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- 主成分分析で何がわかるのか、ひとことで言えない
- 固有値・寄与率・主成分得点…用語が多くて迷子になる
- 実際の数字で計算したことがない
- 主成分分析の目的とイメージ
- 分散が最大の方向を選ぶ理由
- 例題で、固有値・寄与率・主成分得点を計算
- データを貼るだけの計算ツール
主成分分析とは、たくさんの変数(項目)を、情報をなるべく失わずに少ない数の「総合的な指標(主成分)」にまとめる手法です。データのばらつき(分散)がいちばん大きくなる方向を第1主成分とし、それと直角な方向で次に大きいものを第2主成分…と決めていきます。各主成分がもとの情報の何割を表すかが寄与率で、固有値÷固有値の合計で求めます。

主成分分析とは?たくさんの項目を少しの指標にまとめる
テストの5教科の点数を、そのまま並べて比べるのは大変です。そこで「5教科の合計点」という1つの数字にまとめると、ひと目で比べられます。主成分分析は、この「合計点」のような総合的な指標を、データのばらつきがいちばんよく表れるように自動で作る方法です。
| 目的 | たとえ | 使う場面 |
|---|---|---|
| ① 要約する(次元を減らす) | 5教科を「総合力」と「文理の偏り」の2つにまとめる | 項目が多すぎて全体がつかめないとき |
| ② 見える化する | 2つの主成分で、全員を1枚の散布図に描く | グループや外れたデータを見つけたいとき |
| ③ 隠れた軸を見つける | 「総合力」「得意の偏り」という見えない軸に気づく | 製品評価や品質特性の整理 |
主成分は、もとの変数に重みをかけて足した「合成点」です。重みのつけ方を、データから決めるのが主成分分析です。

なぜ「分散が最大の方向」を選ぶのか
ばらつきが大きい方向ほど、データどうしの違いがよく見えます。全員が同じ点なら、その指標では誰も区別できません。そこで、データを1本の軸に写したときに散らばり(分散)がいちばん大きくなる向きを第1主成分にします。
| 主成分 | 決め方 | 性質 |
|---|---|---|
| 第1主成分 | 写したときの分散が最大になる向き | いちばん多くの情報をもつ |
| 第2主成分 | 第1主成分と直角な向きのなかで、分散が最大 | 第1主成分とは相関がない(情報が重ならない) |
| 第3主成分以降 | それまでのすべてと直角で、分散が最大 | 変数の数だけつくれる |
この「分散が最大の向き」を計算すると、分散共分散行列の固有ベクトルになり、そのときの分散がちょうど固有値になります。だから主成分分析は、固有値と固有ベクトルを求める計算になるのです。
固有値と固有ベクトルの意味

主成分分析の7つの用語
| 用語 | 意味 | ひとことで |
|---|---|---|
| 分散共分散行列(相関行列) | 変数どうしの分散と共分散を並べた表 | 相性チェック表 |
| 固有ベクトル | 主成分の向き(各変数の重み) | いちばんよく見える撮影アングル |
| 固有値 | その主成分の分散 | その軸で見える違いの大きさ |
| 寄与率 | 固有値÷固有値の合計 | その軸が全体の何割を説明するか |
| 累積寄与率 | 寄与率を大きい順に足したもの | 何本の軸で何割を説明できるか |
| 因子負荷量 | 主成分ともとの変数の相関 | その軸が何を表すかの手がかり |
| 主成分得点 | 1つ1つのデータの、主成分の値 | 新しい成績表 |
いくつの主成分を使うかは、累積寄与率が70〜80%をこえるまで、あるいは固有値が1以上(相関行列のとき)を目安に決めることが多いです。
主成分の意味を読む因子負荷量
例題:5人の数学と理科を主成分分析する
| 生徒 | 数学 | 理科 |
|---|---|---|
| A | 80 | 75 |
| B | 60 | 65 |
| C | 70 | 80 |
| D | 90 | 85 |
| E | 50 | 45 |
| ステップ | 計算 | 答え |
|---|---|---|
| ① 平均 | 数学・理科とも | 70点 |
| ② 分散と共分散(n−1で割る) | 数学250、理科250、共分散225 | 相性チェック表ができる |
| ③ 固有値 | 250+225、250−225 | 475と25 |
| ④ 寄与率 | 475÷(475+25) | 第1主成分95%、第2主成分5% |
| ⑤ 向き(固有ベクトル) | 第1:(0.707, 0.707)、第2:(−0.707, 0.707) | 第1は「合計」、第2は「理科−数学」 |
| ⑥ 主成分得点(第1) | 0.707×(数学−70)+0.707×(理科−70) | D 24.75、A 10.61、C 7.07、B −10.61、E −31.82 |
第1主成分は数学と理科に同じ重みがかかるので「総合力」、第2主成分は理科がプラス・数学がマイナスなので「理系の中でも理科寄りか」を表します。第1主成分だけで情報の95%を説明できるので、この5人は「総合力」の1本の軸でほぼ並べられる、とわかります。
主成分得点の求め方と使い方

主成分分析(2変数)の計算ツール
1行に1人ぶん、2つの値を「,」で区切って貼ってください。最初は例題のデータが入っています。単位がちがう2つの変数なら「相関行列」を選びます。
入力すると、その場で計算し直します。入力した数字は画面の中で計算するだけで、どこにも送信されません。分散はn−1で割っています。主成分の向きの符号(+−)は、ソフトによって逆になることがあります。
主成分分析のよくある間違い
| よくある間違い | 正しい考え方 |
|---|---|
| 単位がちがう変数をそのまま分析する | cmとkgのように単位がちがうなら相関行列(標準化)で |
| 主成分の意味は自動で決まる | 因子負荷量や重みを見て、人が解釈して名前をつける |
| 寄与率=固有値 | 寄与率は固有値÷固有値の合計 |
| 主成分は相関がある | 主成分どうしは直角で、相関はない |
| 因子分析と同じもの | 主成分分析は要約、因子分析は共通の原因(因子)をさがす |

よくある質問
- 主成分分析=多くの項目を少ない総合指標にまとめる
- 分散が最大の向きが第1主成分(固有ベクトル)
- 寄与率=固有値÷固有値の合計
- 累積寄与率70〜80%を目安に主成分の数を決める
- 単位がちがう変数は相関行列で

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メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。
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気になるところから読んでも大丈夫です。どの記事も、はじめて学ぶ人向けにやさしく書いています。