索型
プロセス仮説を立てて検証するデータからパターンを発見する
データ量比較的少量大量(ビッグデータ)
目的仮説の正しさを確認未知のパターンを発見

従来の統計分析は「AとBに関係があるはず」という仮説ありきのアプローチ。一方、データマイニングは「何か面白いパターンはないか?」とデータから発見するアプローチです。

データマイニングの主要な手法

データマイニングには様々な手法がありますが、QC検定1級では以下の4つを押さえておきましょう。

手法①:クラスタリング(Clustering)

📖 クラスタリングとは
データを似た特徴を持つグループ(クラスター)に分ける手法。事前にグループを決めず、データの特徴から自動的にグループ化する。
🎯 品質管理での活用例
  • 不良品の分類:不良の特徴から、原因ごとにグループ化
  • 顧客セグメンテーション:顧客を購買パターンでグループ化
  • 設備状態の分類:センサーデータから設備状態をグループ化

代表的なアルゴリズムにはk-means法階層的クラスタリングなどがあります。

手法②:分類(Classification)

📖 分類とは
過去のデータから学習し、新しいデータをあらかじめ決められたカテゴリに振り分ける手法。「教師あり学習」の一種。
🎯 品質管理での活用例
  • 良品/不良品の判定:検査データから自動判定
  • クレーム分類:クレーム内容を自動でカテゴリ分け
  • 故障予測:設備データから「故障しそう/正常」を判定

代表的なアルゴリズムには決定木ランダムフォレストサポートベクターマシン(SVM)などがあります。

⚠️ クラスタリングと分類の違い
クラスタリング:グループが事前に決まっていない(教師なし学習)
分類:グループが事前に決まっている(教師あり学習)

この違いはQC検定でよく問われるので、しっかり区別しましょう。

手法③:回帰(Regression)

📖 回帰とは
変数間の関係をモデル化し、連続的な数値を予測する手法。「この条件だと、結果はどのくらいになるか?」を予測する。
🎯 品質管理での活用例
  • 不良率の予測:製造条件から不良率を予測
  • 寿命予測:使用条件から製品寿命を予測
  • 需要予測:過去データから将来の需要を予測

代表的な手法には線形回帰重回帰分析ロジスティック回帰などがあります。

手法④:アソシエーション分析(Association Analysis)

📖 アソシエーション分析とは
データの中から「AならばB」という関連ルール(相関関係)を発見する手法。「バスケット分析」とも呼ばれ、小売業でよく使われる。
🛒 有名な事例:おむつとビール
アメリカのスーパーでアソシエーション分析を行ったところ、「おむつを買う人は、ビールも一緒に買う傾向がある」というルールが発見されました。

理由を調べると、「父親がおむつを買いに来たついでに、自分用のビールを買っていた」ことが判明。これを受けて、おむつとビールを近くに配置したところ、売上が向上したと言われています。

アソシエーション分析の指標

アソシエーション分析では、以下の3つの指標でルールの強さを評価します。

指標意味計算式
支持度(Support)AとBが一緒に出現する頻度P(A∩B)
信頼度(Confidence)Aが起きたとき、Bも起きる確率P(B|A) = P(A∩B)/P(A)
リフト値(Lift)ルールの「意外性」の度合いP(B|A)/P(B)

リフト値が1より大きいと、「AとBには正の関連がある」と判断できます。

🎯 品質管理での活用例
  • 不良の併発パターン:「不良Aが起きると、不良Bも起きやすい」
  • 設備故障の連鎖:「部品Aが故障すると、部品Bも故障しやすい」
  • クレームの関連:「この苦情を言う人は、別の苦情も言いやすい」

4つの手法の比較まとめ

手法目的学習タイプ出力
クラスタリンググループ化教師なしグループ
分類カテゴリ予測教師ありカテゴリ
回帰数値予測教師あり連続値
アソシエーション関連ルール発見教師なしルール

テキストマイニングとは?

データマイニングが「数値データ」を対象とするのに対し、テキストマイニングは「文章データ」を対象とします。

テキストマイニングの定義

📖 テキストマイニングとは
大量のテキストデータ(文章)から、有用な情報やパターンを抽出する技術。自然言語処理(NLP)の技術を活用し、非構造化データである文章を分析可能な形に変換する。

品質管理の現場には、数値化されていない「テキストデータ」が大量にあります。

  • 顧客からのクレーム内容
  • アンケートの自由回答
  • コールセンターの対応記録
  • SNSでの口コミ・レビュー
  • 作業日報・報告書

これらのテキストデータには貴重な情報が眠っているのに、人手では読み切れない量があります。テキストマイニングは、この課題を解決します。

テキストマイニングの処理プロセス

📊 テキストマイニングの5ステップ
  1. 形態素解析:文章を単語に分解する
  2. 単語抽出:重要な単語を取り出す
  3. 頻度分析:単語の出現頻度をカウント
  4. 共起分析:一緒に出現しやすい単語の組み合わせを発見
  5. 感情分析:ポジティブ/ネガティブを判定

形態素解析とは

日本語は英語と違い、単語の区切りがありません。そこで、文章を単語(形態素)に分解するのが形態素解析です。

📝 形態素解析の例

入力:「この製品の品質はとても良いです」

出力:「この/製品/の/品質/は/とても/良い/です」

さらに品詞情報も付与:
この(指示詞)/製品(名詞)/の(助詞)/品質(名詞)/は(助詞)/とても(副詞)/良い(形容詞)/です(助動詞)

品質管理でのテキストマイニング活用

データソース分析内容得られる知見
クレーム内容頻出キーワード、感情分析品質問題の傾向、顧客の不満ポイント
SNS・レビュー口コミ分析、評判分析市場での評価、競合との比較
作業日報異常報告の抽出現場の問題点、改善のヒント
アンケート自由回答VOC分析顧客ニーズ、改善要望

QC検定1級での出題ポイント

最後に、QC検定1級でデータマイニング・テキストマイニングがどのように出題されるか、ポイントを整理します。

頻出テーマと出題ポイント

頻出テーマ出題ポイント
データマイニングの定義従来の統計分析との違い(仮説検証 vs 仮説探索)
クラスタリングと分類教師なし/教師ありの違い、それぞれの活用例
アソシエーション分析支持度・信頼度・リフト値の意味
テキストマイニング形態素解析、頻度分析、感情分析の概念
品質管理への応用各手法がどのような品質課題に使えるか
💡 試験対策のポイント
データマイニングの問題は、手法の名称と特徴を正確に覚えることが重要です。

特に「クラスタリング vs 分類」「教師あり vs 教師なし」の違いは頻出。また、アソシエーション分析の3つの指標(支持度・信頼度・リフト値)も押さえておきましょう。

まとめ:データドリブンな品質管理へ

最後に、この記事のポイントをまとめます。

📝 この記事のまとめ
  • データマイニングは大量データからパターンを発見する技術
  • クラスタリング:似たものをグループ化(教師なし)
  • 分類:カテゴリを予測(教師あり)
  • 回帰:数値を予測(教師あり)
  • アソシエーション:「A→B」の関連ルールを発見
  • テキストマイニングは文章データから知見を抽出する技術
  • 品質管理では不良予測、原因分析、顧客分析などに活用できる

品質管理の現場には、活用されていない膨大なデータが眠っています。

検査データ、設備ログ、顧客クレーム…。これらのデータを「ただ保存しているだけ」ではもったいない。データマイニング・テキストマイニングの技術を使えば、データから価値ある知見を引き出せます

「勘と経験」から「データドリブン」へ——これからの品質管理者には、データ活用のスキルが求められます。

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