実験計画法

交絡とは?実験計画法で効果が見分けられなくなる原因と防ぎ方

交絡とは何か。実験計画法で効果が見分けられなくなる原因と防ぎ方

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この記事の位置づけ

「実験計画法の基礎概念シリーズ」第12回。前回は「残差と誤差の違い」を学びました。今回は因子が混ざり合う危険な現象「交絡」を解説します。

結論|まず30秒でわかる答え

交絡(こうらく)とは、調べたい因子の効果と、別の因子の効果が混ざってしまい、どちらが結果に効いたのか区別できなくなる状態です。たとえば「肉の種類」と「実験した時間帯」を同時に変えると、味の違いがどちらによるものかわかりません。実験計画法では、実験の順番のランダム化や直交表への割り付けで、見たい効果がほかの効果と交絡しないように計画します。

「実験で効果があると思ったのに、実は別の原因だった…」

「交絡って何?なぜ注意が必要なの?」

交絡を理解しないと、「見せかけの因果関係」に騙されて、間違った結論を出してしまう危険があります。

この記事では、身近な例を使って交絡の正体をわかりやすく解説します。

交絡とは?【真犯人が隠れている状態】

交絡(こうらく)とは、調べたい因子の効果に、別の因子の効果が混ざり合ってしまう現象です。

英語では「Confounding(コンファウンディング)」と言います。

交絡の定義

複数の因子が同時に変化してしまい、
どの因子が結果に影響したのか区別できなくなる状態。

有名な例:アイスと水難事故

交絡を理解するための有名な例があります。

アイスクリームと水難事故

データを調べると、アイスの売上が増えると水難事故も増える。

→ 「アイスを食べると溺れやすくなる」のか?
→ もちろん、そんなわけない!

真犯人は「気温」

本当の原因は「気温」です。

真の因果関係

気温が上がる

↙            ↘

アイスが売れる     海に行く人が増える

                               ↓

                            水難事故が増える

アイスと水難事故には直接の因果関係はないのに、「気温」という隠れた因子のせいで、あたかも関係があるように見えてしまう。

これが交絡です。隠れた因子のことを「交絡因子」と呼びます。

実験計画法での交絡

実験計画法でも、交絡は深刻な問題を引き起こします。

交絡が起きる実験の例

カレーの実験で、こんな実験計画を立てたとします。

実験 肉の種類 実験時間帯 結果
1 鶏肉 朝(涼しい) 60点
2 牛肉 昼(暑い) 80点

結果だけ見ると、「牛肉の方が20点高い!牛肉が良い!」と結論づけたくなります。

でも待ってください。

この実験の問題点

  • 「肉の種類」と「時間帯」が同時に変わっている
  • 牛肉の方が良かったのか?昼の方が良かったのか?区別できない
  • もしかしたら「暑い方がスパイスの香りが立つ」のかもしれない

これが実験における交絡です。「肉」の効果と「時間帯」の効果が混ざり合ってしまっています。

交絡を防ぐ方法

交絡を防ぐには、いくつかの方法があります。

① ランダム化

実験の順序をランダムにすることで、交絡因子の影響を均等に散らばらせます。

これは「実験の3原則」で学んだ通りですね。

② 交絡因子を因子として取り込む

「時間帯」が影響しそうなら、時間帯も因子として実験に組み込む方法があります。

実験 肉の種類 時間帯
1 鶏肉 朝
2 鶏肉 昼
3 牛肉 朝
4 牛肉 昼

こうすれば、「肉の効果」と「時間帯の効果」を別々に評価できます。

③ 局所管理(ブロック化)

交絡因子の水準ごとにグループ(ブロック)を作り、ブロック内で比較する方法です。

「朝」のブロック内で鶏肉と牛肉を比較、「昼」のブロック内でも比較、というようにします。

○ 交絡を防ぐ3つの方法

① ランダム化 順序をシャッフルして影響を均等にする
② 因子として取り込む 交絡因子も実験の因子に加える
③ 局所管理 同じ条件内で比較する

まとめ

この記事のポイント

  • 交絡=複数の因子が混ざり合い、効果を区別できなくなる現象
  • アイスと水難事故の例のように、見せかけの因果関係に騙される危険
  • 隠れた原因を「交絡因子」と呼ぶ
  • 防ぐにはランダム化・因子化・局所管理が有効

よくある質問

Q. 交絡とは?

A. 2つ以上の因子の効果が混ざり、どの因子が結果に影響したのか区別できなくなる状態です。

Q. 交絡を防ぐには?

A. 実験の順番をランダムにする、条件を一定に保つ、直交表でほかの効果と重ならないように割り付けることで防ぎます。

Q. 直交表で交絡が起きるのはなぜ?

A. 実験回数を減らすため、1つの列に主効果と交互作用など複数の効果が重なるからです。大事な効果は別の列に割り付けます。

Q. 交絡因子とは?

A. 見たい因子と結果の両方に影響して、見せかけの関係を作ってしまう隠れた因子のことです。

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シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

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