QC検定 実践編

【完全保存版】商品企画7つ道具(P7)を徹底図解|QC検定1級対応+実務で使えるマーケティング手法の全体像

「新製品を企画したけど、全然売れなかった…」
「お客さんが本当に欲しいものがわからない…」
「結局、上司の『感覚』で決まってしまう…」

😣 こんな悩みはありませんか?
  • 新製品開発がいつも「勘と経験」頼みになっている
  • 顧客調査をしても、どう活かせばいいかわからない
  • QC検定1級の「商品企画七つ道具」が全然イメージできない
  • マーケティング手法と統計手法のつながりが見えない
  • そもそも「P7」って何?Q7やN7との違いは?

実は、「売れる商品」を生み出すための体系的な手法が存在します。
それが「商品企画7つ道具(P7)」です。

この記事では、7つの道具それぞれを「なぜ使うのか」「どう使うのか」「実務でどう役立つのか」の3つの視点から、初心者にもわかるように徹底解説します。

✅ この記事でわかること
  • 商品企画7つ道具(P7)の全体像と各手法の役割
  • Q7・N7・P7の違いと使い分け
  • 各道具の具体的な使い方実例
  • QC検定1級で問われる出題ポイント
  • 実務で成果を出すための活用のコツ

⏱ 読了時間:約15分 | 🎯 対象:QC検定1級受験者・企画担当者・マーケター

🗺 商品企画7つ道具(P7)とは?〜全体像を把握する〜

商品企画7つ道具(P7:Product Planning 7 tools)は、1995年に日本科学技術連盟(日科技連)のプロジェクトで生まれた「商品企画の標準プロセス」です。

「作れば売れる」時代が終わり、「何を作るか」が問われるようになった1990年代。そこで、勘と経験に頼っていた商品企画を「誰でも再現できる体系的な手法」にまとめたのがP7なのです。

📋 7つ道具の一覧と役割

No. 道具名 フェーズ ひとことで言うと
インタビュー調査 ニーズ探索 「なぜそう思う?」を深掘り
アンケート調査 ニーズ探索 多数の声を統計で把握
ポジショニング分析 コンセプト創造 市場の「空白地帯」を発見
アイデア発想法 コンセプト創造 100個以上のアイデアを生む
アイデア選択法 コンセプト創造 最良の3〜5案に絞り込む
コンジョイント分析 コンセプト決定 最適な仕様の組み合わせを統計で決定
品質表(QFD) 設計展開 顧客の声を設計仕様に変換

この7つの道具は、「ニーズ探索 → コンセプト創造 → 設計展開」という3つのフェーズを順番に進めることで、「売れる商品」を体系的に生み出す仕組みになっています。

💡 覚え方のコツ
Q7 = 「作る」(製造工程での品質改善)
N7 = 「考える」(言語情報を整理して計画を立てる)
P7 = 「売れるものを見つける」(顧客ニーズから商品を企画する)

🔄 Q7・N7・P7の違い〜3つの「7つ道具」を整理〜

品質管理の世界には、実は3種類の「7つ道具」があります。混同しやすいので整理しておきましょう。

分類 Q7 N7 P7
正式名称 QC7つ道具 新QC7つ道具 商品企画7つ道具
誕生年 1960年代 1970年代 1995年
扱うデータ 数値データ
(定量)
言語データ
(定性)
両方
(定量+定性)
主な用途 製造工程の
品質改善
問題解決・
計画立案
新製品の
商品企画
代表ツール パレート図
管理図
ヒストグラム
親和図法
連関図法
系統図法
コンジョイント分析
QFD
ポジショニング分析

🤔 なぜP7が必要なのか?〜「3000のアイデアから1つのヒット」問題〜

ある調査によると、「1つのヒット商品が生まれるまでに、3,000個の初期アイデアが必要」と言われています。

つまり、99.97%のアイデアは市場に出る前に消えていくのです。この「絞り込みプロセス」を効率的かつ的確に進めるための標準手法がP7なのです。

🎯 P7を使うメリット
✅ 「勘と経験」から「再現可能なプロセス」
✅ 顧客の「潜在ニーズ」を科学的に発掘できる
✅ 統計手法で「最適な仕様」を客観的に決定できる
✅ チーム全体で共通言語として使える

🔍 【Step1〜2】ニーズ探索フェーズ〜顧客の「本音」を引き出す〜

① インタビュー調査|「なぜそう思う?」を深掘りする

インタビュー調査は、少人数の顧客と直接対話し、「潜在ニーズ」を掘り起こす手法です。アンケートでは見えない「本音」や「無意識の欲求」を引き出すのが目的です。

🌱 なぜ使うのか?
顧客自身が「言葉にできていないニーズ」を発見するため。「なぜそう思うのか?」「他にどんな場面で困る?」と深掘りすることで、アンケートでは出てこない気づきが得られます。

P7で使われる2つのインタビュー手法

手法 概要 適用場面
🗣 グループインタビュー 5〜8人の顧客を集め、司会者が話を引き出す。参加者同士の会話から「そうそう、私も!」という共感や新しい気づきが生まれる。 商品カテゴリ全体への意識・態度を探りたいとき
👤 評価グリッド法 1対1で面談。商品サンプルを2つずつ提示し、「どちらが好き?なぜ?」と繰り返す。選択理由を階層的に掘り下げ、深層心理に迫る。 具体的な商品の評価基準・こだわりを知りたいとき
🔧 実務で成果を出すコツ
「なぜ?」を5回繰り返す(トヨタの「5 Whys」)
沈黙を恐れない(考える時間を与える)
誘導質問を避ける(「〜ですよね?」はNG)
録音・メモを徹底(後で分析するため)

② アンケート調査|多数の声を「数字」で把握する

アンケート調査は、大人数の顧客から定量的なデータを収集し、統計的に分析する手法です。インタビューで得た仮説を「検証」するために使います。

🌱 なぜ使うのか?
インタビューで発見した潜在ニーズが「市場全体でどれくらい重要か」を数値で確認するため。少人数の意見が偏っていないか、統計的に検証します。

インタビューとアンケートの使い分け

比較項目 インタビュー アンケート
目的 深掘り・発見 検証・確認
対象人数 5〜30人 100〜1000人以上
データ種類 定性(言葉) 定量(数値)
順序 先に実施 後に実施
たとえるなら 🔬 顕微鏡
(深く見る)
🗺 地図
(広く見る)
🔧 アンケート設計のコツ
選択肢はMECE(漏れなくダブりなく)
質問は1つのことだけ聞く(ダブルバーレル質問を避ける)
誘導的な表現を避ける(「〜は良いと思いますか?」はNG)
自由記述は最後に(回答疲れを考慮)

💡 【Step3〜5】コンセプト創造フェーズ〜アイデアを「最適解」に磨き上げる〜

③ ポジショニング分析|市場の「空白地帯」を見つける

ポジショニング分析は、競合製品や自社製品を2軸のマップ上に配置し、「狙うべきポジション」を決定する手法です。

🌱 なぜ使うのか?
競合がひしめく「レッドオーシャン」を避け、まだ誰も手を出していない「ブルーオーシャン」を発見するため。感覚ではなく、データに基づいて市場の穴を見つけます。

ポジショニング分析で使う統計手法

手法 役割
📊 因子分析 多数の評価項目から「本質的な軸」を抽出する。例:「使いやすさ」「高級感」「機能性」など、背後に潜む共通因子を見つける。
📈 重回帰分析 「どの軸が購買意向に影響するか」を数値化。重要な軸を選ぶ根拠になる。
📝 具体例:スマートフォン市場のポジショニング

縦軸:価格(高い↔低い)
横軸:デザイン重視↔機能重視

A社:高価格×デザイン重視(プレミアム層向け)
B社:低価格×機能重視(コスパ層向け)
空白:低価格×デザイン重視 → ここが狙い目!

④ アイデア発想法|「100個出す」が成功の鍵

アイデア発想法は、できるだけ多くのアイデアを「発散」させる手法です。Neo P7(新・商品企画7つ道具)では、「最低100個、できれば200個以上のアイデアを出す」ことが推奨されています。

🌱 なぜ「100個」なのか?
人間は最初に「当たり前のアイデア」を出し尽くしてから、ようやく「斬新なアイデア」が出てくるからです。10個や20個で止めると、ありきたりな案しか残りません。

P7で使われる4つの発想法

手法 概要
🎯 焦点発想法 テーマから連想するキーワードを軸に、強制的にアイデアを出す。
🔄 アナロジー発想法 別分野の成功事例を「借用」する。例:ホテルの接客→病院の待合室
✅ チェックリスト法 「逆にしたら?」「組み合わせたら?」「小さくしたら?」と問いを投げる。
✍️ ブレインライティング 紙に書いて回す。声の大きい人に引っ張られない、内向型に優しい手法。

⑤ アイデア選択法|「良いアイデア」を客観的に選ぶ

アイデア選択法は、発散で生まれた大量のアイデアを「収束」させ、実行可能な3〜5案に絞り込む手法です。

🌱 なぜ「客観的な選択」が必要か?
「声の大きい人」「偉い人」の意見で決まるのを防ぐため。評価基準を明確にし、数値化することで、公平で納得感のある意思決定ができます。

2つの選択法

手法 概要 メリット
⚖️ 重み付け評価法 評価基準(新規性・実現性・収益性など)に重み(ウェイト)を設定し、各アイデアを点数化。総合点で順位を決める。 複数の基準を同時に考慮できる
🔀 一対比較法 アイデアを2つずつ比較し、「どちらが良いか」を判定。総当たりで比較し、勝率で順位を決める。 直感的で参加者の負担が小さい
📝 重み付け評価法の計算例

評価基準と重み:
・新規性 × 0.3
・実現性 × 0.4
・収益性 × 0.3

アイデアAの点数:
(4 × 0.3) + (5 × 0.4) + (3 × 0.3) = 1.2 + 2.0 + 0.9 = 4.1点

🧩 【Step6】コンジョイント分析〜最適な仕様を統計で決定〜

⑥ コンジョイント分析|「最適な仕様の組み合わせ」を統計で決定

コンジョイント分析は、「価格」「デザイン」「機能」などの要素を組み合わせた選択肢を顧客に提示し、どの要素がどれくらい重要かを統計的に解析する手法です。

🌱 なぜ使うのか?
「価格は安い方がいい」「デザインも機能も欲しい」と顧客は言いますが、実際に「何を最も重視するか」は聞いただけではわかりません。コンジョイント分析は、顧客に「選ばせる」ことで、本音の優先順位を数値化します。

コンジョイント分析の4ステップ

Step 1:属性と水準を決める
属性 水準1 水準2 水準3
価格 5,000円 8,000円 12,000円
デザイン シンプル スタイリッシュ クラシック
機能 基本のみ 中程度 フル装備
Step 2:直交表で組み合わせを抽出

全組み合わせ(3³ = 27通り)を試すのは非現実的。直交表を使って9通り程度に絞ることで、効率的にデータを収集できます。

Step 3:顧客に「選んで」もらう

「この9つの商品案のうち、どれが最も欲しいですか?」「順位をつけてください」と質問します。

Step 4:効用値を計算

統計処理で「各水準がどれくらい選択に影響したか」を効用値(ユーティリティ)として算出します。効用値の合計が最大になる組み合わせが「最適コンセプト」です。

🎓 QC検定1級で問われるポイント
直交表の役割(なぜ全組み合わせを試さなくていいのか)
効用値の解釈(どの水準が好まれるか)
属性の重要度(どの属性が選択に最も影響するか)
最適プロファイルの導出(効用値の合計が最大になる組み合わせ)

🏠 【Step7】品質表(QFD)〜顧客の声を設計仕様に変換〜

⑦ 品質表(QFD)|顧客要求と技術要件をつなぐ「品質の家」

品質表(Quality Function Deployment:品質機能展開)は、顧客の「こうしてほしい」を、設計者の「こう作る」に翻訳するマトリックスです。その形状から「品質の家(House of Quality)」とも呼ばれます。

🌱 なぜQFDが必要なのか?
顧客は「使いやすい」「かっこいい」と言いますが、設計者は「ボタンの大きさは何mm?」「角の丸みは何R?」という数値が必要です。この「言葉のギャップ」を埋めるのがQFDの役割です。

品質の家の構造

部位 内容
▲ 屋根 品質特性間の相関(トレードオフを可視化)
← 左壁 顧客要求(Voice of Customer)
↑ 天井 品質特性(技術要件)
■ 中央マトリックス 顧客要求と品質特性の関連度(◎○△で表現)
→ 右壁 顧客要求の重要度
▼ 床 品質特性の技術目標値
📝 具体例:スマートフォンの品質表(簡易版)
顧客要求 重要度 画面サイズ バッテリー容量 本体重量
見やすい 5
長時間使える 4
軽い 3
技術目標値 6.5インチ 5000mAh 180g以下

※ ◎=強い関連(9点)、○=中程度(3点)、△=弱い(1点)で重み付け計算が可能

🎓 QC検定1級で問われるポイント
要求品質展開表と品質特性展開表の違い
品質表の作成手順(顧客要求の収集→整理→展開→関連度評価)
二元表の活用(要求品質×品質特性、品質特性×機構・部品など)
企画品質の設定(目標値の決め方)

📝 まとめ:商品企画7つ道具(P7)の全体像

🎯 今日のポイント

① P7は「ニーズ探索→コンセプト創造→設計展開」の3フェーズ
 → 顧客の潜在ニーズを発見し、最適なコンセプトを作り、設計仕様に落とし込む

② 7つの道具は「すべて使う必要はない」
 → 目的に応じて必要な道具を選んで使えばOK

③ Q7・N7・P7の違いを理解する
 → Q7=製造改善、N7=計画立案、P7=商品企画

④ コンジョイント分析とQFDが「P7の要」
 → 統計的に最適解を導き、設計につなげる

商品企画7つ道具は、「勘と経験」に頼っていた新製品開発を「誰でも再現できるプロセス」に変える強力なフレームワークです。

全部を一度にマスターする必要はありません。まずは「インタビュー→アンケート→品質表」という基本の流れを押さえるところから始めてみてください。

📚 次に読むべき記事

📘 【QC検定1級】製品ライフサイクル全体での品質保証 →

企画から廃棄までの品質活動を俯瞰。P7がどの段階で使われるかがわかる。

📊 【超入門】回帰分析とは? →

ポジショニング分析・コンジョイント分析の基礎となる回帰分析を完全図解。

🔬 主成分分析入門|データの気持ちを理解しよう →

因子分析の基礎。ポジショニング分析の「軸」を作る考え方がわかる。

タグ

-QC検定 実践編