電力科目の解説

【電験三種・電力】水力発電の基礎|ダム式・流れ込み式・揚水式の違いと計算問題で満点を狙う

⚠️ こんな悩みありませんか?
  • 水力発電の「ダム式」「流れ込み式」「揚水式」の違いがわからない...
  • 公式P=9.8QHηは覚えたけど、どう使えばいいの?
  • 計算問題で単位変換のミスが多い...

結論から言うと、水力発電は電験三種の電力科目で最も得点しやすい分野です。

なぜなら、出題パターンが決まっているから。3つの発電方式の特徴を押さえ、公式P=9.8QHηを使いこなせば、ほぼ確実に得点できます。

この記事では、電験三種を一発合格した筆者が、水力発電の3つの方式を初心者でもイメージできるように図解し、計算問題の解き方まで完全解説します。

✅ この記事でわかること
  • ダム式・流れ込み式・揚水式の仕組みと違い(試験で問われるポイント)
  • 公式P=9.8QHηの意味と使い方(単位変換も完璧に)
  • 過去問レベルの計算問題の解き方(よくあるミスと対策)

💧 水力発電とは?|電験三種での位置づけ

水力発電とは、水が高いところから低いところへ流れる力(位置エネルギー)を使って電気を作る発電方式です。

イメージしやすい例で言うと、「滝の落下する力で水車を回して発電する」という感じですね。

📊 電験三種での出題頻度
電力科目ではほぼ毎年出題されます。特に「3つの発電方式の違い」と「計算問題(公式P=9.8QHη)」は頻出中の頻出です。

つまり、この記事の内容を押さえるだけで、電力科目で確実に5〜10点は獲得できるということです。

🏗️ 水力発電の3つの方式|ダム式・流れ込み式・揚水式

水力発電には、大きく分けて3つの方式があります。それぞれの特徴を比較しながら見ていきましょう。

1️⃣ ダム式水力発電|最もメジャーで安定した発電方式

ダム式水力発電は、ダムで水を貯めて、高いところから一気に落として発電する方式です。

イメージは「巨大な水タンクから水を落として水車を回す」という感じですね。

📌 ダム式の特徴

項目 内容
仕組み ダムで水を貯め、水圧管を通して水車に落とす
メリット 貯水池があるため安定した発電が可能。発電量を調整しやすい
デメリット ダム建設に莫大なコストと時間がかかる
試験のポイント 有効落差Hが大きい → 出力Pが大きくなる
💡 試験での狙われ方
「ダム式は貯水池があるため、需要に応じて発電量を調整できる」という特徴が選択肢で問われます。

2️⃣ 流れ込み式水力発電|小規模で環境に優しい

流れ込み式水力発電は、川の自然な流れをそのまま使って発電する方式です。

ダムのような大きな貯水池を作らず、「川の水を少し横に引いて、そのまま水車を回す」というイメージですね。

📌 流れ込み式の特徴

項目 内容
仕組み 川の自然流量をそのまま利用。貯水池はほとんどなし
メリット 建設コストが安い。環境への影響が小さい
デメリット 川の水量に依存するため発電量が不安定
試験のポイント 流量Qが天候に左右される → 出力変動が大きい
💡 試験での狙われ方
「流れ込み式は貯水池がないため、河川の流量変動に影響される」という特徴が正誤問題で出ます。

3️⃣ 揚水式水力発電|電力の「貯金箱」として活躍

揚水式水力発電は、昼間は発電、夜間は水を汲み上げて貯める「電力の貯金箱」のような発電方式です。

イメージは「昼間は水を落として発電 → 夜間に安い電力で水を汲み上げる → また昼間に発電」というサイクルですね。

📌 揚水式の特徴

項目 内容
仕組み 上部貯水池と下部貯水池の間で水を循環させる
メリット 電力需要のピーク時に即座に対応できる(起動が速い)
デメリット 揚水に使う電力があるため総合効率は70%程度
試験のポイント ピーク時の負荷調整に使われる(選択肢で頻出)
⚠️ ここが狙われる!
「揚水式は昼間のピーク需要に対応するため、夜間に水を汲み上げる」という仕組みが選択肢で問われます。逆にしないように注意!

📊 3つの発電方式を比較表でまとめ

ダム式・流れ込み式・揚水式の違いを一覧表で整理しましょう。試験前にこの表を見直すだけでも得点アップにつながります!

項目 ダム式 流れ込み式 揚水式
貯水池 あり(大規模) なし あり(上下2つ)
安定性 ◎ 高い △ 流量に依存 ◎ 高い
建設コスト 高い 安い 高い
用途 ベース電源 小規模発電 ピーク調整
試験頻度 ★★★ ★★☆ ★★★

📐 水力発電の公式|P = 9.8 × Q × H × η を完全攻略

それでは、電験三種で最も出題される計算公式を見ていきましょう。

📐 水力発電の出力公式
P = 9.8 × Q × H × η

📚 各記号の意味

記号 意味 単位 ポイント
P 発電出力 kW (または MW) 求めたい答え
9.8 重力加速度 m/s² 固定値(約10と覚えてもOK)
Q 流量 m³/s 1秒間に流れる水の量
H 有効落差 m 水が落ちる高さ
η 総合効率 無次元(0〜1) 通常0.8〜0.9(80〜90%)

🧮 例題で練習しよう

📝 例題

ある水力発電所で、流量Q = 10 m³/s、有効落差H = 50 m、総合効率η = 0.85 のとき、発電出力Pは何kWか?

💡 解き方

公式に数値を代入するだけです!

✅ 計算手順

P = 9.8 × Q × H × η
P = 9.8 × 10 × 50 × 0.85
P = 9.8 × 10 × 50 × 0.85
P = 4,165 kW

答え: 4,165 kW (約4.2 MW)

⚠️ よくあるミス
  • 単位変換ミス: kWとMWを間違える(1 MW = 1,000 kW)
  • 効率の入力ミス: η=85%を「85」と入力(正しくは「0.85」)
  • 9.8を忘れる: QとHだけ掛けてしまう

✅ まとめ|水力発電は「3つの違い」と「公式」で満点を狙える

この記事では、電験三種の電力科目で頻出の水力発電の基礎を徹底解説しました。

📌 この記事のポイント
  • ダム式 → 貯水池があり安定発電。ベース電源に使われる
  • 流れ込み式 → 貯水池なし。川の流量に依存するため出力変動が大きい
  • 揚水式 → 昼間発電・夜間揚水。ピーク調整に使われる
  • 公式P=9.8QHη → 単位変換に注意すれば確実に得点できる

水力発電は電力科目で最も得点しやすい分野です。3つの方式の違いと計算公式を押さえておけば、ほぼ確実に5〜10点は獲得できます。

次は火力発電送電線の勉強に進みましょう。電力科目は積み重ねが大事ですので、焦らず一歩ずつ進んでくださいね!📘

あなたの合格を心から応援しています!💪⚡

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