- ドラム式と縦型、値段が全然違うけど、結局どっちがお得なの?
- 「ドラム式は電気代が安い」って本当?逆に高いって聞いたこともある…
- 時短にひかれるけど、洗浄力が落ちるなら縦型のままでいいのかも
- 高い買い物だから、絶対に失敗したくない
- ドラム式と縦型の「本当の違い」を、電気代・水道代・時間・洗浄力で総まとめ
- 10年使ったときの「総額」を試算した、リアルな損得比較
- あなたの生活スタイル別の「選び方フローチャート」
ドラム式と縦型の一番の違いは「乾燥のうまさ」と「使う水の量」です。ドラム式は水を節約でき(1回の水道代がおよそ半分)、乾燥まで含めた光熱費も安く済みます。一方、縦型は本体が安く、泥汚れなどをゴシゴシ落とす力が強いのが特長です。ざっくり言えば、乾燥まで毎日使うならドラム式、洗濯だけで安く済ませたいなら縦型、が基本の選び方です。
そもそもドラム式と縦型は「洗い方」が根本から違う
まず、2つの洗濯機は「服の汚れをどうやって落とすか」という仕組みからして違います。ここを理解すると、電気代や水道代の違いも自然と腑に落ちます。
縦型は「もみ洗い」、ドラム式は「たたき洗い」
縦型は、洗濯槽の底にある羽根(パルセーターといいます)がグルグル回って水流を作り、服どうしをこすり合わせて汚れを落とします。手でゴシゴシもみ洗いするのに近いイメージです。だからたっぷりの水が必要になります。
一方ドラム式は、洗濯槽が横向きに回り、服を上まで持ち上げてから下に落とす動きをくり返します。これは、洗濯板に服を打ちつける「たたき洗い」に近い方法です。服を持ち上げて落とすだけなので、槽の底に少しの水があれば洗えます。
縦型は「大きなバケツに水をたっぷり張って、手でもみ洗い」。ドラム式は「少しの水で、洗濯板に服を打ちつけて洗う」。この洗い方の違いが、後で出てくる「水道代の差」に直結します。
つまり、水をたっぷり使うのが縦型、少ない水で洗うのがドラム式。この基本さえおさえれば、あとの比較はスラスラ理解できます。

電気代の違い|「洗濯だけ」なら差はほぼゼロ、差がつくのは「乾燥」
ここが一番の誤解ポイントです。「ドラム式は電気代が安い」とよく言われますが、正確には「乾燥まで使えば安い」という意味です。洗濯だけならほとんど差はありません。
洗濯だけなら、電気代はほぼ同じ
メーカーの公式データ(12kgモデル)を見ると、洗濯1回の電気代はドラム式も縦型もどちらも約2.2円。ほぼ差はありません。洗濯だけなら「電気代でドラム式を選ぶ理由」はほとんどない、ということです。
大きな差が出るのは「乾燥」の電気代
乾燥まで使うと、電気代は一気に跳ね上がります。しかもここで、ドラム式の「乾燥のやり方」によって金額が大きく変わります。乾燥のやり方には主に2種類あります。
ヒートポンプ式(省エネ)
- エアコンと同じ仕組みで、少ない電気で空気を温めて乾かす
- 乾燥1回の電気代は約25円(機種例)
- 本体はやや高いが、光熱費が安い
ヒーター式(パワフル)
- ドライヤーのように電熱線で強く温めて乾かす
- 乾燥1回の電気代は約62円(機種例)
- 本体は安いが、電気をたくさん食う
「ドラム式=電気代が安い」ではなく、「ヒートポンプ式のドラム式=電気代が安い」です。同じドラム式でもヒーター式を選ぶと、乾燥の電気代は2倍以上になります。カタログで乾燥方式を必ず確認しましょう。
なぜヒーター式は電気を食うのか? それは、電気を直接「熱」に変えて温めるからです。この「電熱線で温めると電気代が高くなる」仕組みは、ドライヤーとまったく同じ理屈です。詳しくはドライヤーはなぜあんなに電気を食う?で解説しています。
つまり、乾燥まで毎日使うなら、電気代が安いのは「ヒートポンプ式のドラム式」。これが電気代でドラム式が選ばれる本当の理由です。

水道代の違い|ドラム式は縦型のおよそ半分で済む
水道代は、ドラム式がはっきり有利です。理由はさっき説明したとおり、ドラム式は少ない水で「たたき洗い」できるからです。
使う水の量が、こんなに違う
| 項目(12kg洗濯時) | ドラム式 | 縦型 |
|---|---|---|
| 1回に使う水の量 | 約83L | 約139L |
| 1回の水道代 | 約22円 | 約37円 |
1回あたり約15円の差です。「たった15円?」と思うかもしれませんが、洗濯は毎日のこと。積み重ねると大きな差になります。
1年でどれくらい差がつく?(自分で計算)
毎日1回洗濯するとして、1年(365回)で計算してみます。途中式を省略せずにいきます。
1回の差額を出す。
37円(縦型)− 22円(ドラム式)= 15円
1年分にする。
15円 × 365回 = 5,475円
つまり、水道代だけで1年に約5,500円、ドラム式のほうが安くなる、ということです。
水道代の計算方法や単価の仕組みをもっと詳しく知りたい方は、電気代の計算方法もあわせて読むと、光熱費全体の見方がわかります。

時短の違い|ドラム式の「干さなくていい」が最大の価値
時短で本当に効いてくるのは、洗濯そのものの時間ではありません。「干す・取り込む」という作業がまるごと消えることです。ここがドラム式の一番おいしいところです。
洗濯だけの時間はほぼ同じ
公式データでは、洗濯だけの時間はドラム式が約32分、縦型が約36分。数分の差で、ほぼ変わりません。「洗濯機を回す時間」で比べると、大差はないのです。
本当の時短は「干す手間ゼロ」
ドラム式(乾燥まで一気にやるタイプ)なら、洗濯物を取り出して干す作業がいりません。ボタンを押して寝るだけで、朝にはふんわり乾いています。この「干さなくていい」が、時間に追われる人にとっての最大の武器です。
縦型は「料理を作ってお皿に盛るところまで自分でやる」。ドラム式(乾燥付き)は「調理から盛り付けまで全自動でやってくれる」。手を動かす回数が根本的に違います。
「干す時間」をお金に換算してみる
干して取り込む作業に、1回あたり10分かかるとします。これを1年でお金に換算してみましょう。時給1,000円で考えます。
1年間で干す作業にかかる時間を出す。
10分 × 365回 = 3,650分 = 約61時間
時給1,000円でお金に換算する。
61時間 × 1,000円 = 61,000円
つまり、干す手間を「時間の価値」で見ると、1年で約6万円分の労力を節約できる計算になります。
もちろんこれは目安の計算です。でも「干す作業が消える」というのは、光熱費の差よりずっと大きな価値かもしれない、ということが見えてきます。

洗浄力の違い|泥汚れは縦型、ふんわり仕上げはドラム式
「ドラム式は洗浄力が弱い」と聞いたことがあるかもしれません。これは半分正解で、半分は言いすぎです。汚れの種類によって得意・不得意が分かれる、というのが正確なところです。
縦型が得意な汚れ
- 泥汚れ、砂、皮脂の頑固な汚れ
- たっぷりの水でこすり洗いするので、ガンコな汚れに強い
- 子どもの部活着、作業着などにおすすめ
ドラム式が得意なこと
- 皮脂汚れ・油汚れ(少ない水で洗剤が濃くなり落ちやすい)
- 衣類が傷みにくく、ふんわり仕上がる
- 乾燥までやると、タオルがふっくらする
なぜドラム式は油汚れに強いのか
ドラム式は水が少ないぶん、洗剤が薄まらず「濃い洗剤液」で洗えます。濃い洗剤は皮脂や油を溶かす力が強いので、えりや袖口の皮脂汚れに強いのです。少ない水がデメリットではなく、むしろ武器になっているわけです。
「泥だらけの服が多い家庭」は縦型、「タオルや普段着をふんわり乾燥まで仕上げたい家庭」はドラム式、と考えると選びやすくなります。
つまり、洗浄力はどちらが上・下ではなく、汚れの種類で使い分けるもの。あなたの家の洗濯物が「どんな汚れ中心か」で決めるのが正解です。

10年使ったら総額いくら違う?「本体+光熱費」で試算
ここが、この記事の一番大事なところです。「本体価格」だけで比べると縦型が圧勝に見えます。でも洗濯機は10年近く使うもの。光熱費まで含めた「総額」で比べないと、本当の損得は見えません。実際に計算してみましょう。
毎日1回、洗濯から乾燥まで使うと仮定。本体価格・光熱費は機種や電力単価で変わるので、実際の金額は必ずカタログや店頭で確認してください。ここでは「考え方」をつかむための概算です。
3タイプの10年コスト比較
| 項目 | 縦型(洗濯のみ) | ドラム式ヒートポンプ | ドラム式ヒーター |
|---|---|---|---|
| 本体価格(目安) | 約7万円 | 約25万円 | 約15万円 |
| 1回の電気+水道代 | 約39円 | 約47円 | 約84円 |
| 10年の光熱費 (365回×10年) | 約14.2万円 | 約17.2万円 | 約30.7万円 |
| 10年の総額 | 約21万円 | 約42万円 | 約46万円 |
この表からわかることが2つあります。
1つ目:縦型(洗濯のみ)は10年でも総額が最安。ただし「干す手間」は自分持ちです。前のブロックで計算したとおり、干す労力を時間換算すると10年で約60万円分にもなります。
2つ目:同じドラム式でも、ヒーター式はヒートポンプ式より光熱費が10年で約13万円も高くなります。本体が安いヒーター式は、長く使うと逆転される可能性がある、ということです。
「本体が高い=損」ではありません。乾燥まで毎日使うなら、ヒートポンプ式ドラム式は光熱費が抑えられ、さらに干す手間という見えないコストまで消してくれます。総合的に見て損得を判断するのが大切です。

結局どっち?あなたに合う1台の選び方フローチャート
ここまでの内容を、選び方として整理します。次の質問に上から順に答えていくと、あなたに合うタイプが見えてきます。
乾燥機能を毎日使いたい?
→ はい なら「ドラム式ヒートポンプ式」がおすすめ。干す手間ゼロ&光熱費も抑えられます。
乾燥はたまにでいい/初期費用を抑えたい?
→ はい なら「縦型(乾燥付き or なし)」がおすすめ。本体が安く、泥汚れにも強いです。
泥だらけの部活着・作業着が多い?
→ はい なら「縦型」。たっぷりの水でゴシゴシ落とす力が頼りになります。
設置スペースは足りている?
→ ドラム式は横に大きく、扉が手前に開きます。買う前に必ず幅・奥行き・搬入経路を測りましょう。
買ってから後悔しやすい3つの落とし穴
ドラム式は本体が大きく重いです。玄関や廊下、洗面所のドアを通れないケースが実際にあります。設置場所だけでなく「そこまで運ぶ道」も測ってください。
ドラム式で乾燥を使うと、ホコリを取る「フィルター掃除」が毎回必要です。これをサボると乾燥に時間がかかり、電気代も余計にかかります。掃除の手間も込みで検討しましょう。
「ドラム式なら何でも電気代が安い」と思って買うと、ヒーター式で光熱費が想定より高くなることがあります。乾燥まで毎日使う人は「ヒートポンプ式」かどうかを必ず確認してください。

よくある質問(ドラム式と縦型の違い)
まとめ|違いを押さえれば、あなたの正解が見える
- 洗い方:縦型は水たっぷりの「もみ洗い」、ドラム式は少ない水の「たたき洗い」
- 電気代:洗濯だけなら差はほぼゼロ。乾燥まで使うならヒートポンプ式ドラム式が最安
- 水道代:ドラム式が縦型の約半分。1年で約5,500円の差
- 時短:本当の価値は「干す手間ゼロ」。時間換算すると年約6万円分の労力節約
- 洗浄力:泥汚れは縦型、皮脂・油汚れとふんわり仕上げはドラム式
- 選び方:乾燥を毎日使う→ドラム式/初期費用重視・泥汚れ多い→縦型
高い買い物だからこそ、「本体価格」だけでなく「10年使ったときの総額」と「干す手間の価値」まで含めて考えるのが失敗しないコツです。あなたの生活スタイルに合わせて、納得の1台を選んでください。
洗濯機の乾燥がなぜ電気を食うのか、その仕組みを知ると光熱費の見方がぐっと深まります。ほかの家電の仕組みもあわせてチェックしてみましょう。

自動車部品メーカーで電気設計・品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて電気を学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。
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