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- 二項分布って、どんなときに使う分布なの?
- 公式 nCk p^k (1−p)^(n−k) の意味がわからない
- 期待値np・分散np(1−p)や、正規分布での近似がこんがらがる
- 二項分布とは何か、使える4つの条件
- 公式の意味と、コイン・不良品の例題
- 期待値・分散・Excelの関数・近似の条件
- n・p・kを入れるだけの確率の計算ツール
二項分布とは、「成功か失敗か」の2択をn回くり返したとき、成功がちょうどk回起きる確率の分布で、B(n, p)と書きます。確率は P(X=k)=nCk × p^k × (1−p)^(n−k) で求め、期待値(平均)は np、分散は np(1−p) です。不良率2%の工程から100個とったときの不良品の数のように、品質管理の抜取検査でよく使います。

二項分布とは?「2択をn回」の成功回数の分布
コインを10回投げて表が何回出るか、製品を100個調べて不良品が何個あるか。このように、結果が2つ(成功・失敗)しかない試行をくり返したときの成功の回数が、二項分布にしたがいます。記号では X〜B(n, p) と書きます(nはくり返す回数、pは1回の成功の確率)。
| 使える条件 | 意味 | 不良品の例 |
|---|---|---|
| ① 回数が決まっている | n回と最初に決める | 100個を調べる |
| ② 結果が2つ | 成功か失敗か | 不良か良品か |
| ③ 確率が毎回同じ | どの回も成功の確率がp | どの製品も不良率2% |
| ④ たがいに独立 | 前の結果が次に影響しない | 1個目が不良でも2個目の確率は同じ |
少ない数の中から戻さずにとる場合(10個中3個が不良の箱から5個とる、など)は、③④がくずれるので超幾何分布を使います。母集団が大きければ、二項分布で近似できます。
確率の意味と計算ルール

二項分布の公式|並べ方の数 × 1通りの確率
P(X=k) = nCk × p^k × (1−p)^(n−k) (n回中ちょうどk回成功する確率)
例題1:コインを3回投げて、表がちょうど2回
| 考え方 | 計算 |
|---|---|
| 表2回・裏1回の並べ方 | 表表裏・表裏表・裏表表の3通り(=3C2) |
| 1つの並べ方の確率 | (1/2)×(1/2)×(1/2)=1/8 |
| 答え | 3 × 1/8 = 3/8(0.375) |
公式の nCk が「並べ方の数」、p^k(1−p)^(n−k) が「そのうち1通りが起きる確率」です。並べ方がちがっても確率は同じなので、かけ算でまとめられます。
例題2:不良率2%の工程から100個とる
| 不良品の数 k | 計算 | 確率 |
|---|---|---|
| 0個 | 0.98^100 | 約13.3% |
| 1個 | 100 × 0.02 × 0.98^99 | 約27.1% |
| 2個 | 100C2 × 0.02² × 0.98^98 | 約27.3% |
| 2個以下 | 上の3つを足す | 約67.7% |
Excelなら =BINOM.DIST(k, n, p, FALSE) でちょうどk回、最後をTRUEにするとk回以下の確率(累積)が出ます。

期待値はnp、分散はnp(1−p)
| 式 | 不良率2%・100個の例 | |
|---|---|---|
| 期待値(平均) | np | 100×0.02=2個 |
| 分散 | np(1−p) | 100×0.02×0.98=1.96 |
| 標準偏差 | √(np(1−p)) | √1.96=1.4個 |
1回の試行(成功なら1、失敗なら0)の期待値はp、分散はp(1−p)です。それがn回独立に足されるので、期待値も分散もn倍になります。
期待値と分散の基本
分布の形
p=0.5なら左右対称の山になり、pが小さいと左(0の近く)に寄った形になります。nが大きくなるほど、山はなめらかになって正規分布に近づきます。

正規分布・ポアソン分布での近似と、抜取検査での使い方
| 近似 | 使える目安 | 置きかえ方 |
|---|---|---|
| 正規分布 | np≧5 かつ n(1−p)≧5 | 平均np・分散np(1−p)の正規分布 |
| ポアソン分布 | nが大きく、pが小さい(めったに起きない) | λ=np のポアソン分布 |
正規分布で近似するときは、整数の値を連続の値で表すので、「2個以下」を「2.5以下」とする連続修正を入れると精度が上がります。
めったに起きないことの確率
抜取検査で合格する確率
ロットから50個を抜きとり、不良品が1個以下なら合格(合格判定個数c=1)とします。ロットの不良率が2%のとき、合格する確率は P(X≦1)=0.98^50+50×0.02×0.98^49≒73.6%です。不良率を変えて合格の確率をグラフにしたものがOC曲線で、抜取検査の方式の良し悪しを見る道具になります。
抜取検査の種類と進め方

二項分布の確率の計算ツール
くり返す回数n、1回の成功の確率p、知りたい回数kを入れてください。確率と分布のグラフを出します(nは1〜1000)。
入力すると、その場で計算し直します。入力した数字は画面の中で計算するだけで、どこにも送信されません。オレンジの棒が k 回の確率です。
二項分布のよくある間違い
| よくある間違い | 正しい考え方 |
|---|---|
| nCkを忘れて p^k(1−p)^(n−k) だけ | 並べ方の数nCkをかける |
| 分散をnpとする | 分散はnp(1−p)。npは期待値 |
| 戻さずにとる場合も二項分布 | 少ない母集団から戻さずにとるなら超幾何分布 |
| 「k回以上」を1回分だけ計算 | k回以上は、kからnまでを足す(または1−(k−1回以下)) |
| いつでも正規分布で近似できる | np≧5かつn(1−p)≧5が目安。pが小さければポアソン |

よくある質問
- 二項分布=2択をn回くり返したときの成功回数の分布 B(n, p)
- P(X=k)=nCk × p^k × (1−p)^(n−k)
- 期待値np、分散np(1−p)
- np・n(1−p)が5以上なら正規分布、pが小さければポアソン分布で近似
- 不良品の数や抜取検査の合格の確率に使う

「二項分布」の土台になる統計学を、本でじっくり学び直したいときに向いています。統計学を独学で学べるように書かれた入門書です(ダイヤモンド社、小島寛之 著)。
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メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。
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二項分布がわかったら、統計学の全体の地図を見て、ほかの確率分布へ進みましょう。
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気になるところから読んでも大丈夫です。どの記事も、はじめて学ぶ人向けにやさしく書いています。