統計学基礎

ポアソン分布とは?公式と使える条件、二項分布との違いを例題で図解|確率の計算ツール付き

ポアソン分布とは何かを表すアイキャッチ。1時間の中にばらばらに起きる電話と、その回数の確率の棒グラフ

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お悩み
こんなふうに思っていませんか?
  • ポアソン分布の公式は見たけれど、意味がわからない
  • どんなときにポアソン分布を使っていいのか迷う
  • 二項分布とのちがいや、管理図とのつながりを知りたい
この記事でわかること
  • ポアソン分布とは何か、使える3つの条件
  • 公式の意味と、例題の計算
  • 平均と分散、二項分布・正規分布との関係
  • λとkを入れるだけの確率の計算ツール
結論|まず30秒でわかる答え

ポアソン分布とは、決まった時間や範囲の中で、まれな出来事が何回起きるかの確率を表す分布です。平均の回数λ(ラムダ)だけで形が決まり、k回起きる確率はP(X=k)=λᵏ×e⁻λ÷k!で求めます。平均も分散もλになり、不良の数やキズの数、電話の件数などに使います。

ポアソン分布とは何かを表すアイキャッチ。1時間の中にばらばらに起きる電話と、その回数の確率の棒グラフ
1時間にばらばらに起きる電話の回数の分布

ポアソン分布とは?「まれな出来事の回数」の分布

「1時間に平均3回かかってくる電話が、次の1時間に5回かかる確率は?」のような問いに答えるのがポアソン分布です。

場面数えるものλの例
工場1日の不良品の数、板1枚のキズの数1日に平均2個
事務・窓口1時間の問い合わせの電話、1日のクレーム1時間に平均3件
設備1か月の故障停止の回数1か月に平均0.5回

使える3つの条件

条件意味当てはまらない例
① まれに起きるごく短い時間に2回以上同時には起きないまとめて10個ずつ届く荷物
② ばらばらに起きる(独立)1回起きても、次が起きやすくはならない1つのトラブルが次々に不良を呼ぶ連鎖
③ 起きる割合が一定時間帯によって発生率が変わらない昼休みにだけ集中する電話

条件がくずれると、実際のばらつきはポアソン分布より大きくなりがちです。たとえば不良がかたまって出る工程では、「ポアソン分布ならまず起きない」はずの多さが、ふつうに起きます。

ポアソン分布が使える3つの条件の図。まれに起きて同時に2回は起きない、ばらばらに起きる、起きる割合が一定
ポアソン分布が使える3つの条件

ポアソン分布の公式と例題

公式

P(X = k) = λᵏ × e⁻λ ÷ k!

k:起きる回数(0, 1, 2, …)、λ:平均の回数、e≒2.718、k!:kの階乗(3!=3×2×1=6)

e⁻λは「1回も起きない確率」です。そこにλᵏ÷k!をかけると、k回起きる確率になります。k!で割るのは、同じk回の起き方の順番のちがいを数えすぎないためです。

例題:1時間に平均3件の電話

λ=3のとき、ちょうど5件かかる確率は、3⁵=243、e⁻³≒0.0498、5!=120 なので、243×0.0498÷120≒0.101(約10.1%)です。

件数 k0123456以上
確率5.0%14.9%22.4%22.4%16.8%10.1%8.4%

平均が3件でも、ちょうど3件の確率は22%ほどしかありません。6件以上の忙しい時間も、約12回に1回はあります。窓口の人数を決めるときは、平均だけでなく、この「多い側の確率」を見ます。

時間を変えたらλも変える

λは「その長さの時間での平均」です。1時間に平均3件なら、30分ではλ=1.5、2時間ではλ=6として計算します。

ポアソン分布の公式と例題の図。1時間に平均3件の電話がちょうど5件になる確率は約10.1%。2件と3件がいちばん起きやすい
平均3件のとき、ちょうど5件の確率は約10.1%

平均と分散、二項分布・正規分布との関係

ポアソン分布は、平均も分散もλです。標準偏差は√λになります。

二項分布の「nが大きく、pが小さい」場合

二項分布は「n回のうち何回起きるか」の分布です。nがとても大きく、起きる確率pがとても小さいとき、二項分布はλ=n×pのポアソン分布で近似できます。

例:1日に1万個つくり、不良率が0.02%のライン。λ=10,000×0.0002=2 です。不良が0個の日の確率はe⁻²≒13.5%、5個以上の日は約5.3%です。二項分布のまま1万回分を計算するより、ずっと楽です。

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分布数えるもの平均・分散
二項分布n個のうちの不良品の数(上限n)np・np(1−p)
ポアソン分布決まった範囲の中のキズ・欠点の数(上限なし)λ・λ

λが大きいと正規分布に近づく

λが小さいと0の近くに山がある右に長い形ですが、λが大きくなるほど左右対称の山になり、λがおよそ10以上なら、平均λ・標準偏差√λの正規分布で近似できます。

管理図とのつながり

欠点数を管理するc管理図は、ポアソン分布の「標準偏差=√平均」を使って、管理限界をc̄±3√c̄としています。平均が1日2個なら上方管理限界は2+3√2≒6.24で、7個以上の日は「いつもとちがう」と判断します。

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λによるポアソン分布の形の変化の図。λ=1では右に長い形、λ=4では山が右へ、λ=10ではほぼ左右対称。平均も分散もλ
λが大きくなると分布は左右対称に近づく

ポアソン分布の確率計算ツール

平均の回数λと、知りたい回数kを入れてください。

入力すると、その場で計算し直します。赤い棒が、入力したkの確率です。入力した数字は画面の中で計算するだけで、どこにも送信されません。

工場の不良でポアソン分布を使う図。1日1万個・不良率0.02%ならλ=2で、不良0個の日は約13.5%、5個以上の日は約5.3%
λ=2なら不良0個の日は約13.5%

ポアソン分布でよくある間違い

よくある間違い正しい考え方
時間を変えてもλはそのままλは時間の長さに比例させる(30分なら半分)
平均の回数がいちばん起きやすく、ほぼそうなるλ=3でもちょうど3回は22%ほど。前後に広く散らばる
「k回以上」を「ちょうどk回」で計算するk回以上は 1−(k−1回以下の合計)
分散は標準偏差と同じλ分散がλ、標準偏差は√λ
数える物なら何でもポアソンかたまって起きる・時間で発生率が変わるなら当てはまらない
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ポアソン分布のよくある間違いの図。λは時間に比例させる、回数は平均の前後に散らばる、k回以上は1から引いて求める、標準偏差は√λ
ポアソン分布で起きやすい4つの間違い

よくある質問

Q. ポアソン分布とは簡単にいうと?

A. 決まった時間や範囲の中で、まれな出来事が何回起きるかの確率を表す分布です。平均λだけで決まります。

Q. ポアソン分布の公式は?

A. P(X=k)=λᵏ×e⁻λ÷k!です。kは起きる回数、λは平均の回数、eは約2.718です。

Q. ポアソン分布の平均と分散は?

A. 平均も分散もλです。標準偏差は√λになります。c管理図の限界線もこの性質を使います。

Q. 二項分布との違いは?

A. 二項分布はn回中の回数で上限があります。nが大きくpが小さいとき、λ=npのポアソン分布で近似できます。

Q. Excelで計算するには?

A. POISSON.DIST(k, λ, FALSE)でちょうどk回、TRUEにするとk回以下の確率が出ます。

まとめ
  • ポアソン分布=まれな出来事が決まった範囲で何回起きるかの分布
  • P(X=k)=λᵏe⁻λ÷k!。λは時間の長さに合わせる
  • 平均=分散=λ、標準偏差は√λ
  • 二項分布でnが大きくpが小さいときの近似。λが大きいと正規分布に近い
  • 条件(まれ・独立・一定)がくずれると当てはまらない
ポアソン分布のまとめの図。まれな出来事の回数の分布、公式はλのk乗かけるeのマイナスλ乗÷kの階乗、平均=分散=λ、二項分布の近似
ポアソン分布の要点:平均=分散=λ
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S
シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

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