理論科目の解説

【電験三種・理論】分圧・分流の法則|電圧と電流の分け方を瞬時に計算

「分圧」と「分流」、ピザを分けるように電気も分ける!

「電圧が2つの抵抗にどう分かれるか、計算がわからない...😭」って困っていませんか?

実は、分圧・分流はピザやケーキを分けるのと全く同じなんです!🍕

例えば、兄弟2人でピザを分けるとき、体の大きなお兄ちゃんには大きなピース、小さな弟には小さなピースを渡しますよね。抵抗の大きさに応じて電圧や電流が分かれるのも、これと同じイメージです!

🍕 分圧・分流のイメージ

  • 分圧(ぶんあつ):直列回路で電圧を分ける → ピザを兄弟で分ける🍕
  • 分流(ぶんりゅう):並列回路で電流を分ける → 川が2つに分かれる🌊

この記事では、身近な例え話をたくさん使って、初心者の方でも一瞬で理解できるよう、分圧と分流の公式、覚え方、実用回路への応用まで丁寧に解説します!

これをマスターすれば、センサー回路やボリューム調整の仕組みまでスッキリわかるようになります!😊

分圧の法則|直列回路で電圧を分ける

分圧って何?まずはイメージから!

分圧(ぶんあつ)とは、直列回路につながった抵抗に、電圧がどう分かれるかを計算する方法です。

わかりやすく例えるなら、滝の高低差です💧

💧 滝で考える分圧のイメージ

山の上から川が流れてきて、途中に2つの滝があるとします。

  • 山の頂上(12V) → 1つ目の滝(4V落ちる) → 中腹(8V) → 2つ目の滝(8V落ちる) → 麓(0V)
  • 滝1は小さい(R1=3Ω)から、落差も小さい(V1=4V)
  • 滝2は大きい(R2=6Ω)から、落差も大きい(V2=8V)

抵抗が大きいほど、電圧降下も大きい!これが分圧です。

分圧の法則:抵抗の比率で分かれる

分圧の法則は、こう覚えましょう。

📐 分圧の公式

V₁ = V × (R₁ / (R₁ + R₂))

求めたい電圧 = 全体の電圧 × (その抵抗 / 合成抵抗)

公式の意味を分解してみましょう。

  • V:全体の電圧(電源電圧)
  • R₁:電圧を求めたい抵抗
  • R₁+R₂:直列につながった抵抗の合計
  • R₁/(R₁+R₂):「全体のうち、どれだけの割合か?」

つまり、抵抗の割合に応じて、電圧も同じ割合で分かれるんです!

ピザで覚える分圧!

もっとわかりやすく、ピザの分け方で考えましょう🍕

🍕 ピザを兄弟で分ける

12枚のピザ(12V)を兄弟2人で分けます。

  • お兄ちゃん(R₁=3Ω)、弟(R₂=6Ω)
  • 合計:3+6=9枚分の食欲
  • お兄ちゃんの取り分:12枚 × (3/9) = 4枚
  • 弟の取り分:12枚 × (6/9) = 8枚

抵抗が大きい弟(R₂=6Ω)の方が、たくさん(8V)もらえる!

このように、大きい抵抗には大きな電圧が分かれます。これが分圧の基本です!

実際に計算してみよう!

では、実際に分圧を計算してみましょう。

📝 例題:V=12V、R₁=3Ω、R₂=6Ωの直列回路

問題:R₁にかかる電圧V₁を求めよ。

ステップ①:合成抵抗を計算

R₁+R₂ = 3Ω + 6Ω = 9Ω

ステップ②:R₁の割合を計算

R₁/(R₁+R₂) = 3Ω/9Ω = 1/3

ステップ③:電圧を計算

V₁ = 12V × (1/3) = 4V

答え:4V

同じように、V₂ = 12V × (6/9) = 8Vです。

確認してみましょう:V₁ + V₂ = 4V + 8V = 12V ✓ ちゃんと元の電圧に戻りました!

分流の法則|並列回路で電流を分ける

分流って何?川が分かれるイメージ!

分流(ぶんりゅう)とは、並列回路に流れる電流が、それぞれの抵抗にどう分かれるかを計算する方法です。

わかりやすく例えるなら、川が2つに分かれる様子です🌊

🌊 川で考える分流のイメージ

大きな川(6A)が2つの支流に分かれます。

  • 支流1:狭い川(R₁=6Ω大) → 水の流れは少ない(I₁=2A)
  • 支流2:広い川(R₂=3Ω小) → 水の流れは多い(I₂=4A)

広い川(抵抗が小さい)の方に、たくさん水(電流)が流れる!

これが分流です。抵抗が小さいほど、電流がたくさん流れるんです!

分流の法則:抵抗に反比例して分かれる

ここが重要です!分流は分圧と逆なんです。

📐 分流の公式

I₁ = I × (R₂ / (R₁ + R₂))

求めたい電流 = 全体の電流 × (相手の抵抗 / 合成抵抗)

⚠️ 超重要!分流は分圧と違う!

分圧:分子に「欲しい抵抗(R₁)」を入れる

分流:分子に「相手の抵抗(R₂)」を入れる!

これを間違えると試験で大量失点します😭

なぜ「相手の抵抗」なのか?それは、抵抗が小さいほど電流がたくさん流れる(反比例)からです。

道路で覚える分流!

道路の分岐で考えるとわかりやすいです🚗

🚗 道路が2つに分かれる

高速道路(6台/分)が2つの道に分かれます。

  • 道1:狭い道・渋滞(R₁=6Ω大) → 2台/分しか進めない
  • 道2:広い道・スムーズ(R₂=3Ω小) → 4台/分進める!

みんな楽な道(抵抗が小さい道)を選ぶよね!

これが分流です。抵抗が小さい道に、たくさんの電流が流れるんです!

実際に計算してみよう!

では、実際に分流を計算してみましょう。

📝 例題:I=6A、R₁=6Ω、R₂=3Ωの並列回路

問題:R₁に流れる電流I₁を求めよ。

ステップ①:合成抵抗を計算(足し算だけでOK!)

R₁+R₂ = 6Ω + 3Ω = 9Ω

ステップ②:相手の抵抗R₂の割合を計算(ここ重要!)

R₂/(R₁+R₂) = 3Ω/9Ω = 1/3

ステップ③:電流を計算

I₁ = 6A × (1/3) = 2A

答え:2A

同じように、I₂ = 6A × (6/9) = 4Aです。

確認してみましょう:I₁ + I₂ = 2A + 4A = 6A ✓ ちゃんと元の電流に戻りました!

そして、抵抗が小さいR₂(3Ω)の方に、たくさんの電流(4A)が流れました。これが分流の特徴です!

分圧と分流の違いを完全整理!

一目でわかる比較表

分圧と分流の違いを、わかりやすく表にまとめました!

項目 分圧(直列) 分流(並列)
何を分ける? 電圧(V) 電流(I)
回路 直列回路 並列回路
公式 V₁ = V × (R₁/(R₁+R₂)) I₁ = I × (R₂/(R₁+R₂))
分子に入れるのは? 欲しい抵抗(R₁) 相手の抵抗(R₂)!
関係 大きいRに
大きいV
小さいRに
大きいI
比例/反比例 比例 反比例
イメージ ピザを分ける🍕
大きい子に大きなピース
川が分かれる🌊
広い川に多くの水

絶対に間違えない覚え方

分圧と分流を混同しないための最強の覚え方をお伝えします!

💡 最強の覚え方

  • 分圧:「自分の名前」イメージ → V₁が欲しい?→R₁を分子に!
  • 分流:「相手を思いやる」イメージ → I₁が欲しい?→R₂(相手!)を分子に!

分流は「相手の抵抗」を使うのが、ポイントです!これは、抵抗が小さいほど電流がたくさん流れる(反比例)ためです。

よくある間違い

試験でよくある間違いをチェックしましょう。

❌ よくある間違い

  • 分流なのに、分子にR₁を入れてしまう(正しくはR₂!)
  • 並列回路なのに、分圧の公式を使ってしまう
  • 直列と並列を見間違える(回路図をよく見る!)

✅ 正しい手順

  • ステップ①:回路図をよく見る → 直列?並列?
  • ステップ②:直列なら分圧、並列なら分流の公式
  • ステップ③:分流なら「相手の抵抗」を分子に!
  • ステップ④:最後に検算(合計が元に戻るか確認)

実用回路への応用|センサーやボリューム調整

ボリューム調整は分圧回路!

スマホの音量調整や、オーディオのボリュームつまみ。これ、実は分圧回路なんです🎵

🎵 ボリュームつまみの仕組み

ボリュームつまみは「可変抵抗(ポテンショメーター)」です。

  • つまみを回すと、R₁とR₂の比率が変わる
  • 出力電圧 = V × (R₁/(R₁+R₂))で決まる
  • つまみを右に回す → R₁が大きくなる → 出力電圧も大きくなる → 音が大きくなる!

センサー回路も分圧!

温度センサー(サーミスタ)や光センサー(フォトレジスタ)も、分圧回路で読み取ります🌡️

🌡️ 温度センサーの仕組み

  • サーミスタ(R₁)は、温度が上がると抵抗が変わる
  • 固定抵抗(R₂)と直列につなぐ
  • 出力電圧 = V × (R₁/(R₁+R₂))を測る
  • 出力電圧の変化 → 温度がわかる!

並列バッテリーは分流!

複数のバッテリーを並列につなぐときは、分流で電流を計算します🔋

🔋 並列バッテリーの仕組み

  • バッテリーA(内部抵抗R₁)とバッテリーB(内部抵抗R₂)を並列接続
  • 負荷に流れる電流Iが、それぞれのバッテリーから分流する
  • バッテリーAからの電流:I₁ = I × (R₂/(R₁+R₂))
  • 内部抵抗が小さいバッテリーから、多くの電流が流れる

LEDの明るさ調整も分圧!

LEDの明るさを調整する回路も、分圧で制御します💡

💡 LED調光回路

  • LEDと抵抗を直列につなぐ
  • LEDにかかる電圧 = V × (RLED/(RLED+R))
  • 抵抗Rを変えると、LEDの電圧が変わる → 明るさが変わる!

まとめ:分圧・分流を完全マスター!

この記事では、分圧と分流の法則、公式、覚え方、実用回路への応用を解説しました。

📌 この記事のポイント

  • 分圧(直列):大きいRに大きいV、公式 V₁=V×(R₁/(R₁+R₂))、分子は欲しい抵抗
  • 分流(並列):小さいRに大きいI、公式 I₁=I×(R₂/(R₁+R₂))、分子は相手の抵抗
  • 覚え方:分圧=自分の名前、分流=相手を思いやる
  • 応用:ボリューム調整、センサー回路、バッテリー並列、LED調光

「ピザを分ける」「川が分かれる」という身近な例えで覚えれば、もう混同しません!試験でも自信を持って解けるようになります💪

分圧・分流をマスターしたら、次は直列回路と並列回路の違いオームの法則の記事も読んで、理論科目を完全攻略しましょう!

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