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ヒューマンエラーとは?3つの種類と原因、仕組みで防ぐ対策を図解|確率の計算ツール付き

ヒューマンエラーとは何かを表すアイキャッチ。似た部品を取りちがえそうな作業者と、正しい部品しか入らない仕組み

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お悩み
こんなふうに思っていませんか?
  • 気をつけているのに、同じミスをくり返してしまう
  • ヒューマンエラーとは何か、種類や対策を整理したい
  • 報告書の対策がいつも「注意します」になってしまう
この記事でわかること
  • ヒューマンエラーの意味と、違反との違い
  • スリップ・ラプス・ミステイクの3つの種類と見分け方
  • 「注意します」が効かない理由(確率の計算ツールつき)
  • 仕組みで防ぐ対策の強さの順番
結論|まず30秒でわかる答え

ヒューマンエラーとは、正しくやろうとしたのに、結果が意図とずれてしまう「人の意図しないミス」のことです。手や行動がずれる「スリップ」、やることを忘れる「ラプス」、そもそもの判断がまちがっている「ミステイク」の3つに分けられ、わざとルールを破る「違反」とは区別します。人の注意は必ず切れるので、対策は「気をつける」ではなく、まちがえられない・まちがえても気づける仕組みをつくることが基本です。

ヒューマンエラーとは何かを表すアイキャッチ。似た部品を取りちがえそうな作業者と、正しい部品しか入らない仕組み

ヒューマンエラーとは?「わざとではないずれ」

塩を入れようとして、砂糖の入れ物を手に取ってしまった。入れようとした気持ちは正しかったのに、行動がずれた。これがヒューマンエラーです。

イギリスの心理学者ジェームズ・リーズンは、ヒューマンエラーを「計画した行動が、意図した結果にたどりつかなかったもの」と説明しました。ミスの多くは「その人がだめだから」ではなく、人間ならだれでも起こすしくみで起きます。

比べる点ヒューマンエラー違反
意図正しくやろうとしていたルールを知っていて、わざと守らなかった
例ボタンを押しまちがえためんどうなので手順を飛ばした
効く対策まちがえにくい仕組み守る理由の説明、守りやすいルール、守らないと進めない仕組み

違反にも「ルールが守りにくいから省いてしまう」という背景があることが多く、守る人を責めるだけでは減りません。

ヒューマンエラーと違反のちがいの図。塩と砂糖を取りちがえるのはわざとではないヒューマンエラー、手順を飛ばすのはわざと守らない違反

ヒューマンエラーの3つの種類|スリップ・ラプス・ミステイク

種類何がずれた例効きやすい対策
スリップ手や行動(やり方は知っていた)隣のキーを押す、似た部品を取る形・色・置き場所を変えて取りちがえられなくする
ラプス記憶(うっかり忘れた)メールの添付忘れ、締め付け工程の飛ばし終わらないと次に進めない仕組み、チェックリスト、表示
ミステイク判断・計画(本人は正しいと思いこむ)まちがえて覚えた手順のとおりに完璧に作業する教育、わかりやすい標準、判断の基準をはっきりさせる
POINT|見分け方は1つの質問

「本人は正しいやり方を知っていたか?」知っていたのに手がずれたらスリップ、知っていたのに忘れたらラプス、そもそも思いちがいをしていたらミステイク。ミステイクは本人がまちがいに気づいていないので、いちばん見つけにくいタイプです。

ヒューマンエラーの3つの種類の図。スリップは手がずれる、ラプスは忘れる、ミステイクは判断がずれる

なぜ起きる?なぜ「注意します」では防げない?

原因(4Mで見る)例
人(Man)慣れと思いこみ、疲れ・あせり・寝不足、経験の浅さ
設備(Machine)似たボタンが並ぶ、表示が見にくい、アクセルとブレーキが隣どうし
材料(Material)形の似た部品、ラベルのまぎらわしい材料
方法(Method)手順が複雑、標準があいまい、途中で割りこみが入る

人の注意は、どんなにがんばっても必ず切れます。だから「次から気をつけます」は「運が悪ければまたミスします」とほぼ同じです。しかも作業の回数が多いと、めったに起きないミスでも、必ずどこかで起きます。

ミスの回数とダブルチェックの計算ツール

入力すると、その場で計算し直します。入力した数字は画面の中で計算するだけで、どこにも送信されません。

はじめの例では、1万回に1回しかミスしない作業でも、1日500回なら約20日に1回、1年に約12回ミスが起きます。ダブルチェックは、2人が本当に別々に確かめれば見逃しが0.01%まで下がりますが、2人目が「1人目が見たから」と思って見ると、効果は大きく下がります。

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注意だけでは防げない理由の図。注意力は時間とともに落ち、1万回に1回のミスでも1日500回の作業なら約20日に1回起きる

ヒューマンエラーの対策|強い順に考える

対策は、効き目の強い順に考えます。上にあるほど人の注意に頼らず、確実です。

強さ考え方例
① いちばん強いその作業をなくす転記をやめて自動で取りこむ、部品を一体にする
② 強いまちがえられない形にする(ポカヨケ)向きが合わないと入らないコネクタ、部品がないと動かない治具
③ 中くらいまちがえてもすぐ気づける数が合わないと止まる、音や色で知らせる、重さで確かめる
④ 弱めまちがえにくくする色分け、置き場所を決める、手順を短くする、チェックリスト
⑤ いちばん弱い注意・教育だけ「気をつけます」「周知しました」

ミスが起きたら、なぜなぜ分析で原因を掘り下げます。ただし結論が「本人の不注意」で止まると、対策は⑤になってしまいます。「なぜまちがえやすい環境だったのか」まで進めて、①〜③の仕組みに着地させるのがコツです。ミステイクのように判断のまちがいなら、教育や標準の見直しも必要です。

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ヒューマンエラー対策の強さの図。上から、作業をなくす、まちがえられない形にする、気づける、まちがえにくくする、注意だけ

ヒューマンエラー対策でよくある間違い

よくある間違い正しい考え方
ミスした人を責めて、気をつけさせる責めると報告が出なくなり、かえってミスが見えなくなる
ダブルチェックを足せば安心お互いを信じて見ると効かない。確かめる観点を分ける
チェックリストを長くする長いと流し読みになる。大事な項目にしぼる
3つの種類を区別せず同じ対策スリップ・ラプスは仕組み、ミステイクは教育と標準も
大きなミスだけ調べるヒヤリハットの段階で集めて手を打つ
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ヒューマンエラー対策のよくある間違いの図。人を責めず仕組みを直す、ダブルチェックは観点を分ける、チェックリストは大事な項目にしぼる、ヒヤリハットで手を打つ

よくある質問

Q. ヒューマンエラーとは簡単にいうと?

A. 正しくやろうとしたのに、結果が意図とずれてしまう、人の意図しないミスのことです。だれにでも起こります。

Q. ヒューマンエラーの種類は?

A. 手や行動がずれるスリップ、忘れるラプス、判断をまちがえるミステイクの3つが基本です。違反は別に扱います。

Q. いちばん効く対策は?

A. その作業をなくすこと、次にまちがえられない形にする(ポカヨケ)ことです。注意だけの対策はいちばん弱いです。

Q. うっかりミスと違反の違いは?

A. うっかりミスは意図しないエラーで、違反はルールを知りながらわざと守らないことです。対策もちがいます。

Q. ダブルチェックは意味がない?

A. 2人が本当に別々に確かめれば効きますが、相手を信じて見ると効果が大きく下がります。確かめる観点を分けるのがコツです。

Q. ミスが多いのは自分の注意力のせい?

A. 多くは、まちがえやすい環境や手順が原因です。自分を責めるより、まちがえにくい仕組みを考えるほうが効きます。

まとめ
  • ヒューマンエラーは、わざとではない人のミス。違反とは別
  • 種類はスリップ(手)・ラプス(記憶)・ミステイク(判断)
  • 原因は人だけでなく、設備・材料・方法にもある
  • 人の注意は必ず切れる。回数が多ければ、まれなミスも必ず起きる
  • 対策は、なくす→まちがえられない→気づける→まちがえにくい→注意、の順
  • 人を責めず、仕組みを直す
ヒューマンエラーのまとめの図。わざとではないミス、スリップ・ラプス・ミステイク、注意は必ず切れる、仕組みで防ぐ
この記事の理解を深める本と道具
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シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーで回路設計・生産技術(品質改善)の実務

メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

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