💭 こんな疑問、ありませんか?
- 「品質教育って、具体的に何を教えればいいの?」
- 「OJTとOFF-JT、どう使い分ければいいの?」
- 「スキルマップって、どうやって作るの?」
✅ この記事でわかること
- 品質教育とは何か、なぜ重要なのか
- 教育体系の作り方=「階層別」×「職能別」の2軸
- OJTとOFF-JTの違いと使い分け
- スキルマップによる力量管理の方法
- 教育計画のPDCAサイクルの回し方
📌 結論(3秒で理解)
品質教育とは、組織の全員が品質を作り込む力を身につけるための教育活動。
「階層別」と「職能別」の2軸で体系を作り、OJT+OFF-JTを組み合わせて実施。
スキルマップで「誰が何をできるか」を見える化し、継続的に人材を育成します。
「良い製品は、良い人が作る」
品質管理の世界では、この言葉がよく使われます。
どんなに優れた設備や手順書があっても、それを使う「人」の力量が不足していれば、品質は上がりません。
逆に言えば、人を育てることが、品質を上げる最も確実な方法なのです。
この記事では、品質教育の体系と実施方法を図解たっぷり・QC検定1級レベルで解説します。

目次
🎯 品質教育とは?
📖 品質教育の定義
組織の全員が品質に関する知識・スキル・意識を身につけ、
品質を作り込む力を高めるための計画的な教育活動。
ISO 9001では「7.2 力量」として、必要な力量を持つ人員の確保が要求されています。
🌳 なぜ品質教育が重要なのか?
💡 「木」に例えると…
根っこ = 教育(見えないけど、すべてを支える)
幹 = 人材(組織の柱)
枝・葉・実 = 品質・成果(目に見える結果)
根が弱ければ、木は育たない。
同様に、教育が不十分なら、品質は向上しません。
🏆 品質教育が重要な3つの理由
- 品質は「人」が作る:設備や手順書があっても、使う人次第
- 予防コストの削減:教育投資は、後の不良対応コストより安い
- 組織文化の醸成:品質意識の高い組織風土を作る
🟢 教育体系の全体像 ─ 2つの軸
品質教育は、「誰に」「何を」教えるかを体系的に整理する必要があります。
そのために、2つの軸で教育体系を設計します。
① 階層別教育(横軸)
役職・経験年数に応じた教育
新入社員 → 一般社員 → 監督者 → 管理者 → 経営者
例:新入社員には「QC7つ道具」、管理者には「方針管理」
② 職能別教育(縦軸)
職種・専門分野に応じた教育
製造 / 検査 / 設計 / 購買 / 営業 / 品質保証
例:設計部門には「FMEA・DR」、検査部門には「抜取検査」
📊 教育体系マトリクスの例
| 階層\職能 | 共通 | 製造 | 設計 | 品質保証 |
|---|---|---|---|---|
| 新入社員 | 品質意識、5S | 作業標準 | CAD基礎 | 検査基礎 |
| 一般社員 | QC7つ道具 | 工程管理 | FMEA | 統計的検定 |
| 監督者 | 新QC7つ道具 | IE、TPM | DR、FTA | 監査技法 |
| 管理者 | 方針管理 | 生産管理 | 品質工学 | QMS運営 |
| 経営者 | TQM、品質経営、経営戦略と品質 | |||
💡 教育体系を作るポイント
- 漏れなく:全階層・全職能をカバーする
- 段階的に:基礎→応用→専門の順で設計
- 実務に直結:「学んで終わり」ではなく、現場で使える内容

🔴 OJTとOFF-JT ─ 2つの教育方法
品質教育の実施方法は、大きく2つに分けられます。
それぞれの特徴を理解して、組み合わせて使うのがポイントです。
🏭 OJT(On-the-Job Training)
📖 OJTとは
職場内訓練。実際の仕事をしながら、上司・先輩から指導を受けて学ぶ方法。
「現場で、実践しながら、身につける」教育。
✅ メリット
- 実践的・即戦力化しやすい
- コストが低い
- 個人に合わせた指導ができる
⚠️ デメリット
- 教える人の負担が大きい
- 体系的になりにくい
- 指導者の力量に左右される
🏫 OFF-JT(Off-the-Job Training)
📖 OFF-JTとは
職場外訓練。現場を離れて、研修室や外部セミナーで体系的に学ぶ方法。
「集中して、理論から、体系的に学ぶ」教育。
✅ メリット
- 体系的に学べる
- 専門家から学べる
- 集中して取り組める
⚠️ デメリット
- コストが高い(講師料・会場費)
- 現場を離れる必要がある
- 実践との乖離が生じやすい
⚖️ OJTとOFF-JTの比較
| 項目 | OJT | OFF-JT |
|---|---|---|
| 場所 | 職場内(現場) | 職場外(研修室・セミナー) |
| 指導者 | 上司・先輩 | 専門講師・外部講師 |
| 内容 | 実務に直結したスキル | 理論・体系的知識 |
| コスト | 低い | 高い |
| 適した内容 | 作業手順、ノウハウ | QC手法、管理技法 |
💡 ベストプラクティス:両方を組み合わせる
OFF-JTで「知識」を学ぶ → OJTで「実践」して身につける
例:
① OFF-JTで「QC7つ道具」を学習(理論・演習)
② OJTで実際のデータを使って分析(実践)
③ フォローアップ研修で疑問点を解消(定着)
「学ぶ→やる→振り返る」のサイクルが重要です。

🔵 スキルマップ(力量管理表)
「誰が何をできるのか」を把握していますか?
スキルマップは、組織の力量を見える化するためのツールです。
📖 スキルマップとは
人員 × スキル項目 のマトリクスで、各人の力量レベルを一覧化した表。
別名:力量管理表、スキルマトリクス、技能マップ
ISO 9001の「7.2 力量」要求事項に対応する管理ツールとしても使われます。
📊 スキルマップの例
| 氏名 | QC7つ道具 | 統計解析 | FMEA | 内部監査 | 後輩指導 |
|---|---|---|---|---|---|
| 田中 | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
| 鈴木 | ○ | △ | ◎ | ○ | ○ |
| 佐藤 | △ | × | △ | × | × |
| 山田 | ○ | ○ | ○ | ◎ | △ |
凡例
◎:指導可能(他者に教えられる) ○:単独でできる △:指導下でできる ×:未習得
🔍 スキルマップから見えること
💡 スキルマップの活用ポイント
- 属人化リスクの発見:「◎」が1人しかいないスキルは危険
- 教育計画の立案:「×」や「△」が多い人への優先教育
- 人員配置の最適化:プロジェクトに必要なスキルを持つ人を選定
- キャリア開発:本人のスキルアップ目標設定に活用
🟠 教育計画のPDCAサイクル
品質教育も、PDCAサイクルを回して継続的に改善します。
Plan(計画)
・教育ニーズの把握(スキルマップの分析)
・教育目標の設定
・年間教育計画の策定
Do(実施)
・OJT / OFF-JTの実施
・外部研修への派遣
・自己啓発の支援
Check(評価)
・教育効果の測定(テスト、実技評価)
・スキルマップの更新
・受講者アンケートの分析
Act(改善)
・教育内容・方法の見直し
・未達成項目の追加教育
・次期計画への反映

📝 まとめ
✅ この記事のポイント
- 品質教育とは、品質を作り込む力を組織全体で高める活動
「品質は人が作る」→ 教育投資が品質投資 - 教育体系は「階層別」×「職能別」の2軸で設計
漏れなく、段階的に、実務に直結した内容を - OJT + OFF-JTを組み合わせて実施
知識(OFF-JT)→ 実践(OJT)→ 定着のサイクル - スキルマップで力量を見える化
属人化リスク発見、教育計画、人員配置に活用 - 教育もPDCAで継続的に改善
Plan→Do→Check→Actのサイクルを回す
🔑 QC検定で押さえるキーワード
📋 ISO 9001との関連
7.2 力量:製品・サービスの品質に影響する業務を行う人に、必要な力量があることを確実にする。
具体的には:
a) 必要な力量を明確にする
b) 教育訓練または経験に基づいて力量があることを確実にする
c) 力量を得るための処置をとり、その有効性を評価する
d) 力量の証拠となる文書化した情報を保持する
スキルマップは「d)」の証拠として活用できます。
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💡 品質教育は、「人への投資=品質への投資」という考え方の実践です。
教育体系を整え、スキルマップで見える化し、継続的に人材を育てましょう!

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