統計学基礎

第13回:ポアソン分布とは?|「めったに起きないこと」を予測する魔法の道具

💭 こんな疑問、ありませんか?

  • 「1時間に何回お客さんが来るか」を予測したい
  • 「1日に何件クレームが入るか」を知りたい
  • ポアソン分布って何?二項分布と何が違うの?

この記事でスッキリ解決!
「コンビニのレジ」「LINEの通知」など身近な例えで、ポアソン分布を完全マスターできます!

📌 この記事の結論(先に知っておこう!)

ポアソン分布は「めったに起きないけど、たまに起きること」を予測するための道具です。「1時間に平均3回電話が鳴る」とき、「5回鳴る確率は?」「0回の確率は?」を計算できます。平均λ(ラムダ)さえわかれば、未来が予測できる魔法の分布です!

🎯 ポアソン分布って何?|一言でいうと

ポアソン分布を一言で説明すると…

「めったに起きないこと」が
「一定期間に何回起きるか」を予測する道具

もう少し具体的に言うと、こんな場面で使います。

📞

コールセンター

1時間に何回電話が鳴る?

🏭

工場の品質管理

1日に何個の不良品が出る?

🚗

交通事故

1週間に何件事故が起きる?

🛒

コンビニのレジ

10分間に何人お客さんが来る?

共通点は「めったに起きないけど、たまに起きること」を数えていることです。

📱 身近な例で理解しよう|LINEの通知

ポアソン分布を、スマホの通知で考えてみましょう。

📱 あなたのスマホの1日を観察すると…

「1時間あたり平均2回、LINEの通知が来る」とわかりました。

では、次の1時間で…

  • 通知が0回の確率は?
  • 通知が3回の確率は?
  • 通知が5回以上の確率は?

こういう予測ができるのが、ポアソン分布です!

🤔 なぜ「通知の回数」は予測できるの?

実は、こんな条件が揃っていれば、ポアソン分布で予測できます。

✅ ポアソン分布が使える3つの条件

① 平均的な発生率がわかっている

「1時間に平均2回」のように、平均がわかっている

② 各イベントは独立している

1回目の通知が来たからって、2回目が来やすくなるわけではない

③ 同時に複数回は起きない

同じ瞬間に2つの通知が同時に来ることはない

🔑 λ(ラムダ)って何?|たった1つのパラメータ

ポアソン分布で最も大切なのがλ(ラムダ)です。

λ = 平均発生回数

「一定期間に、平均して何回起きるか」を表す数字

λさえわかれば、ポアソン分布の形が決まります!

🎯 λの具体例

場面λの意味λの値
コールセンター1時間あたりの平均着信数λ = 5
工場の不良品1日あたりの平均不良品数λ = 2
交差点の事故1週間あたりの平均事故数λ = 0.5
Webサイトのエラー1時間あたりの平均エラー数λ = 0.3

📊 λが変わると、分布の形も変わる

λの値によって、ポアソン分布のグラフの形が変わります。

λ = 1(めったに起きない)

0回が一番多い
右に裾が長い形

λ = 5(ときどき起きる)

5回付近が一番多い
山型に近づく

λ = 10(よく起きる)

10回付近が一番多い
左右対称に近い

💡 ポイント:λが大きくなると、ポアソン分布は正規分布に近づきます。λ ≥ 10 くらいから、ほぼ左右対称の山型になります。

📐 ポアソン分布の公式|意味をイメージで理解

ポアソン分布の確率を求める公式を見てみましょう。

P(X = k) = (λᵏ × e⁻λ) / k!

k = 発生回数 λ = 平均発生回数 e ≒ 2.718

公式を見ると難しそうですが、各パーツの意味を理解すればシンプルです!

🧩 公式を分解してみよう

λᵏ(ラムダのk乗)

「k回起きる可能性」を表す。k回起きるには、イベントがk回発生する必要がある。

e⁻λ(eのマイナスλ乗)

「0回起きる確率」の基本部分。λが大きいほど、0回の確率は下がる。

k!(kの階乗)

k回起きる「順番」を考慮して割る。3回なら 3! = 3×2×1 = 6 で割る。

💡 覚え方のコツ

公式を丸暗記するより、「λ(平均)さえわかれば計算できる」ということを覚えましょう。実際の試験では、電卓や公式表を使えることが多いです。

✏️ 計算例|実際に確率を求めてみよう

📝 例題

あるコールセンターでは、1時間あたり平均3回の電話がかかってきます。
次の1時間で、電話がちょうど5回かかってくる確率を求めなさい。

📋 解き方ステップ

1

λを確認する

問題文から「1時間あたり平均3回」なので、λ = 3

2

kを確認する

「ちょうど5回」なので、k = 5

3

公式に代入する

P(X = 5) = (3⁵ × e⁻³) / 5!

4

各パーツを計算する

3⁵ = 243
e⁻³ ≒ 0.0498
5! = 120

5

答えを出す

P(X = 5) = (243 × 0.0498) / 120 ≒ 0.101

答え:約10.1%(約10回に1回)

平均3回のところに5回電話がかかってくる確率は、意外と低くないですね!

📊 他の回数の確率も見てみよう

λ = 3のとき、各回数の確率はこうなります。

回数 k0回1回2回3回4回5回
確率5.0%14.9%22.4%22.4%16.8%10.1%

平均λ = 3のとき、2回と3回が最も起きやすく、0回や6回以上は起きにくいことがわかります。

🔗 二項分布との関係|ポアソン分布の正体

実は、ポアソン分布は二項分布の「特殊なケース」なんです。

🎯 ポアソン分布が生まれる条件

試行回数 n

とても大きい

×

成功確率 p

とても小さい

n × p = λ(一定)のとき、二項分布はポアソン分布に近づく!

🏭 工場の不良品で理解しよう

📦 具体例

ある工場では、1日に10,000個の製品を作っています。
不良品率は0.02%(0.0002)と非常に低いです。

このとき、1日の不良品の数は?

二項分布で計算すると…

n = 10,000
p = 0.0002
→ 計算がとても大変!😵

ポアソン分布で近似すると…

λ = n × p = 10,000 × 0.0002 = 2
→ λ = 2 で簡単に計算できる!😊

💡 使い分けのポイント:試行回数nが大きく(目安:n ≥ 100)、確率pが小さい(目安:p ≤ 0.1)とき、ポアソン分布で近似すると計算が楽になります!

📊 ポアソン分布の性質|覚えておきたいポイント

✨ ポアソン分布の3つの重要な性質

① 平均 = 分散 = λ

ポアソン分布では、平均と分散が同じ値λになります。
E(X) = λ、V(X) = λ

② 再生性がある

λ₁のポアソン分布 + λ₂のポアソン分布 = λ₁+λ₂のポアソン分布
1時間で平均3回 + 1時間で平均2回 = 2時間で平均5回

③ λが大きいと正規分布に近づく

λ ≥ 10 くらいになると、正規分布N(λ, λ)で近似できます。

平均 = 分散 = λ

これがポアソン分布の最大の特徴!
平均と分散が同じ値になる。

✅ まとめ|ポアソン分布のポイント

📝 試験で覚えるべきこと

① ポアソン分布とは?

「めったに起きないこと」が「一定期間に何回起きるか」を予測する分布

② λ(ラムダ)とは?

平均発生回数。これ1つで分布が決まる!

③ 公式

P(X = k) = (λᵏ × e⁻λ) / k!

④ 二項分布との関係

nが大きく、pが小さいとき、二項分布はポアソン分布で近似できる

⑤ 最大の特徴

平均 = 分散 = λ(平均と分散が一致する)

🎯 QC検定での出題ポイント

ポアソン分布はQC検定2級・3級で頻出のテーマです。特に以下の点を押さえておきましょう。

  • 不良品数や欠点数など「計数値」のモデル化
  • 二項分布との使い分け(nが大きく、pが小さい場合)
  • 平均と分散が等しいという特徴

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