理論科目の解説

【電験三種】静電エネルギーを完全理解|W=1/2QVの3つの公式を使い分けて確実に得点する方法

⚡ こんな悩みを解決します

  • ✅ 静電エネルギーの公式が3つもあって覚えられない
  • ✅ どの公式を使えばいいのか判断できない
  • ✅ なぜ「1/2」がつくのか理解できない
  • ✅ コンデンサ接続でエネルギーが減る理由がわからない

📖 この記事を読むとわかること

  • 静電エネルギーとは何か?(バネのイメージで理解)
  • W = 1/2QV = 1/2CV² = 1/2Q²/C の使い分け方
  • 問題文を見て瞬時に使う公式を選ぶコツ
  • エネルギー保存則と仕事の関係
  • コンデンサ接続時のエネルギー損失の正体

静電エネルギーは、電験三種で確実に得点できる分野です。公式の使い分けさえマスターすれば、計算問題はパターン化されています。この記事で完璧にしましょう!💡

🎯 3つの公式の使い分け方

📊 使い分けの判断フローチャート

問題文を読んだら、「何が与えられているか?」を確認するだけ!

問題文に書いてあること 使う公式 理由
電荷Q と 電圧V W = 1/2 QV そのまま代入できる
静電容量C と 電圧V W = 1/2 CV² 最も頻出!
電荷Q と 静電容量C W = 1/2 Q²/C 電圧Vが不明なとき

💡 簡単な覚え方

「与えられている2つの文字を公式に当てはめる」

• Q と V がある → W = 1/2 QV
• C と V がある → W = 1/2 CV²
• Q と C がある → W = 1/2 Q²/C

これだけ!シンプルですよね?

💡 例題で実践:公式①

【例題1】電荷Q = 10μC、電圧V = 100Vのコンデンサの静電エネルギーを求めよ。

【解答】
ステップ1:何が与えられている? → Q と V

ステップ2:使う公式 → W = 1/2 × Q × V

ステップ3:計算
W = 1/2 × 10×10⁻⁶ × 100 = 1/2 × 10⁻³ = 5×10⁻⁴ J = 0.5mJ

答え:0.5mJ

💡 例題で実践:公式②

【例題2】静電容量C = 100μF、電圧V = 200Vのコンデンサの静電エネルギーを求めよ。

【解答】
ステップ1:何が与えられている? → C と V

ステップ2:使う公式 → W = 1/2 × C × V²

ステップ3:計算
W = 1/2 × 100×10⁻⁶ × 200² = 1/2 × 100×10⁻⁶ × 40000
= 1/2 × 4 = 2J

答え:2J

💡 例題で実践:公式③

【例題3】電荷Q = 20μC、静電容量C = 50μFのコンデンサの静電エネルギーを求めよ。

【解答】
ステップ1:何が与えられている? → Q と C

ステップ2:使う公式 → W = 1/2 × Q² / C

ステップ3:計算
W = 1/2 × (20×10⁻⁶)² / (50×10⁻⁶)
= 1/2 × (400×10⁻¹²) / (50×10⁻⁶) = 1/2 × 8×10⁻⁶
= 4×10⁻⁶ J = 4μJ

答え:4μJ

🎯 計算のコツ

• 単位に注意!μF、μCは10⁻⁶をつける
• V²は先に計算してから掛ける(200² = 40000)
• 1/2は最後に掛ける方が楽
• 指数計算は慎重に(10⁻⁶ × 10⁻⁶ = 10⁻¹²)

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静電エネルギーの計算問題も、繰り返し解くことで公式の使い分けが自然にできるようになります!

⚡ エネルギー保存則と仕事の関係

📚 エネルギー保存則とは?

物理学の最も基本的な法則の一つがエネルギー保存則です。

エネルギー保存則
「エネルギーの総量は変わらない」

コンデンサの場合も同じです:

⚡ 充電のとき:
電源が行った仕事 = コンデンサに蓄えられたエネルギー

⚡ 放電のとき:
コンデンサに蓄えられたエネルギー = 外部に放出される仕事

🔄 仕事とエネルギーの関係

「仕事」と「エネルギー」は、実は同じものです!

状況 エネルギーの流れ
充電中 電源の電気エネルギー → コンデンサの静電エネルギー
放電中 コンデンサの静電エネルギー → 抵抗での熱エネルギー

💥 コンデンサ接続時のエネルギー損失

😱 不思議な現象:エネルギーが減る!

電験三種で頻出なのが、異なる電圧のコンデンサ同士を接続する問題です。このとき、驚くべきことが起きます!

⚠️ 衝撃の事実

電荷は保存されるのに、
エネルギーは必ず減少する!

🤔 なぜエネルギーが減るのか?

💡 水タンクで理解する

高い位置の水(高電圧のコンデンサ)と低い位置の水(低電圧のコンデンサ)を繋ぐと:

  1. 水が高い方から低い方へ流れる(電荷の移動)
  2. 最終的に両方の水位が同じになる(電圧が等しくなる)
  3. でも、水が流れるとき「ザバーン!」と波打ってエネルギーが失われる

コンデンサでも同じ!接続時に電荷が移動する過程で、導線の抵抗で熱として失われます

📐 エネルギー損失の計算

コンデンサ接続時のエネルギー損失を計算するパターンを見ていきましょう。

エネルギー損失の計算手順

ステップ1:接続の総エネルギーW₁を計算
W₁ = コンデンサ1のエネルギー + コンデンサ2のエネルギー

ステップ2:接続の電圧V'を求める
電荷保存則:Q₁ + Q₂ = (C₁ + C₂) × V'
→ V' = (Q₁ + Q₂) / (C₁ + C₂)

ステップ3:接続の総エネルギーW₂を計算
W₂ = 1/2 × (C₁ + C₂) × V'²

ステップ4:エネルギー損失ΔWを計算
ΔW = W₁ − W₂

💡 例題で実践:エネルギー損失

【例題】C₁ = 2μF、V₁ = 100V のコンデンサと、C₂ = 3μF、V₂ = 50V のコンデンサを並列接続した。エネルギー損失を求めよ。

【解答】
ステップ1:接続前の総エネルギー
W₁ = 1/2 × C₁ × V₁² + 1/2 × C₂ × V₂²
= 1/2 × 2×10⁻⁶ × 100² + 1/2 × 3×10⁻⁶ × 50²
= 1/2 × 2×10⁻⁶ × 10000 + 1/2 × 3×10⁻⁶ × 2500
= 10⁻² + 3.75×10⁻³ = 0.01 + 0.00375 = 0.01375 J

ステップ2:接続後の電圧(電荷保存則より)
Q₁ = C₁ × V₁ = 2×10⁻⁶ × 100 = 2×10⁻⁴ C
Q₂ = C₂ × V₂ = 3×10⁻⁶ × 50 = 1.5×10⁻⁴ C
V' = (Q₁ + Q₂) / (C₁ + C₂) = (2×10⁻⁴ + 1.5×10⁻⁴) / (5×10⁻⁶)
= 3.5×10⁻⁴ / 5×10⁻⁶ = 70 V

ステップ3:接続後の総エネルギー
W₂ = 1/2 × (C₁ + C₂) × V'²
= 1/2 × 5×10⁻⁶ × 70² = 1/2 × 5×10⁻⁶ × 4900
= 0.01225 J

ステップ4:エネルギー損失
ΔW = W₁ − W₂ = 0.01375 − 0.01225
= 0.0015 J = 1.5mJ

答え:1.5mJ が熱として失われる

🎯 重要ポイント

✅ 電荷は保存される(Q₁ + Q₂ = Q')
✅ エネルギーは必ず減少する(W₁ > W₂)
✅ 損失分は熱エネルギーに変換される
✅ 電圧が等しいコンデンサを接続 → 損失ゼロ

✨ まとめ:静電エネルギーは得点源!

お疲れさまでした!静電エネルギー、理解できましたか?😊

📌 この記事の重要ポイント

  • ✅ 静電エネルギーには必ず「1/2」がつく
  • ✅ 3つの公式:W = 1/2QV = 1/2CV² = 1/2Q²/C
  • ✅ 与えられている2つの文字で公式を選ぶ
  • ✅ エネルギーと仕事は同じもの
  • ✅ コンデンサ接続時はエネルギーが必ず減少する

静電エネルギーの問題は、公式の使い分けさえマスターすれば確実に得点できる分野です。「何が与えられているか?」を見るだけで、使う公式が決まります。

特にコンデンサ接続問題は頻出です。「電荷は保存、エネルギーは減少」というパターンを覚えておけば、どんな問題でも対応できます!💪

⚠️ よくあるミス

❌ 1/2を忘れる(答えが2倍になる)
❌ V²を計算せずにVのまま使う
❌ 単位変換ミス(μF、μCの10⁻⁶を忘れる)
❌ 接続前後でエネルギーが増えたと計算してしまう
❌ 公式を覚えようとして混乱する(与えられた文字で選ぶだけ!)

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🚀 次のステップ

この記事を読んだら、すぐに過去問で実践してみましょう!
「与えられている文字を探す」→「公式に当てはめる」
この2ステップで解けることを実感してください。

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