理論科目の解説

ガウスの法則とは?電気力線の本数Q/εと電束Qで電界を求める方法を図解|電界の計算ツール付き

ガウスの法則とは何かを表すアイキャッチ。正の電荷を透明な球で包み、球から外へ出ていく電気力線

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お悩み
こんなふうに思っていませんか?
  • ガウスの法則って、何を言っている法則なの?
  • 電気力線の本数と電束、電束密度のちがいがあやふや
  • どんなときに、どうやってガウスの法則で電界を出すのかわからない
この記事でわかること
  • ガウスの法則とは何か(閉じた面と中の電荷)
  • 電気力線の本数Q/εと、電束Q・電束密度D
  • 点電荷・導体球・線電荷・平面の電界の求め方
  • 電荷と距離を入れるだけの電界の計算ツール
結論|まず30秒でわかる答え

ガウスの法則とは、閉じた面から出ていく電気力線の本数が、面の中にある電荷Qを誘電率εで割った Q/ε に等しい、という法則です。電荷が球・円筒・平面のような対称な形で並んでいれば、電界の大きさは面のどこでも同じなので、「電界E × 面の面積 = Q/ε」から、積分を使わずに電界を求められます。点電荷なら E=Q/(4πεr²) になります。

ガウスの法則とは何かを表すアイキャッチ。正の電荷を透明な球で包み、球から外へ出ていく電気力線

ガウスの法則とは?閉じた面から出る電気力線を数える

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電荷のまわりには電気力線が出ています。電荷を風船のような閉じた面で包むと、面から出ていく電気力線の本数は、中にある電荷の量だけで決まります。風船の大きさや形を変えても、本数は変わりません。これがガウスの法則です。

ガウスの法則

閉じた面から出ていく電気力線の本数 = Q ÷ ε (Q:面の中の電荷の合計、ε:誘電率。真空ならε0=8.854×10⁻¹² F/m)

ポイント意味
面の中の電荷だけで決まる面の外にある電荷の電気力線は、入ってきた分だけ出ていくので、差し引き0になる
面の形によらない球でも箱でも、中の電荷が同じなら出ていく本数は同じ
電荷が−なら電気力線は面に入ってくる(出ていく本数がマイナス)

電気力線の本数は、1C(クーロン)あたり 1/ε本 と決めた量です。電界の強さEは「1m²あたりの電気力線の本数」なので、本数を面積で割れば電界が出ます。

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ガウスの法則の図。閉じた面から出る電気力線の本数は中の電荷Q÷εで、面の形によらない。外の電荷の電気力線は入る本数と出る本数が同じ

電気力線の本数と、電束・電束密度のちがい

電験三種では、電気力線の本数と電束をはっきり分けて使います。まちがえやすいので、ここで整理しておきます。

量式単位誘電率で変わる?
電気力線の本数Q/ε本変わる(比誘電率が大きいほど少ない)
電束QC(クーロン)変わらない
電界 E電気力線の本数÷面積V/m変わる
電束密度 D電束÷面積 = εEC/m²変わらない

電束を使うと、ガウスの法則は「閉じた面から出る電束の合計=中の電荷Q」と書けます(∮D·dS=Q)。誘電体の中でも同じ形で使えるので、電界より電束密度で考えたほうが楽な問題もあります。

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誘電率・比誘電率と分極

電気力線と電束の違いの図。真空では電気力線が多く、比誘電率3の誘電体の中では1/3にへる。電気力線の本数はQ/εで誘電率で変わり、電束はQで変わらない

ガウスの法則で電界を求める3ステップ

ステップやること点電荷の例
① 対称な閉じた面を選ぶ電界の大きさが面のどこでも同じになる形にする電荷を中心とする半径rの球
② 中の電荷を数える面の内側にある電荷の合計Qを出すQ
③ E×面積=Q/ε を解く電界が面に垂直なら、本数=E×面積E×4πr²=Q/ε → E=Q/(4πεr²)

点電荷の電界の式 E=Q/(4πεr²) は、クーロンの法則から出したものと同じになります。ガウスの法則のよいところは、電荷が広がっていても、対称でさえあれば同じ手順で電界が出せることです。

例題

真空中で1μCの点電荷から0.3m離れた点の電界は? E=9×10⁹×1×10⁻⁶÷0.3²≒1.0×10⁵ V/m。電荷から出る電気力線は 1×10⁻⁶÷(8.854×10⁻¹²)≒1.13×10⁵本です。

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ガウスの法則で電界を求める3ステップの図。点電荷なら球を選び、中の電荷Qを数え、E×4πr²=Q/εからE=Q/(4πεr²)

形ごとの電界|点・導体球・線・平面

電荷の形選ぶ閉じた面電界 E距離との関係
点電荷 Q半径rの球Q/(4πεr²)1/r²で弱くなる
導体球(半径a、電荷Q)半径rの球外(r≧a):Q/(4πεr²)、内:0外は点電荷と同じ
無限に長い線電荷(λ C/m)半径r・長さLの円筒λ/(2πεr)1/rで弱くなる
無限に広い平面電荷(σ C/m²)平面をはさむ箱σ/(2ε)距離によらず一定

導体の中の電界は0

導体に電荷をあたえると、電荷はたがいに反発して表面に集まります。導体の内側に閉じた面をとると中の電荷は0なので、電界も0です。これが、金属の箱で中を電界から守る静電遮蔽のしくみです。

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導体内部の電界が0になる理由

平行平板コンデンサとのつながり

正と負の平面電荷を向かい合わせると、2枚の間では電界が重なってσ/ε、外側では打ち消し合って0になります。電圧V=E×dから、静電容量の式 C=εS/d が出てきます。

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C=εS/dの意味

電荷の形ごとの電界の図。点電荷は球を選びE=Q/(4πεr²)、線電荷は円筒でE=λ/(2πεr)、平面電荷は箱でE=σ/(2ε)で距離によらず一定

電界の計算ツール(ガウスの法則)

電荷の形と量、距離、比誘電率を入れてください。電界E・電束密度D・電気力線の本数を出します。

入力すると、その場で計算し直します。入力した数字は画面の中で計算するだけで、どこにも送信されません。ε0=8.854×10⁻¹² F/m で計算しています。

ガウスの法則のよくある間違い

よくある間違い正しい考え方
面の外の電荷も数える数えるのは閉じた面の中の電荷だけ
電気力線の本数=電束本数はQ/ε(誘電率で変わる)、電束はQ(変わらない)
どんな形でも積分なしで解ける積分なしで解けるのは、球・円筒・平面などの対称な形
導体の中にも電界がある静電状態の導体の内側の電界は0。電荷は表面に集まる
平面の電界も距離で弱くなる無限に広い平面の電界は距離によらず一定
ガウスの法則のよくある間違いの図。数えるのは中の電荷だけ、電気力線の本数はQ/εで電束はQ、積分なしで解けるのは対称な形だけ、平面の電界は一定
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よくある質問

Q. ガウスの法則とは簡単にいうと?

A. 閉じた面から出ていく電気力線の本数は、面の中の電荷Qを誘電率εで割ったQ/εに等しい、という法則です。

Q. ガウスの法則で何がわかる?

A. 電荷が球・円筒・平面のように対称に並んでいれば、積分なしで電界の大きさを求められます。

Q. 電気力線の本数と電束の違いは?

A. 電気力線の本数はQ/εで誘電率によって変わり、電束はQで誘電率によらず、単位はクーロンです。

Q. 点電荷の電界をガウスの法則で求めると?

A. 半径rの球を考え、E×4πr²=Q/εから E=Q/(4πεr²) になります。クーロンの法則と同じ結果です。

Q. 導体球の内側の電界は?

A. 0です。電荷は表面に集まり、内側に閉じた面をとると中の電荷が0になるからです。外側は点電荷と同じです。

まとめ
  • ガウスの法則:閉じた面から出る電気力線の本数=Q/ε
  • 数えるのは面の中の電荷だけ。面の形にはよらない
  • 電気力線の本数Q/ε、電束Q、電束密度D=εE を区別する
  • 点電荷E=Q/(4πεr²)、線λ/(2πεr)、平面σ/(2ε)
  • 導体の内側の電界は0。平行平板の間はσ/ε
ガウスの法則のまとめの図。出ていく電気力線の本数はQ/ε、中の電荷だけ数える、電束はQで電束密度D=εE、点電荷の電界はE=Q/(4πεr²)
この記事の理解を深める本と道具
おすすめの本

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S
シラス
電験三種 / QC検定1級 / パワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

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