- 過去問を解いていて「これキルヒホッフでゴリ押し?それともテブナン?」と固まる
- 解説に「ミルマンの定理より」と書いてあるが、なぜそれを選んだのかわからない
- 定理の公式は覚えたのに、本番で「どれを使うか」の判断ができない
- 結局いつもキルヒホッフで連立方程式を立てて、時間切れになる
- 5大定理(キルヒホッフ・重ねの理・テブナン・ノートン・ミルマン)の「使いどころ」が一目でわかる
- 回路を見て5秒で「どの定理を使うか」が決まるフローチャート
- 各定理の「得意な回路」と「苦手な回路」
- 本番試験で時間を半分に短縮する判断基準
電験三種の理論科目。直流回路の問題を見て、最初の30秒で「どの定理を使うか」を決められる人と、決められない人がいます。
決められない人は、とりあえずキルヒホッフで連立方程式を立て始めます。式が3本、4本と増えていき、計算ミスで答えが合わない。気づけば1問に15分。これが電験三種の理論で落ちる人の典型パターンです。
この記事を読み終えたとき、あなたは回路図を見た瞬間に「これはテブナン一発」「これはミルマン即答」と判断できるようになります。
目次
まず結論:5大定理の使い分け早見表
細かい話の前に、結論から言います。回路解法の5大定理は、それぞれ「得意な回路パターン」がはっきり決まっています。
| 定理 | 得意な場面 | キーワード |
|---|---|---|
| キルヒホッフ | どんな回路でも解ける万能型。ただし時間がかかる | 最終手段 |
| 重ねの理 | 電源が2個以上ある回路 | 電源を分解 |
| テブナン | 特定の1ヶ所の電流・電圧だけ知りたい | 注目点に集中 |
| ノートン | テブナンと同じ場面で、電流源で考えたいとき | テブナンの裏返し |
| ミルマン | 複数の電源が「全て並列」につながった回路 | 並列の端子電圧 |
電験三種の本番では、出題者が「この定理を使えば一発で解ける」回路を意図的に出してきます。つまり、回路図には必ず「これを使え」というヒントが隠されています。それを読み取れるようになれば、計算量は1/3になります。

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判断フローチャート:回路を見て5秒で決める
ここが本記事の核心です。回路図を見たら、以下の順番で自問自答してください。これだけで、使うべき定理が決まります。
5秒判断フローチャート
電源が「全て並列」につながっているか?
→ YES なら ミルマンの定理で即終了。分母分子の公式に値を入れるだけ。
「特定の抵抗1個」に流れる電流または電圧だけが知りたいか?
→ YES なら テブナンの定理。注目する抵抗を外して等価電源を作る。
(電流源で考えたいなら ノートンの定理。本質はテブナンと同じ)
電源が2個以上あって、ミルマンもテブナンも使いにくいか?
→ YES なら 重ねの理。電源を1個ずつ生かして足し算。
どれにも当てはまらない複雑な回路
→ キルヒホッフの法則で連立方程式を立てる。時間はかかるが必ず解ける。
私自身、電験三種の勉強を始めた頃は全部キルヒホッフで解いていました。連立方程式を立てて、行列っぽく解いて、計算ミスで答えが合わない。これを抜け出せたのは「フローチャートで判断する」癖をつけてからです。本番では時間が命なので、5秒の判断が合否を分けます。

キルヒホッフの法則:万能だが時間がかかる「最終手段」
キルヒホッフの法則は、すべての電気回路で使える万能定理です。第1法則(電流則)は「分かれ道に入る電流=出る電流」、第2法則(電圧則)は「閉ループの電圧の合計はゼロ」というシンプルな考え方です。
ただし、その分計算量が多いのが弱点です。回路が複雑になるほど、立てる方程式の数も増えていきます。
キルヒホッフが活きる場面・活きない場面
向いている場面
- 他の定理が使えない複雑な回路
- 回路全体の電流分布を全部知りたい
- 時間に余裕がある(演習段階)
向いていない場面
- 1ヶ所の電流だけ知りたいとき
- 電源が並列に並んでいるとき
- 本番試験の時間制限下
キルヒホッフは「最後の砦」と考えてください。連立方程式が3本以上になりそうなら、必ず他の定理が使えないか先に検討する。これが鉄則です。

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重ねの理:電源が複数ある回路の特効薬
重ねの理(重ね合わせの理)は、電源が2個以上ある回路で威力を発揮する定理です。
考え方はシンプル。「電源がたくさんあって混乱するなら、1個ずつ生かして計算し、最後に足し算しよう」というアプローチです。
料理で例えるなら「下ごしらえ別々作戦」
カレーを作るとき、肉と野菜を一気に炒めると味が混ざって調整しづらいですよね。だから、肉は肉だけ、野菜は野菜だけ別々に下ごしらえしてから合体させる。これが重ねの理の発想です。
電源Aだけを生かす(電源Bは短絡=消す)。このときの電流を求める。
電源Bだけを生かす(電源Aは短絡=消す)。このときの電流を求める。
STEP1とSTEP2の電流を、向きを考慮して足し算する。これが答え。
「電源を消す」とは、電圧源なら短絡(線でつなぐ)、電流源なら開放(外す)です。ここを間違える人が多いので注意してください。

テブナンの定理:「1ヶ所だけ知りたい」ときの最強の武器
テブナンの定理は、「特定の1ヶ所の電流または電圧だけを知りたい」場面で圧倒的な威力を発揮します。
電験三種の過去問では、これが最も出題頻度が高い定理です。「抵抗RLに流れる電流を求めよ」というタイプの問題が出たら、まずテブナンを疑ってください。
テブナンは「複雑な回路を電池1個に置き換える魔法」
テブナンの考え方は、複雑な回路をシンプルな「電池1個 + 抵抗1個」の等価回路に置き換えてしまうというものです。これにより、注目している抵抗だけを取り外して計算できるようになります。
注目する抵抗RLを回路から取り外す。
取り外した端子間の開放電圧V0を求める(これが等価電源の電圧)。
電源を全て短絡し、端子から見た合成抵抗R0を求める(これが等価内部抵抗)。
RLを戻して、I = V0 ÷ (R0 + RL) で電流を一発計算。
I = V0 ÷ (R0 + RL)
V0:開放電圧、R0:等価内部抵抗、RL:注目する負荷抵抗
テブナンの定理|複雑な回路を等価回路に変換する →

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ノートンの定理:テブナンの「裏返し」
ノートンの定理は、本質的にはテブナンの定理と同じことを言っています。違いは、等価回路を「電圧源で作るか」「電流源で作るか」だけです。
テブナン vs ノートン:考え方の違い
テブナン
複雑な回路を
「電圧源 + 直列抵抗」
に置き換える
→ 開放電圧V0を求める
ノートン
複雑な回路を
「電流源 + 並列抵抗」
に置き換える
→ 短絡電流ISを求める
電験三種では、テブナンの方が出題頻度が高いです。ただし、回路に電流源(円の中に矢印)が含まれている場合は、ノートンで考えた方が圧倒的に楽になります。
テブナンとノートンは相互変換できます。「電圧源V0+直列抵抗R0」は「電流源V0/R0+並列抵抗R0」と等価です。問題に応じて使いやすい方を選べばOK。

ミルマンの定理:「全部並列」の回路は秒で解ける
ミルマンの定理は、複数の電源(電池)が全て並列につながった回路で、その並列の端子電圧を一発で求める公式です。
この定理が使える回路では、テブナンを使うのも面倒です。ミルマンなら、電卓に値を打ち込むだけで答えが出ます。
ミルマンの公式
見分け方:「電池が横に並んでいたらミルマン」
ミルマンが使えるかどうかの見分け方は超シンプルです。回路図を見て、電池が横にズラッと並んで、共通の2本の線でつながっているならミルマンの出番です。
電験三種でミルマンを知らずにキルヒホッフで解こうとすると、3元連立方程式になって地獄を見ます。「並列電源の端子電圧」と聞いた瞬間に公式に値を入れるだけ。これだけで30分の問題が3分になります。

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回路パターン別・最適な定理マッピング
過去問でよく出る「回路パターン」と「最適な定理」の対応表を作りました。本番試験では、この対応関係を瞬時に思い出せるようにしておきましょう。
| 回路パターン | 第一選択 | 理由 |
|---|---|---|
| 電池が2個並列、共通負荷あり | ミルマン | 公式一発で端子電圧 |
| ブリッジ回路の中央RLの電流 | テブナン | 注目1ヶ所だけ知りたい |
| 電圧源と電流源が混在 | 重ねの理 | 電源を1個ずつ生かす |
| 電流源 + 抵抗の並列回路 | ノートン | 電流源と相性◎ |
| 回路全体の電流分布が必要 | キルヒホッフ | 全部の枝を網羅できる |
| 負荷抵抗を変化させたときの電流 | テブナン | 等価電源にしておけば再計算が楽 |
「この回路パターンが来たら、この定理」というセットで覚えると、本番で迷わなくなります。過去問演習の段階で、毎回「なぜこの定理を選んだか」を言語化する習慣をつけてください。

よくある失敗パターン3つ
電験三種の受験生が、定理の使い分けでハマる「典型的な失敗」を3つ紹介します。これを知っておけば、同じ穴に落ちずに済みます。
失敗①:何でもキルヒホッフで解こうとする
最も多い失敗です。連立方程式を立てる回数が増え、計算ミスのリスクも増え、時間も足りなくなる。「キルヒホッフは最終手段」と心に刻んでください。
失敗②:テブナンで「電源を消す」を忘れる
等価内部抵抗R0を求めるとき、電源を全て消してから端子間の合成抵抗を計算しなければなりません。電源を生かしたまま計算してしまう人が多いです。
電圧源を消す=短絡(線でつなぐ)/電流源を消す=開放(外す)。これを逆にすると答えが合いません。
失敗③:重ねの理で「向き」を間違える
STEP1とSTEP2の電流を最後に足し算するとき、電流の向きを考慮しなければなりません。同じ向きなら足す、逆向きなら引く。これを機械的に「全部足す」と間違えます。
本番では緊張で「向き」を見落としがちです。STEP1の段階で必ず「電流の向きを矢印で書き込む」癖をつけてください。これだけでケアレスミスが激減します。

まとめ:5秒判断で得点を倍にする
電験三種の理論で得点を伸ばす最大のコツは、「どの定理を使うか」を5秒で決めることです。連立方程式を立てる前に、必ず以下のフローを通してください。
- 電源が並列だけ → ミルマン(公式一発)
- 1ヶ所の電流・電圧 → テブナン(等価電源で解く)
- 電流源で考えたい → ノートン(テブナンの裏返し)
- 電源が複数 → 重ねの理(1個ずつ生かして足す)
- どれもダメなら → キルヒホッフ(最終手段の万能型)
過去問演習の段階で、毎回「なぜこの定理を選んだか」を言語化してください。本番では考える時間がありません。回路を見て5秒で判断できるレベルまで、繰り返し練習することが合格への最短ルートです。
電験三種は知識だけでなく「解法の引き出しの多さ」が問われる試験です。5大定理を使い分けられるようになれば、理論の得点は確実に跳ね上がります。

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