多変量解析

【完全図解】因子負荷量とは?|「磁石の引き寄せ力」で主成分の意味をスッキリ理解

😵 こんな経験ありませんか?
  • 「因子負荷量」と「固有ベクトル」の違いがわからない
  • 表を見ても、主成分が「何を意味しているか」が説明できない
  • プラスとマイナスが混在していると、どう解釈すればいいか迷う
✅ この記事を読むと
  • 因子負荷量を「磁石の引き寄せ力」でイメージできる
  • 因子負荷量の表から主成分の意味を読み取るコツがわかる
  • QC検定1級の問題に自信を持って答えられる

因子負荷量とは?|主成分と変数の「仲良し度」

主成分分析をすると、「第1主成分」「第2主成分」という新しい軸ができます。

でも、「この主成分は何を表しているの?」がわからないと、分析の意味がありませんよね。

そこで使うのが因子負荷量です。

🎯 一言でいうと
因子負荷量 = 主成分と元の変数がどれくらい「仲良し」か(相関係数)

例えば、テストの成績で考えてみましょう。

「第1主成分」と「数学」の因子負荷量が0.85なら、「数学ができる人は第1主成分も高い傾向がある」という強い関係を意味します。

逆に因子負荷量が0.20なら、「ほとんど関係がない」ということです。

因子負荷量の範囲|-1から+1まで

因子負荷量は相関係数と同じで、-1から+1の範囲の値をとります。

因子負荷量 意味 イメージ
+1に近い 主成分が上がると、変数も上がる 🤝 親友レベル
0に近い ほとんど関係がない 😐 他人
-1に近い 主成分が上がると、変数は下がる 🔄 真逆の動き

磁石で理解する因子負荷量|引き寄せられる強さ

因子負荷量を理解する最強のたとえは「磁石」です。

🧲 磁石のたとえで理解しよう

「第1主成分」という磁石があるとします。
周りには「数学」「国語」「体育」などの変数が浮いています。

  • 🧲⬅️📐 数学は磁石に強く引き寄せられている(因子負荷量 0.85)
  • 🧲⬅️📖 国語もそこそこ引き寄せられている(因子負荷量 0.70)
  • 🧲   ⚽ 体育はほとんど引き寄せられていない(因子負荷量 0.15)

磁石に近いものほど、その主成分と強い関係があるのです!

さらに、磁石にはN極とS極がありますよね。

因子負荷量がプラスの変数はN極側に引き寄せられ、マイナスの変数はS極側に引き寄せられます。これが「正の関係」と「負の関係」の違いです。

因子負荷量の公式|なぜ√固有値をかけるの?

因子負荷量の計算式を見てみましょう。

📐 因子負荷量の公式
因子負荷量 = 固有ベクトル × √固有値
固有ベクトル 主成分の方向を決める係数(前回学んだ「コンパス」)
√固有値 主成分の重要度を反映する数値(前回学んだ「宝の量」の平方根)

なぜ√固有値をかけるの?|重要度を反映させるため

固有ベクトルだけだと、すべての主成分が「同じ長さ」になってしまいます。

でも実際は、第1主成分のほうが第2主成分より重要ですよね。

💡 √固有値をかける理由
固有値が大きい主成分ほど、因子負荷量も大きくなる。
これによって「重要な主成分ほど、変数との関係が強く見える」ようになります。

計算例|実際に数字を入れてみよう

🧮 計算してみよう

与えられた情報:

  • 第1主成分の固有値:λ₁ = 2.1
  • 数学の固有ベクトル成分:0.58

計算:

因子負荷量 = 0.58 × √2.1
     = 0.58 × 1.45
     = 0.84

結果:数学と第1主成分の因子負荷量は0.84(とても強い関係!)

⚠️ QC検定での注意
統計ソフトは因子負荷量を自動計算してくれます。
試験では「因子負荷量の表を読み取る」問題が中心なので、計算より解釈を重視しましょう!

因子負荷量の表の読み方|主成分の「意味」を見抜く

因子負荷量の最大の目的は、「主成分が何を意味しているか」を理解することです。

実際の表を見てみましょう。

変数 PC1 PC2
数学 0.85 0.45
理科 0.82 0.40
国語 0.75 -0.60 ❄️
社会 0.70 -0.65 ❄️

⭐ = 高いプラスの値 ❄️ = 高いマイナスの値

この表から何がわかる?

🔍 PC1の解釈

すべての科目が0.7以上のプラスで高い
→ 数学も、理科も、国語も、社会も関係している
→ PC1 = 「総合学力」を表している!

🔍 PC2の解釈

数学・理科はプラス(+0.4〜0.45)
国語・社会はマイナス(-0.60〜-0.65)
→ 理系科目と文系科目が逆の動きをする
→ PC2 = 「理系 vs 文系」のバランスを表している!

主成分を解釈する3ステップ|名探偵になろう

因子負荷量の表から主成分の意味を読み取るには、3つのステップがあります。

🔍 Step 1:絶対値0.7以上を探す

まず、因子負荷量の絶対値が0.7以上のセルを見つけます。
(プラスでもマイナスでも、数字の大きさで判断!)

これが「その主成分に強く関係している変数」です。

🔍 Step 2:共通点を見つける

Step 1で見つけた変数に共通するテーマを探します。

例:「数学、理科、国語、社会」→ 共通点は「勉強の科目」
例:「寸法A、寸法B、重量」→ 共通点は「サイズに関係する項目」

🔍 Step 3:わかりやすい名前をつける

共通点から、主成分にわかりやすい名前をつけます。

コツ:
・全部プラスで高い → 「総合〇〇」「全体〇〇」
・プラスとマイナスが混在 → 「〇〇 vs △△」

3つのパターンを覚えよう|これで解釈は完璧!

因子負荷量の表には、大きく分けて3つのパターンがあります。

パターン 因子負荷量の特徴 主成分の意味 名前の例
①全部プラス型 すべての変数がプラスで高い 全体のレベル 「総合力」「全体サイズ」
②プラマイ混在型 プラスとマイナスが混在 2つのグループの対比 「理系vs文系」「硬さvs柔らかさ」
③一部だけ高い型 特定の変数だけ高い 特定の特性 「表面品質」「材料特性」

実例:製造業の品質データ|実務で使えるようになろう

製造業の品質管理でも、因子負荷量は大活躍します。

🏭 製造業の例:製品の品質データ

測定項目:寸法A、寸法B、重量、硬度、表面粗さ

変数 PC1 PC2
寸法A 0.92 0.15
寸法B 0.88 0.20
重量 0.85 0.25
硬度 0.35 0.91
表面粗さ 0.28 0.87

解釈:

  • PC1:寸法A、寸法B、重量が高い → 「サイズ因子」
  • PC2:硬度、表面粗さが高い → 「材料特性因子」

因子負荷量プロット(バイプロット)の読み方

因子負荷量は、グラフ(プロット)で視覚化されることもあります。

これを「バイプロット(Biplot)」といいます。

🎯 バイプロットとは?
PC1を横軸、PC2を縦軸にして、各変数を矢印で表示したグラフです。
矢印の長さ・方向・角度から、因子負荷量の情報が読み取れます。

バイプロットの読み方|3つのポイント

見るポイント 意味 具体例
①矢印の長さ 主成分にとっての重要度 長い矢印 = 重要な変数
②矢印の方向 どの主成分と関係するか 右向き = PC1と正の関係
上向き = PC2と正の関係
③矢印同士の角度 変数間の相関 近い = 正の相関
90° = 無相関
180° = 負の相関
💡 バイプロットの読み方のコツ
①まず長い矢印を探す(重要な変数)
②次に似た方向の矢印をグループ化する
③グループの共通点から主成分の意味を解釈する

因子負荷量の判断基準|これだけ覚えればOK!

絶対値 関係の強さ 解釈での扱い
0.7以上 強い 主成分の意味を決める重要な変数
0.4〜0.7 中程度 ある程度関係があるが、主役ではない
0.4未満 弱い ほとんど無視してOK

まとめ|因子負荷量を完全マスター!

項目 内容
因子負荷量とは 主成分と変数の「仲良し度」(相関係数)
範囲 -1 ~ +1
公式 固有ベクトル × √固有値
判断基準 |0.7以上| = 強い関係 → 解釈に使う
解釈の3ステップ ①0.7以上を探す → ②共通点を見つける → ③名前をつける
🎯 この記事のポイント
  • 因子負荷量 = 磁石の引き寄せ力(近いほど強い関係)
  • |0.7以上| の変数を探すのが解釈のスタート
  • 全部プラス = 「総合〇〇」、プラマイ混在 = 「〇〇 vs △△」
  • バイプロットは矢印の長さ・方向・角度で読む

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