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こんな疑問、ありませんか?
- 数量化理論って何?なぜ「数量化」というの?
- Ⅰ類・Ⅱ類・Ⅲ類・Ⅳ類の違いがわからない…
- どんな場面で使うの?回帰分析や主成分分析と何が違う?
○ この記事でスッキリ解決!
「アンケート調査」「顧客分類」など身近な例えで、数量化理論の全体像を完全マスターできます!
この記事の結論(先に知っておこう!)
数量化理論は「文字データ(カテゴリデータ)を数値に変換して分析する」ための手法です。日本の統計学者・林知己夫が開発した「Made in Japan」の分析手法。Ⅰ類〜Ⅳ類の4種類があり、目的変数の有無とデータの種類で使い分けます!
数量化理論って何?|一言でいうと
数量化理論を一言で説明すると…
「男・女」「好き・嫌い」などの
文字データを数値に変換して分析する手法
なぜ「数量化」が必要なの?
統計分析の多くは「数値データ」を前提としています。
数値データ
身長:170cm
体重:65kg
年収:500万円
→ そのまま分析できる!
カテゴリデータ
性別:男・女
血液型:A・B・O・AB
満足度:満足・普通・不満
→ そのままでは分析できない…
アンケート調査や顧客データには、「男・女」「好き・嫌い」「購入する・しない」などのカテゴリデータがたくさん含まれています。
これらを数値に変換して分析できるようにしたのが、数量化理論です!
開発者は日本人!
数量化理論は、日本の統計学者林知己夫(はやし ちきお)が1950年代に開発しました。海外では「Hayashi's Quantification Methods」として知られています。日本発の統計手法として、世界的に認められています。

4つの数量化理論|全体マップ
数量化理論にはⅠ類・Ⅱ類・Ⅲ類・Ⅳ類の4種類があります。
選び方は2つの軸で決まります。
選び方の2つの軸
軸①:目的変数があるか?
ある:予測・判別したい
(Ⅰ類・Ⅱ類)
ない:構造を知りたい
(Ⅲ類・Ⅳ類)
軸②:目的変数の種類は?
数値:売上、点数など
(Ⅰ類)
カテゴリ:購入する/しない
(Ⅱ類)
4つの数量化理論 早見表
| 種類 | 目的変数 | 何をする? | 対応する手法 | イメージ |
|---|---|---|---|---|
| Ⅰ類 | 数値 (あり) |
カテゴリで数値を予測 | 重回帰分析 | 予測 |
| Ⅱ類 | カテゴリ (あり) |
カテゴリでグループを判別 | 判別分析 | 分類 |
| Ⅲ類 | なし | カテゴリ間の関係を可視化 | 主成分分析 コレスポンデンス分析 |
マップ化 |
| Ⅳ類 | なし | サンプル間の類似度を分析 | 多次元尺度構成法 (MDS) |
距離 |
覚え方のコツ:「Ⅰ類とⅡ類は予測・判別(目的変数あり)」「Ⅲ類とⅣ類は構造把握(目的変数なし)」とまず分けて覚えましょう!

数量化Ⅰ類|カテゴリで数値を予測する
カテゴリデータで数値を予測
対応する手法:重回帰分析(説明変数がカテゴリ版)
具体例:住宅価格の予測
こんなデータがあるとき…
| 物件 | 駅からの距離 | 築年数 | 間取り | 価格(万円) |
|---|---|---|---|---|
| A | 徒歩5分以内 | 新築 | 3LDK | 5,000 |
| B | 徒歩10分以上 | 10年以上 | 2LDK | 2,500 |
「駅からの距離」「築年数」「間取り」などのカテゴリデータから、価格(数値)を予測したい。
こんなときに使うのが数量化Ⅰ類です!
数量化Ⅰ類がやること
「徒歩5分以内」→ +500万円 のように、各カテゴリに数値(カテゴリスコア)を割り当てる
各カテゴリのスコアを合計して、価格を予測する
どのカテゴリが価格に影響が大きいかもわかる
数量化Ⅰ類の活用例
- 住宅価格の予測(立地・築年数・間取りから)
- アンケートから顧客満足度を予測
- 商品の売上を属性から予測
- 従業員のパフォーマンス予測

数量化Ⅱ類|カテゴリでグループを判別する
カテゴリデータでグループを判別
対応する手法:判別分析(説明変数がカテゴリ版)
具体例:顧客の購買予測
こんなデータがあるとき…
| 顧客 | 年代 | 性別 | 来店頻度 | 購入する? |
|---|---|---|---|---|
| Aさん | 20代 | 女性 | 週1以上 | 購入する |
| Bさん | 50代 | 男性 | 月1以下 | 購入しない |
「年代」「性別」「来店頻度」などのカテゴリデータから、「購入する・しない」というグループ(カテゴリ)を判別したい。
こんなときに使うのが数量化Ⅱ類です!
数量化Ⅱ類がやること
各カテゴリにスコアを割り当てる(Ⅰ類と同様)
スコアの合計から「購入する群」と「購入しない群」を最もよく分ける境界線を見つける
新しい顧客がどちらのグループに属するか予測できる
Ⅰ類との違い
Ⅰ類:数値を予測
(例:売上金額、点数)
Ⅱ類:カテゴリを判別
(例:購入する/しない)
活用例
- 顧客の購買予測
- ローン審査の判定
- 疾患の診断予測
- 離職者の予測
「なんのためにやる?」がわかる!多変量解析の目的と種類

数量化Ⅲ類|カテゴリ間の関係を可視化する
カテゴリ間の関係を2次元マップで可視化
対応する手法:主成分分析、コレスポンデンス分析(カテゴリ版)
Ⅲ類は目的変数がありません。「予測」ではなく「構造の把握」が目的です。
具体例:テレビ番組と視聴者の関係
こんなデータがあるとき…
| 視聴者 | ドラマA | バラエティB | ニュースC | スポーツD |
|---|---|---|---|---|
| 20代女性 | ◯ | ◯ | × | × |
| 50代男性 | × | × | ◯ | ◯ |
「どの番組とどの視聴者層が似ているか?」を知りたい。
こんなときに使うのが数量化Ⅲ類です!
数量化Ⅲ類がやること
カテゴリ(番組)とサンプル(視聴者)を同じ2次元マップ上にプロットします。
近くにあるものは「似ている」、遠くにあるものは「似ていない」という関係がわかります。
結果のイメージ
↑
ドラマA ● ● 20代女性
バラエティB ●
←─────────────────→
● ニュースC
● 50代男性 ● スポーツD
↓
近くにあるもの同士は「似ている」!
数量化Ⅲ類の活用例
- ブランドイメージと消費者の関係を可視化
- アンケート回答パターンの分析
- 商品と購買者層の対応関係
- Webサイトとユーザー属性のマッピング

数量化Ⅳ類|サンプル間の類似度を分析する
類似度データから位置関係を復元する
対応する手法:多次元尺度構成法(MDS:Multidimensional Scaling)
Ⅳ類は他の3つとは少し異なり、「類似度」や「距離」のデータを使います。
具体例:都市間の心理的距離
こんなデータがあるとき…
「東京と大阪は似ている(距離:2)」「東京と札幌はあまり似ていない(距離:5)」のような類似度(距離)データがあるとき…
| 都市 | 東京 | 大阪 | 札幌 | 福岡 |
|---|---|---|---|---|
| 東京 | 0 | 2 | 5 | 4 |
| 大阪 | 2 | 0 | 6 | 3 |
※数字が小さいほど「似ている」
この「距離データ」から、2次元の地図のような配置を復元したい。
こんなときに使うのが数量化Ⅳ類です!
数量化Ⅳ類がやること
「類似度(距離)」のデータを入力とする
距離関係をなるべく再現する2次元座標を計算する
地図のように位置関係を可視化できる
Ⅲ類との違い
Ⅲ類:0/1データ(あり・なし)
→ カテゴリの対応関係
Ⅳ類:距離・類似度データ
→ 位置関係の復元
活用例
- ブランドの知覚マップ作成
- 商品間の類似度分析
- 消費者の好みの構造分析
- 音や色の心理的距離の可視化

通常の分析手法との対応関係
数量化理論は、「カテゴリデータ版」の多変量解析と考えることができます。
| 数量化理論 | 対応する通常手法 | 説明変数 | 目的変数 |
|---|---|---|---|
| Ⅰ類 | 重回帰分析 | カテゴリ | 数値 |
| Ⅱ類 | 判別分析 | カテゴリ | カテゴリ |
| Ⅲ類 | 主成分分析 コレスポンデンス分析 |
カテゴリ | なし |
| Ⅳ類 | 多次元尺度構成法 (MDS) |
類似度データ | なし |
現代の実務では…
数量化理論の考え方は、「ダミー変数」を使った回帰分析や、機械学習の「One-Hot Encoding」として広く普及しています。概念を理解しておくと、様々な分析手法の理解が深まります。
まとめ|数量化理論のポイント
試験で覚えるべきこと
数量化理論とは?
カテゴリデータを数値に変換して分析する、日本発の統計手法
Ⅰ類
カテゴリ → 数値を予測(重回帰分析に対応)
Ⅱ類
カテゴリ → カテゴリを判別(判別分析に対応)
Ⅲ類
カテゴリ間の関係を可視化(主成分分析に対応)
Ⅳ類
類似度データから位置関係を復元(MDSに対応)
選び方のフローチャート
①目的変数はあるか?
→ ある場合:Ⅰ類 or Ⅱ類
→ ない場合:Ⅲ類 or Ⅳ類
②目的変数の種類は?(目的変数ありの場合)
→ 数値:Ⅰ類
→ カテゴリ:Ⅱ類
③データの種類は?(目的変数なしの場合)
→ 0/1(あり・なし):Ⅲ類
→ 類似度・距離:Ⅳ類
QC検定での出題ポイント
数量化理論はQC検定1級・2級で出題されることがあります。特に以下の点を押さえておきましょう。
- Ⅰ類〜Ⅳ類の目的と使い分け
- 対応する通常の多変量解析手法との関係
- カテゴリデータを扱う際の考え方
「数量化理論」の土台になる統計学を、本でじっくり学び直したいときに向いています。統計学を独学で学べるように書かれた入門書です(ダイヤモンド社、小島寛之 著)。
「数量化理論」の土台になる統計学を、教科書で体系立てて学びたいときに向いています。東京大学教養学部統計学教室が編集した、統計学の定番の教科書です。データのまとめ方から確率分布までを、実際の例と図表で解説しています。
多変量解析を、教科書で基礎から体系的に学びたいときに向いています。多変量解析の考え方と手法を解説した入門書です(サイエンス社、永田靖・棟近雅彦 著)。
メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。
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